育児休業だけではジェンダー格差は解消しない

育児休業だけではジェンダー格差は解消しない
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今日、赤ちゃんを病院から連れて帰る父親たちは、自分の父親たちよりも子どもの生活に深く関わることになると分かっている。地域社会の価値観は変化し、夫婦が子どもの世話を分担することが期待されている。しかし、ジェンダー平等の観点から見ると、状況はほとんど変わっていないようだ。近ごろは家にいる父親が増えたかもしれないが、その時間のうち、赤ちゃんの世話に費やすのは依然としてごく一部にすぎない。

オーストラリア家族研究所による
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2004年の調査では、母親が赤ちゃんと二人きりで過ごす時間は1日294分だったのに対し、父親は38分だった。さらに、 1997年から2006年までの全国調査 によると、5歳未満の子どもの世話に父親が費やす時間の増加はわずか17分で、母親の65分と比べて少なかった。

より新しいデータが明らかに必要だが、次回予定されていた全国調査は前回の予算から削られた。それでも、大きな変化を期待するのは楽観的すぎるかもしれない。

まだ十分とは言えない

父親が子どもと過ごす時間に何をしているかという問題もある。かなり日常的な作業であるおむつ替えを考えてみよう。この話題を扱ったYouTube動画が41,000本あることから判断すると、父親にとってはおおむね冗談のネタだ。たとえば、 コメディアンのアダム・ヒルズが、 使用済みのおむつを手に持った自分の写真を「本物の男はおむつを替える #smelfie」という言葉とともにツイートすると、 ハッシュタグ「smelfie」 は国際的なTwitterトレンドになった。

しかし、この点で父親たちが実際にどれほど取り組んでいるかをより正確に把握できるのは、 父親2,000人を対象とした2012年の調査 である。夫婦への詳細な聞き取りも行われたこの調査では、半数以上が1日に何度もおむつを替えると答えた一方、20人に1人は一度も替えたことがないと答えた。

調査では、父親の世話の中で最も多いのは遊びであり、赤ちゃんを1日に一度でも寝かしつける父親は半数に満たないことが分かった。両親とも、父親の仕事が優先されると考えており、帰宅が遅くなれば父親は育児を免除された。父親が難しいと感じた作業は母親が引き受けることもあった。たとえば、泣いている赤ちゃんをあやすために、父親は母親に赤ちゃんを戻していた。

この調査は、母親が主たる養育者になるという思い込みが分担不足の根底にあることを示し、共同育児の問題の核心に迫っている。聞き取りでは、働いている母親のうち、遅くなって育児を逃すことがあると答えた人は一人もおらず、泣いている赤ちゃんを父親に渡した人も一人もいなかった。

試みは失敗

母親が自然に世話をし、父親は手伝うという思い込みを変えるのは容易ではない。そして、 2013年の「父親・パートナー育児給付制度」は、その難しさを示している。この制度は、新たに父親となった人に最低賃金で2週間の休業を給付するものだ。元家族・地域サービス・先住民問題担当大臣ジェニー・マックリンは、ジェンダー平等に向けた大きな一歩としてこの制度を打ち出した。その目的は、父親が赤ちゃんと絆を深め、世話により大きな役割を果たす時間を増やすことだった。

しかし、最近公表された 制度の独立評価 では、導入後も父親が取得した休業の総量に変化はなかったことが分かった。対象となる父親のうち、新たな休業を利用したのは約3分の1にすぎなかった。

子どもの誕生後最初の2か月間に、父親が取得した休業は1日増えた。しかし最初の6か月を過ぎると、制度導入前より多く休むことはなかった。授乳から遊びまで基本的な世話全般を担う父親は当初増えたものの、やはり12か月後には差がなかった。

同様に、家庭にとどまる効果が持続しないこと は、新たな休業制度が導入される前のオーストラリアでも確認された。子どもの誕生時に4週間以上休業した父親も、それより短い休業を取った父親より乳児の世話を多く担うことはなかった。父親の有給休業を増やすだけでは、乳児の世話を誰が担うかは変わりそうにない。

ほかの選択肢

スウェーデンには世界でも特に先進的な父親向け休業制度があるが、それでも十分ではないかもしれない。1995年に導入された同国の「パパ月間」は、父親が使わなければ失効する休業日で、ほぼ全額の賃金が支払われる。この導入により、父親が子どもの世話のために取得する時間は50%増加した。2002年には、休業がさらに1か月追加された。

しかし、実際の育児への波及効果ははっきりしない。休業を取得したスウェーデンの父親は、たとえば病気の子どもの世話のために その後、さらに休業を取ることはなかった 。

最近の報告書「父親の関与―エビデンスレビュー」によると、出産支援サービスが鍵を握っている可能性がある。両親とも赤ちゃんの健康に不可欠だと扱われない限り、母親には負担が集中し、父親は締め出されたままだろう。

思いがけないところから変化が生まれる可能性もある。生後5か月の娘がいる米国俳優アシュトン・カッチャーは最近、 Facebookページで 「男性用公衆トイレにはおむつ交換台がまったくない」と不満を述べた。その発言には35,000件のコメントと250,000件の「いいね!」が寄せられ、2週間後、 彼は家族にやさしい店舗を対象とする署名活動を始め、 1週間で75,000人の署名を集めた。

これを受け、ディスカウント小売業者のTargetは、 全店舗に父親向けのおむつ交換台を設置する計画 を公表した。ソーシャルメディアに通じ、おむつ替えを冗談にする父親たちが、誰もが望むと言う、より積極的に育児に関わる父親像への移行を早めるのかもしれない。

この記事は、 The Conversationとの協力により掲載されています。 元の記事をお読みください。

掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。

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著者:リチャード・フレッチャーはニューカッスル大学保健学部の上級講師。

画像:カリフォルニア州コルテ・マデラの自宅で、カール・クラウィットが息子のレット(左、6歳)と娘のアンズリー(中央、8歳)のために夕食を作っている。

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