ジェンダーに配慮した開発は、適切な問いかけから始まる

ジェンダーに配慮した開発は、適切な問いかけから始まる
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6億件の雇用。人口増加に追いつくためだけでも、世界は今後10年間でこれだけの雇用を生み出さなければなりません。しかも、現在失業している開発途上国の2億人、そして不完全雇用にあるか、労働力から完全に締め出されている、主に女性であるさらに何百万人もの人々は、この数字に含まれていません。

こうした新たな雇用の大半は民間部門から生まれるため、民間の起業は問題の一部を解決します。しかし、女性起業家が持つ未活用の生産性を引き出すことが不可欠です。

世界各地で、女性が所有する企業は男性が所有する企業より7~10%規模が小さく、従業員の生産性も約6%低くなっています。女性管理職は、事業運営の経験年数が少なく、在宅型の事業に従事する傾向がより強くあります。開発途上国では、中小企業(SME)の約30%を女性が所有・経営しています。アフリカでは、自営業者の50%を女性が占める一方、雇用主に占める割合はわずか25%です。なぜでしょうか。

開発の専門家は、事業計画にジェンダー平等への配慮を取り入れる必要性をしばしば議論します。貧困の撲滅と包摂的成長の促進には、女性と男性が完全かつ平等に参加し、その生産性を発揮することが必要だという認識は、今や広く共有されています。

しかし、女性の生産性を十分に引き出すには、まだ長い道のりがあります。

第一に、経済全体の成長が必ずしもすべての人に恩恵をもたらすとは限りません。生産性から労働参加、テクノロジーや資金調達といった不可欠な資産へのアクセスに至るまで、さまざまな指標における大きなジェンダー格差が、経済成長だけでは縮小しなかった例は数多くあります。

第二に、世界中の女性や少女は、男性や少年には当てはまらないさまざまな制約に今なお直面しています。たとえば、家族の資源を息子に振り向ける社会規範や、夫の許可なしに財産を所有したり銀行口座を開設したりすることを禁じる法律です。

現場で得た教訓

数年前、私はコンゴ民主共和国(DRC)で、国営企業の改革、民間部門の再生、そして壊滅的な紛争が何年も続いた後の復興途上にある同国での雇用創出を目指すプログラムを監督した際、こうしたことの一端を学びました。

雇用創出と競争力の制約を特定しようと、私たちは企業、政府関係者、弁護士など、現地の状況をよく理解する多くの人々を対象に調査しました。既存の手順に従い、他の場所での経験を通じて培った直感に頼りました。しかし、何かが欠けていました。

それまで誰も、ジェンダーに配慮した視点から同国の経済やビジネス環境を精査していませんでした。DRCは、蔓延するジェンダーに基づく暴力を理由に、女性にとって世界最悪の国の一つと常々評されていました。しかし、商業に携わる女性たちはどうだったのでしょうか。

「……私たちは1,400社を調査しました……勤勉で、先見性があり、起業家精神に富む女性がこれほど多くいるのに、経済が依然として大きな潜在力を発揮できていない理由を明らかにするためです。」

現地関係者や専門家の多くは、紛争後の復興が進む中、家族を養い社会を機能させる経済活動の大半を女性が担っていることを理解していました。

この脆弱な環境で、物事を動かし続けていたのは女性たちでした。圧倒的多数が訓練を受けず、主に生き延びるために働いていました。一方、何世代にもわたる男性たちはトラウマや郷愁と格闘し、父親の時代の特権や縁故に支えられた公務員の職を夢見ていました。

そこで英国から資金提供を受け、IDA、 、Doing Business 、およびWomen, Business and the Law から成る、複数の専門性を備えた私たちのチームは、女性の視点から障壁を分析し、ビジネスと規制に関する法律を見直しました。

私たちは問いかけました。注意深く耳を傾けました。主要な専門家や国内の関係者と協力しました。女性の声が等しく届き、その見解が反映されるよう、一つひとつの問いを必ず二度尋ねました。

起業、財産登記、契約締結、融資申請。慣例的なジェンダー中立の手法を使って起業の各段階を調べた後、女性起業家の視点から改めて検証しました。女性団体をブレインストーミングの作業部会や運営委員会に招き、プロジェクトの設計チームにも加えました。

明らかになった事実は衝撃的でした。

既婚女性の事業主を見つけるのは 非常に 困難でした。そして、国内法の下では、既婚女性は夫の事前の書面による同意なしに、会社を登記することも、銀行口座を開設することも、事業を営むことも、財産を所有することもできないと分かりました。

女性には、独立した資金調達、技能訓練、司法へのアクセスがなく、家庭内暴力を犯罪とする法律もありませんでした。法的・身体的な安全を欠き、経済成長に大きく貢献することを妨げられ、自分たちの世帯の将来を形づくる場でさえ、発言権はほとんど、あるいはまったくありませんでした。

法律や夫によって、特定の時間帯に働くことや特定の職業に就くことを禁じられる女性も少なくありませんでした。利益や資産は、法律上、夫の所有物でした。許可を得て事業を登記できた女性でさえ、担保、信用、資金調達を利用できず、事業を成長させられませんでした。

解決策の策定

何年もの間、私たちは適切な問いを投げかけなかったために、その大部分を見過ごしていました。今や、何か行動を起こす必要がありました。

2011年から2014年にかけて、私たちの 貿易・競争力 チームは、Women, Business and the Lawと連携し、 国内のパートナーと協力して女性の参加と生産性を妨げる複数の制約を取り除いてビジネス環境を改善し、少女の最低婚姻年齢を15歳から18歳に引き上げる新たな家族法の草案を作成しました。

商業や市民権の数多くの側面を扱うこの法案は、首相が率いる推進派連合とともに、施行に向けた最終承認を待っています。

同時に、起業や競争力を促進する新たな事業を設計する際には、女性が子どもと一緒でも利用しやすい時間帯に説明会を開いたり、窓口を設けたりするなど、女性所有の企業を支援するための特別な取り組みを行いました。

「女性や子どもだけでなく男性にも安全で利用しやすく、ベビーカーや買い物カート、車椅子を押す介護者にも使いやすい公共交通や衛生設備を整備すれば、より優れたシステムができあがります。利用する人ははるかに増えるでしょう。」

また、世界銀行グループの他のリソースである ジェンダー・イノベーション・ラボ と、中小企業における女性のリーダーシップ(WLSME)プロジェクトも活用し、取り組みの効果を測定しました。その結果、保育や研修の取り組みが生まれました。初期の兆候は好ましいものです。

DRCには依然として数多くの開発課題がありますが、昨年は主要な改革実施国の一つに数えられました。2015年のGDP成長率は10.3%と予測され、インフレ率は低く、世界で最も成長が速く投資先として魅力的な経済の一つとなっています。

状況を一変させる力

DRCで直面した問題は、同国に特有のものではありません。ジェンダー平等が法律に明記されている国でさえ、女性の起業や経済参加を妨げる法的・規制上の障壁は一般的です。

世界銀行グループの調査 によると、夫の許可がなければ起業できない国に暮らす女性は2億人を超えます。また、自分名義の銀行口座を持たない女性は70%に上り、中小企業向け融資のうち女性所有企業に回る割合は5%未満です。成長の重要な原動力であり、雇用創出の源でもある女性所有の中小企業が直面する世界的な信用格差は、約 3,000億米ドルと推定されています。

モルディブからメキシコ、モザンビークに至るまで、世界銀行グループとそのパートナーは、世界人口の半数を阻むだけでなく、事実上すべての人を阻む法的、社会的、ビジネス上の制約を取り除くため、こうした問題について一層問いかけるようになっています。

ジェンダー平等に配慮した開発アプローチがもたらす恩恵は、幅広く具体的です。女性や子どもだけでなく男性にも安全で利用しやすく、ベビーカーや買い物カート、車椅子を押す介護者にも使いやすい公共交通や衛生設備を整備すれば、より優れたシステムができあがります。利用する人ははるかに増えるでしょう。

男性 と 女性の双方が融資や金融サービスを利用できるようにすれば、より優れた銀行ができるでしょう。そして、ショックに耐え、質の高い雇用を提供し、より多くの人々を貧困から救い出す、より強靱な経済にもつながるはずです。

6億件の新たな雇用の創出と極度の貧困の撲滅は大きな課題です。しかし、ジェンダー平等を念頭に置き、適切な問いを投げかけながら取り組むことが、目標達成の鍵となるかもしれません。

この記事は当初、 世界銀行ボイス・ブログに掲載されました。

本記事の掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。

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著者:Steven Dimitriyevは、貿易・競争力(T&C)グローバル・プラクティスの民間セクター開発担当シニア・スペシャリストであり、世界銀行のプラクティス・コーディネーターです。

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