ミレニアル世代(1980年から1995年の間に生まれた人々と大まかに定義される)は、考え方も働き方も異なります。現在、そして特に将来において競争力を保つためには、組織は新世代の労働者を惹きつけ、定着させる企業文化と職場環境を築く必要があります。これは、女性を惹きつけ、定着させ、昇進させる取り組みを進める組織にとって、とりわけ重要です。女性はいずれ、より多くの上級職に就くことが期待されるからです。PwCの経営執行チームの一員として、私はこの目標に強く取り組んでいます。
今年、PwCはミレニアル世代の女性の意識や仕事に関する希望を詳しく調査しました。その調査報告書『 次世代の多様性:未来の女性リーダーを育てる』では、世界各地のY世代の女性が仕事についてどう考えているか、いくつかの知見が明らかになりました。おそらく最も重要なのは、この調査と、私たちが 世界的なメガトレンド について行ってきた調査によって、組織がこの重要な労働者層を採用し、定着させるためにどう適応すべきかが見えてきたことです。
まず、ミレニアル世代の女性は前の世代より高学歴で、就業している可能性も高く、さらにそれ以前の世代の女性より自信を持っています。ミレニアル世代の女性の51%は、それぞれの組織でトップに昇り詰められると感じていると答えました。ミレニアル世代の男性では61%でした。私たちの調査では、Y世代の女性はキャリアアップの機会を、雇用主を選ぶうえで最も魅力的な要素と考えていることが分かりました。また、前の世代より国際感覚に優れ、テクノロジーにも精通しています。さらに、Y世代の女性は平等主義を強く意識しており、平等と多様性への取り組みで実績のある雇用主を求める傾向があります。
なぜこれが重要なのでしょうか。2020年までに、ミレニアル世代の女性は世界の労働力の約25%を占めるようになります。人材が不足する時代にあって、能力のあるミレニアル世代の女性を惹きつけ、定着させることは極めて重要です。組織は、こうした従業員の管理、コーチング、フィードバックの方法を含め、大幅な適応を迫られるでしょう。
PwCでは従業員の50%が女性で、 2016年までにその80%超がミレニアル世代になります。毎年、ミレニアル世代の女性を約10,000人採用しています。世界最大級のプロフェッショナルサービス企業として、私たちはこうした事実を重く受け止め、ミレニアル世代の職場に関する希望を大規模に調査しました。その成果を2013年の報告書『 NextGen:世代に関するグローバル調査』にまとめました。調査結果に基づき、人材管理のプロセスの見直しと変革に着手しました。目標の一つは、こうした重要な知見を活用して、特にミレニアル世代のスタッフにより大きな効果をもたらし、新世代の心により響くコーチング制度を設計することでした。
刷新したアプローチの重要な要素は、頻繁に、その場でフィードバックを行うことです。これは、調査対象となったミレニアル世代の男女の51%が重視していました。デジタル技術に精通している一方で、ミレニアル世代の96%はキャリアの計画や進捗について対面で話すことを望んでおり、その割合はミレニアル世代ではない人々の95%とほぼ同じです。
ミレニアル世代が望む、頻繁で対面によるフィードバックに応えるだけでなく、こうした会話を増やすことで、メンターやスポンサーとの関係がより効果的になると私たちは考えています。男性のほうがこうした重要なつながりを築きやすいという話をよく耳にします。私たちのアプローチは、キャリア形成や昇進について気軽に話し合うことが組織に根づく環境づくりに役立ち、キャリアを目指す女性との間にある不均衡の是正に大きく貢献するでしょう。
また、従業員の強みを最大限に生かしながら、同時に不足や課題を補うことを目指すアプローチも取り入れました。私たちは、何がうまくできていて、どうすればさらに改善できるのかを知るために数か月も待たせるのではなく、年間を通じた学びと成長を支援したいと考えています。さらに、私たちのフィードバックは将来を見据え、目標を重視するものです。ミレニアル世代の女性は、こうした特徴を非常に重要視しています。
より頻繁にフィードバックを行うことで、年次評価の過程では話題に上らなかったかもしれない事柄、とりわけ仕事と生活の優先順位について話し合うための、より良く効果的な土台を築けると考えています。その過程で、より強い信頼と、より豊かな対話も生まれるでしょう。
一例として、私は毎年、全国の大学から集まる次世代のリーダー候補のチームを迎えています。メンバーの半数は女性で、PwCについて学び、公共政策のプロセスを理解することの重要性について、より深く知る機会を得ます。こうした優秀なミレニアル世代へのフィードバックとコーチングは、常にプログラムの重要な要素でした。彼女たち、彼らのキャリア上の強みや成長の余地について、私とチームが交わす会話は、長期的なキャリア目標について幅広く話し合うための大切な入り口となります。また、仕事と生活の優先順位といったテーマについて話し合う機会も広がります。何より、こうした対話を通じて、若いリーダーたちが夢を追い、実現するために私たちがどう支援できるかを、より深く理解できるようになります。
私は多くの女性リーダーシップやネットワーキングのイベントに参加し、あらゆるキャリア段階にある女性が声を上げ、仕事、家族、その他の要求の優先順位を決める際に何を大切にしているのか、率直に話し合う必要性について議論しています。こうした会話の必要性と、それを受け入れることの妥当性を反映するよう組織のプロセスを見直すことは、女性のキャリア形成を特に損ないかねない考え方を変えるうえで重要な一歩です。
多くの組織は、ミレニアル世代の従業員に関心を寄せることの重要性にまだ気づいていません。今年実施された 調査 によると、専門的な目標の追求を後押ししてくれる人として、同僚、雇用主、上司を挙げたミレニアル世代は2%未満でした。この調査は、今年、 ベントリー大学女性・ビジネスセンターが実施しました。調査は、多くの組織が従業員のキャリアへの希望に個人的な関心を払わず、ミレニアル世代の従業員を定着させる重要な機会を逃していると結論づけています。調査で紹介された成功例の一つは、雇用主が自分の仕事の価値と影響を伝えようと努めてくれたため、夏の仕事を気に入っていたミレニアル世代の女性です。毎週、彼女は他部門に派遣され、組織全体で自分の仕事がどのように活用されているかを確かめました。その結果、自分の仕事が評価され、意欲が高まりました。また、その過程で組織全体への理解も大きく深まり、本人と雇用主の双方にとって有益でした。
ミレニアル世代の女性を惹きつけ、定着させることは、私の組織をはじめ多くの組織にとって、事業上欠かせません。キャリア形成や柔軟な働き方について、頻繁かつ建設的に話し合える文化を築くことは、女性が職場で能力を最大限に発揮できるよう支援するための、重要で具体的な一歩です。
著者:ローラ・コックス・カプラン、米国政府、規制関連業務および公共政策担当責任者、PwC
画像:チューリッヒ近郊デューベンドルフにあるスイスの航空管制会社Skyguideの管制センターで、オペレーターが航空機を監視している。REUTERS/Michael Buholzer
