新婚のカムレーシュは、夫とともに都市で働くことになると告げられ、胸を躍らせた。育ったインド中部の干ばつに見舞われやすい村より、より良い暮らしができると期待したからだ。
しかし12年前、夫や数十人とともにトラックの荷台に詰め込まれてニューデリーに着くと、歩道に設けられた粗末なテント住居を案内され、思い描いていたような都市生活ではないと悟った。
「着くとすぐに働かされました。請負業者に、建設現場の周りのごみや土をすべて片づけ、セメントを左官職人のところまで運ぶよう言われました」と、黒と白、オレンジのサリーを着た30歳のカムレーシュは語った。デリーの路上でしゃがみ込み、ハンマーで排水溝を壊しているところだった。
「賃金がどれほど低いのか、どんな暮らしになるのか、子どもたちにあまり会えなくなるのか、分かっていませんでした。男たちはいつも、私たち女は弱くて仕事が遅いと文句を言いますが、それは違います。私たちも同じくらい懸命に働いています。」
インドの町や都市では、カムレーシュのように建設現場を掃除し、れんがを運び、砂利をシャベルですくう女性たちを見かけるのは珍しくない。国の経済・社会発展に必要なインフラの建設を支えているのだ。
道路、鉄道線路、空港、オフィスの建設を支える。清潔な水を供給するための管や通信ケーブルを敷設し、下水道の排水溝を掘る。
しかし、インドの建設労働者4,000万人のうち少なくとも20%を女性が占める一方で、男性労働者より認知度が低く、賃金も低い。また、安全上の危険やセクシュアルハラスメントに遭うことも多い。
活動家によると、建設業界で女性の待遇改善を求める運動を始めた人々がいるものの、女性たちは自分の権利を知らなかったり、苦情を申し立てるのを恐れたりすることが多い。
弱い立場に置かれ、搾取される
「建設労働者には、都市に暮らす人々と、移住してきた人々の二種類がいます。より厳しい状況にあるのは移住労働者です」と、国際ネットワーク「インフォーマル雇用における女性:グローバル化と組織化(WIEGO)」のマーサ・チェンは語った。
「ほかの労働者以外に、頼れるコミュニティがありません。住環境はずっと劣悪です。水道もトイレもなく、働いている間に子どもを預ける場所もありません。」
労働者は請負業者によって村から集められ、公共・民間のプロジェクトに雇われる。請負業者は宿泊場所や現場への往復の移動手段に責任を負い、賃金や労働条件を決める。
女性労働者は、男性より賃金が低いことも多いと訴えている。
デリーの女性労働者によると、同じ仕事でも女性の賃金は1日250ルピー(4ドル)で、男性に支払われる450ルピーを下回る。業界では女性の賃金を低くするのが一般的に受け入れられているためだ。
女性の多くは夫とともに、しばしば幼い子どもも連れてやって来る。親たちが夏の焼けつく日差しの下で働く間、子どもたちはれんがや砂利の山の間で遊んでいる。
労働者たちは年に2、3回、祖父母のもとに残してきた子どもに会いに村へ戻り、長年にわたって膨らんだ借金を返す。
研究者によると、女性たちは肉体労働が体に及ぼす負担、保育の不足、請負業者や仲介人による虐待について訴えている。
「建設現場では、仲介人による女性労働者への嫌がらせが多くあります。言い寄ったり、卑わいなことを言ったり、触ろうとしたり、さらには身体をもてあそんだりすることもあります」と、英国のサセックス大学が運営するプログラム「貧困からの移住研究コンソーシアム」のプリヤ・デシンガルは語った。
「女性たちは仲介人から絶えず嫌がらせを受けるため、非常に弱い立場にあります。しかし、こうした注目を集めるような振る舞いをしたとして、夫から村八分にされたり罰を受けたりすると感じているため、男性に話せません」と彼女は付け加えた。
運搬作業から大工仕事まで
活動家によると、病気になった際に金銭的な補償を受けられないことも、女性だけでなく男性が直面する課題だ。
「インドの建設業界では、女性は物を持ち上げて運ぶ仕事をしています。れんがや土を頭に載せて足場を上ります。直面する危険は、男性よりはるかに大きいこともあります」とチェンは語った。
「彼女たちにとって、体は唯一の資産です。安全と健康は大きな問題です。病気やけがで働けなくなれば、収入を失います。多くの異なる場所で異なる雇用主のもとで働き、日払いで賃金を受け取るため、福利厚生はありません。」
業界関係者は、女性労働者の賃金や技能の評価に差別があることを認めつつ、国内の大企業では意識が変わり始めていると話す。
「女性の技能を認めない偏見はかなり根強いです」と、政府と産業界による組織、建設産業開発評議会の追加事務局長スニル・マハジャンは語った。
「しかし、請負業者の間では、ある程度意識が高まっています。企業自身も今では社会的なケアの必要性を認識しています。保育所など基本的な最低限の設備が現場で提供されることが増え、女性は以前よりずっと敬意を払われるようになっています。」
インド最古かつ最大の女性労働組合で、130万人を超える組合員を擁する自営女性協会(SEWA)などの団体によると、女性労働者の大半は自らの権利を知らない。
SEWAは西部の都市アーメダバードで女性労働者の協同組合を設立した。清掃、運搬、シャベル作業から、左官、大工、配管まで、現場で技能を身につける訓練を提供している。
この協同組合には労働者向けの保険制度もあり、病気で休んだ日は日当の半額が支給される。
しかし協同組合の運営者によると、建設業界に女性への偏見があるため、契約を獲得するのは容易ではない。
「顧客は、女性が同じ品質と速さでこの仕事をできるとは思っていません。女性にも家や道路の建設、防水工事、電気工事、配管工事ができると納得してもらうには、多くの困難に直面します」と、SEWAの都市部門責任者マナリ・シャーは語った。
「女性にはこの仕事はできないと言われるので、男性が支配するこの仕事に参入するのはとても難しいのです。それでも、少しずつ前進しています。」(取材:ニタ・バーラ。追加取材:バルセロナのミーガン・ローリング。編集:ベリンダ・ゴールドスミス、ロス・ラッセル)
この記事は、 トムソン・ロイター財団との協力により掲載されています。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。
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著者:ニタ・バーラは、トムソン・ロイター財団で災害・紛争、開発、女性の権利、気候変動、ガバナンスを担当。
画像:2015年1月8日、コルカタの道路建設現場で働く女性労働者。ロイター。
