女性の活躍を阻む見えない障壁

女性の活躍を阻む見えない障壁
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国際的に名高いテクノロジー企業のCEOが最近、昇給を求めるのではなく「制度を信頼する」よう女性に助言したことで広く批判され、屈辱的な謝罪を余儀なくされた。

「制度を信頼する」ことは、職場で女性が潜在能力を最大限に発揮する助けにはなっていない。米国では、学士号取得者の57%、修士号取得者の60%、博士号取得者の52%を女性が占める一方、S&P 500企業のCEOに占める割合は約5%、Fortune 1,000企業のCEO職ではわずか4.6%、執行役員職では14.6%にすぎない。

国際労働機関(ILO)は、さらに8億6,200万人の女性が世界経済により十分に参加できる可能性があると報告している。 ロサンゼルス・タイムズ が率直に述べたように、「指導者の男女平等が実現する前に、女性の多くはおそらく亡くなってしまうだろう」。

しかし、証拠は明らかだ。女性がリーダーシップを発揮すると、企業の業績は向上する。世界経済フォーラムのデータは、ジェンダー格差の解消に最も成功している国と、経済競争力が最も高い国との間に強い相関があることを示している。女性の割合が高い企業は、特に取締役会でその割合が高い場合、競合他社より好業績を上げている。実際、女性役員の比率が最も高い企業は、財務リターンが34%高い。

マーラ・スワン

これは、女性リーダー候補の層を厚くすることが有力なビジネス上の根拠となることを示している。しかし企業の人材パイプラインには漏れが生じ、女性がそこから流出している。何がうまくいっていないのだろうか。

私の会社であるManpowerGroupは、この問題について広範な調査を実施してきた。昨年、42の国・地域で2万人を超える雇用主を対象に調査を行い、ビジネス界で女性の昇進を妨げていると認識される障壁と、雇用主がその解消に向けて何をしているかを調べた。雇用主の10人に3人は、能力開発の機会不足が女性の活躍を妨げていると回答し、それよりわずかに少ない割合が、注目度の高い役割に就く機会の不足を主な障壁として挙げた。雇用主のちょうど半数は、女性の昇進を促す戦略を設けていないと答えた。

企業が提供するものは、女性が望むものではない

プログラムを用意するだけでは解決にならない。組織が女性のリーダー登用に本気で取り組むなら、組織文化と人材の流れを示す指標を体系的かつ深く分析しなければならない。それによって初めて、組織と個人それぞれに合った解決策を見いだす、一人ひとりに合わせたアプローチを設計できる。その解決策は、企業文化やそこに属する個人と同じように、それぞれに固有のものでなければならない。

例えば、女性の65%が柔軟な勤務形態を重要だと答えているのに対し、その選択肢を提供する雇用主はわずか28%であり、この隔たりに雇用主は対処する必要がある。絶えず進化するテクノロジーにより、従業員に柔軟性を与えることはかつてないほど簡単で低コストになっている。また、オフィスで過ごした時間よりも、場所を問わず達成した成果を重視すべきだ。柔軟性のない働き方に女性が不満を抱けば、会社を辞め、人材としての潜在力を社外に持ち出し、競合他社のために、あるいは競合他社として働くことになりかねない。

同様に、調査によると、女性の47%が専門能力開発の機会不足を昇進の妨げとして挙げているのに対し、雇用主ではこの割合はわずか30%である。また、女性の51%は明確なキャリアパスがないと答えている。この問題に取り組むには、キャリアパスを分析して、女性に受け入れがたい選択を迫る箇所を特定し、改善する必要がある。

無意識の偏見も、より多くの女性がリーダー職に就くことを妨げている。企業は、しばしば意図せずジェンダー偏見につながる方針、言葉遣い、プロセスを精査することが重要だ。組織内で人々がどのように見られているかをよく確認し、各人のスキルや貢献がどう評価されているかに特に注意を払おう。

もう一つの大きな問題は、損益責任を伴う社内の役職に女性が任命されていないことだ。こうした経験がなければ、組織の頂点にたどり着くのは極めて難しい。将来の後継者を指導できる女性リーダーが十分におらず、後継者を育てる仕組みもないため、悪循環に陥っている。

社会、企業、教育関係者、政府は、今なお女性に限られた範囲の職業を検討するよう促している。仕事のデジタル化が急速に進む中で女性が取り残されないよう、テクノロジー分野での就業や学習を後押しする必要がある。従来からの考え方や行動を変えるため、ジェンダー平等の問題に関わるすべての利害関係者が協力し、社会を変える担い手として共に取り組まなければならない。

私たちは、適切な人材へのアクセスが競争力を左右する、職場環境の変化に直面している。多くの企業が、熟練した人材を採用し定着させられないことを、成功を妨げる最大の障壁として挙げている。あらゆる人々、特に女性の潜在能力を解き放つことが不可欠だ。女性は労働力となり得る人々の50%を占めるにもかかわらず、依然として最も活用されていない労働力である。

これ以上簡潔には言えない。女性リーダーを惹きつけ、定着させ、育成することが重要なのは、あなたの企業が勝利を目指す場合だけだ。

著者:Mara Swanは、ManpowerGroupのグローバル戦略・人材担当エグゼクティブ・バイスプレジデント。

世界経済フォーラム『グローバル・ジェンダー・ギャップ・レポート2014』 が本日発表される。

画像:2014年4月25日、東京・銀座の高級カフェのショーウィンドウの前を歩く女性。REUTERS/Yuya Shino

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