障害者プライド月間とは?職場における障害者インクルージョンをどのように推進するのか

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  • 最初の障害者プライドデーは1990年7月に開催され、障害者プライド月間が誕生しました。それ以来、毎年7月に祝われています。

  • 開始後、世界各地の都市で障害者プライド月間のイベントが開催されるようになりました。

  • 障害者プライド月間は、社会が障害について抱きがちな否定的な見方を変えます。

障害のあるアメリカ人法(ADA)は、障害のある人々に対する差別を禁じるため、1990年7月26日に成立しました。この法律を受け、ボストンでは1990年7月に初の障害者プライドデーのイベントが開催され、障害者プライド月間が誕生しました。それ以来、毎年7月に祝われています。

開始以来、ロサンゼルス、ニューヨーク市、サンアントニオ、ウィスコンシン州マディソン、英国ブライトンなど、世界各地の都市でイベントが開催されてきました。参加する都市は増え続けています。

障害者プライド月間への認知を高める大きな原動力の一つが、障害者プライド旗に表されています。障害のある女性、アン・マギルが作成したこの旗には意味が込められており、それぞれの色が障害者コミュニティの異なる側面を象徴しています。

黒い地色は、病気や過失、自殺、優生思想によって命を落とした障害者を表します。赤は身体障害、黄色は認知障害および知的障害、白は外から見えない障害や診断されていない障害、青は精神疾患、緑は感覚機能障害を表します。

この旗は、コミュニティが協力して完成させた成果の一例であり、よく知られた次の言葉を後押ししています。「私たち抜きに私たちのことを決めないで」という、障害者コミュニティが大切にしている言葉です。

誰もがそうであるように、障害のある人々にも、役員会議の場で交わされる議論に参加する機会が必要です。障害のある人々は世界人口の16%を占めており、高齢化に伴ってその割合はさらに高まっています。障害者インクルージョンを実践する企業は、顧客へのサービス、人材の獲得と定着、意思決定の最適化、責任あるガバナンスと効果的なリスク管理の実証において、より有利な立場にあります。

The Valuable 500

世界経済フォーラムのインパクトパートナーの一つであるThe Valuable 500は、障害者の排除をなくすために協力する500社からなるグローバルな企業パートナーシップです。The Valuable 500の加盟企業の合計売上高は現在8兆ドル超、時価総額は合計23兆ドルで、世界で2,200万人を雇用しています。著名な加盟企業には、Apple、Microsoft、HSBC、Google、Airbnb、EY、P&G、Sony、Mahindra Groupなどがあります。

The Valuable 500は、調査とパートナーとの協働を通じて、企業における障害者インクルージョンを阻む最大の3つの制度的障壁を特定しました。次のとおりです。

1. 経営幹部層に障害のある人々が代表されていないこと

2. 障害に関するデータの報告が標準化されていないこと

3. 組織の広報や広告に障害のある人々が十分に登場していないこと

この課題に対処するため、The Valuable 500と世界経済フォーラムは、同期型集団行動を通じて変革を促すことを目指しています。500のパートナーの力を結集し、同じ制度的障壁に対して、足並みをそろえて同じ方向に同時に取り組むものです。

世界経済フォーラムは、障害者インクルージョンの格差解消に向けて何をしているのでしょうか?

リーダーシップ層に障害のある人々が代表されていないこと

委託調査を実施したTortoise Mediaは、2021年にFTSE 100企業の役員や上級管理職で障害を公表した人はいなかったと報告しました。Tortoise Mediaによる2022年の最新調査では、現在、FTSE 100企業のうち3社が、経営幹部層に障害のある人々がいると報告しています。

障害者コミュニティのリーダーシップ層での代表を加速させるため、The Valuable 500と世界経済フォーラムは、「Generation Valuable」を2022年のダボス会議で立ち上げました。障害のある人々が、次世代の経営幹部を担う優れた人材として活躍する機会を広げることを目的としたプログラムです。最初の参加者75人は、2022年12月の国際障害者デーに発表されました。

障害に関するデータの報告が標準化されていないこと

今年、ダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会で、The Valuable 500は、さらなる同期型集団行動を開始しました。その一環として発表された白書のタイトルは「ESGと障害者データ:インクルーシブな報告を求めて」です。The Valuable 500加盟企業のうち、2020~21年度の年次報告書・会計報告書(ARA)およびESG・サステナビリティ報告書で、従業員に占める障害者の割合(本人による自己申告)を公表したのはわずか22%でした。

障害の開示率が低く、報告基準も標準化されていないため、組織間の比較は極めて困難です。この白書は、 障害者インクルージョンに関する5つのグローバル標準KPIを推奨しています。従業員構成、目標、研修、従業員リソースグループ(ERG)、デジタルアクセシビリティです。発表以来、Sky、Mahindra Group、London Stock Exchange Group、Microsoft、AllianzなどのパートナーがすでにこれらのKPIを採用しており、その勢いは増しています。

組織のコミュニケーションに障害のある人々が代表されていないこと

最後に、インクルーシブな表象に向けた同期型集団行動が今年後半に開始される予定です。障害者コミュニティおよびThe Valuable 500加盟企業と共同で委託した調査を受けた取り組みです。世界人口のほぼ5人に1人に障害がありますが、広告やメディアにおける障害のある人々の表象ははるかに少ないのが現状です。Dentsu Globalによると、2022年の世界の広告支出は7,385億ドルと予測されていました。一方、米国では、Nielsonの調査で、障害に関するテーマ、映像、話題のいずれについても、障害のある人々がゴールデンタイムの広告に登場する割合は1%未満だと分かりました。

The Valuable 500に加盟する英国企業、Lloyds Banking Groupの調査では、障害のある回答者と介護者のうち、広告で自分たちが正確に描かれていると感じた人はわずか39%でした。Procter & Gamble(P&G)は、世界広告主連盟、メディア所有者、テレビ広告販売会社などの主要な業界パートナーと協力し、2025年までに欧州全域で広告のアクセシビリティ100%を目指して取り組んでいます。P&Gは、音声解説や字幕付き広告を推進し、社会の変化と事業への効果を生み出してきた実績があります。

表象は極めて重要な要素です。障害のある人々が企業で働いていなければ、排除をなくすこの変革に実質的に関わることはできません。最近の報告書で、Boston Consulting Groupはこの点を詳しく掘り下げました。同報告書によると、ほとんどの組織は、従業員に占める障害のある人々の割合が比較的低く、わずか4~7%だと回答しています。

一方、Boston Consulting Groupの調査では、約25%の人が、生活上の重要な活動を制限する障害または健康状態があると答えました。また、障害のある従業員は雇用主への申告が著しく少なく、そのため雇用主は、従業員がありのままの自分で働けるよう支援する機会を逃していることが分かりました。従業員を中心に据えた方針やプログラム、メンター制度、合理的配慮を提供することで、組織は障害のある人々のインクルージョン意識をより高めることができます。従業員が安心して障害を開示できる環境を整えることも、インクルージョン意識を高める方法です。

高まる機運と広がる機会

組織が変革を受け入れ、自らに説明責任を課し、取り組みを約束するなかで、機運が高まっています。Lloyds Banking Groupの最高経営責任者、チャーリー・ナン氏は次のように述べています。「障害のある同僚の上級管理職における割合を倍増させるという発表は、よりインクルーシブな組織になるという私たちの決意を示すものです。今後も、よりアクセシブルで、支援が行き届き、インクルーシブな職場となるよう、挑戦を続けていきます。」

これを企業価値や企業文化の一部とすることで、障害者インクルージョンをリードし、誰もが潜在能力を最大限に発揮できるよう支援する、インクルーシブでアクセシブルな職場環境をつくることを目指しています。具体的な数字で示すと、Lloyds Banking Groupは、障害のある人々の上級職における割合を2025年までに6%から12%へ倍増させるという公的目標を掲げました。

こうした行動や発言は、組織内に前向きな変化を連鎖的にもたらします。障害のある同僚が自分にも昇進の機会があると感じ、自信を持てるようになるとともに、何よりも、自らの障害を申告することへのためらいが軽減されます。

The Valuable 500の戦略は、ビジネスにおける障害者の価値を証明することです。企業における障害者の排除をなくせば、社会において障害がどのように 表象され 、認識されるかを変えられると私たちは考えています。企業が障害のある人々を顧客、サプライヤー、人材、地域社会の一員として価値ある存在と認めれば、不平等の危機を変えることができます。企業が包摂するものを社会も包摂し、企業が価値を認めるものを社会も評価します。

障害者プライド月間は、社会が障害について抱きがちな否定的な見方を変えます。これは、コミュニティが自ら語る機会であり、障害のある人々が社会やビジネスにおいて価値ある一員として自らを前向きに発信する機会です。

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