男女間賃金格差をめぐる4つの誤解

男女間賃金格差をめぐる4つの誤解
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職場男女平等庁(WGEA)が最近公表した賃金データによると、管理職の男女間賃金 格差 は最大45%に達していました。それでも、この格差が存在する理由について十分な議論を妨げる基本的な誤解が、いまだに残っています。

誤解1:キャリアの中断により、女性は男性より資格や能力が劣る。

この誤解は、同等の資格、経験、個人的特性を持つ男女が、労働市場で同じ報酬を得ているかを調べた幅広い研究によって否定されています。オーストラリア国内外の研究は一貫して、女性と男性の賃金差のうち、教育や職務経験、その他の生産性に関連する特性の違いで説明できるのは、 ごく わずかな割合にすぎないことを示しています。

女性の賃金が低いのは教育や資格の水準が低いためだと考えられてきましたが、近年のデータは、女性の高等教育への進学が増えているにもかかわらず、賃金格差が続いていることを明確に示しています。現在、学士号以上の学位を持つ人の割合は女性(26%)のほうが男性(22%)より高く、学部課程で学んでいる人の 割合 も女性(42%)のほうが男性(36%)より高くなっています。

賃金データを段階別に見ると、男女間賃金格差を、女性が子どもを持つ選択をしたことと単純に結びつけることもできません。関連する証拠として、育児によるキャリア中断が起こる時期より前にあたる20代の 卒業生 にも、男女間賃金格差が継続していることが挙げられます。

誤解2:統計は間違っている。組織はすべての従業員を平等に扱い、公正な賃金を支払っている。

統計は間違っていません。WGEAのデータは、各組織が庁に提供したデータに基づいています。この証拠が明確に示すのは、男女間の賃金不平等が続いており、それが女性の現在および生涯にわたる収入に累積的な影響を及ぼしているということです。男女間賃金格差を調べるために用いられる労働経済学の異なる理論的枠組みを考慮しても、経済学者が「測定可能な特性」と呼ぶ要因では説明できない賃金差が、依然として相当な割合を占めています。

男女間の賃金差を生む要因を、単一の要因に簡単に還元することはできません。女性が多く従事する仕事や技能が過小評価されていること、男女が就く仕事の種類やその賃金設定方法の違い、そして家族に対する責任を負う労働者の雇用機会を制限する組織構造や職場慣行などが、格差の要因となっています。

組織内の管理職やリーダー職を見ると、リーダー職に就く女性の貢献が賃金に正当に反映されず、リーダー層の中で昇進する機会も妨げられることにつながる、いくつもの主要な障壁が特定されています。これには、仕事と生活の優先事項が競合することや、女性のリーダーシップ能力に関する否定的な 認識 が含まれます。

こうした認識は組織内の個人にとどまらず、組織の構造や慣行にも根付いています。職場では、男性と女性にふさわしいとされる行動への期待に関連した、あるいはそれに基づく無意識の 偏見 が存在します。男性化されたリーダーシップ像も含め、こうした偏見は女性に体系的かつ継続的な悪影響を及ぼしています。

誤解3:女性は昇給を求めず、自分の主張をうまく伝えない。女性には競争心がなく、それが業績や賃金に影響している。

こうした誤解は女性を責め、男女間賃金格差の原因を、仕事や業績を公正に組織し評価できていない制度や職場慣行ではなく、女性の交渉力に結びつけています。こうした慣行には、職務の価値や業績の評価、採用過程や選考基準、昇進を評価するための基準などが含まれます。

交渉についての研究では、交渉のスタイル、行動、結果に男女差があることが指摘されています。こうした 違い は、賃金の男女差につながる可能性があります。また、高所得層では男女間賃金格差がより大きいことにも留意すべきです。研究はさらに、こうした違いは生まれつきのものではなく、性別に関する文化的な固定観念や交渉スタイルを含む組織環境によって形作られ得ることを示唆しています。

誤解4:女性は個人的な目標や成功の基準が幅広いため、収入をそれほど気にしない。

この誤解は、いくつかの重要な要因を混同しています。女性に偏って重くのしかかるケア労働の負担は、上級職に就く女性も含め、女性の労働市場での選択に影響を与えます。しかし、そうした選択には明らかな制約があり、夫婦世帯の所得に対する実質的に高い限界税率の影響、保育の利用可能性、良い子育てとは何かをめぐるジェンダー規範など、さまざまな要因の影響を受けています。

職場では、特にケア責任を負う女性の機会は、キャリアの進展を妨げるのではなく支える柔軟な働き方の制度が利用できるか、その質がどうかによって広がることも、狭まることもあります。これらの要因は、「リーダーシップ」とは何かをめぐるジェンダー化された捉え方とも結びついています。ハンナ・ピターマンは、女性と権威の結びつき、そして男性と家族責任の結びつきが 脆弱 であることが、職場における女性の地位を周縁化し続けていると指摘しています。

無償の家事労働の分担が不平等だからといって、リーダー職に就く女性がキャリアやそれに伴う条件に関心がないわけではありません。関心の欠如ではなく、女性のリーダーシップへの意欲を形作る要因の多くは、キャリア開発や昇進への道筋、メンタリングの機会の不足、保育費用などにあります。

神話づくりは、男女間の賃金平等に向けた前進を助けません。必要なのは、賃金格差を生む要因に対処できる、効果的かつ持続的な制度改革と文化改革を支えることです。

本記事は、 The Conversationとの協力により掲載されています。掲載は、世界経済フォーラムが本記事の見解を支持することを意味するものではありません。

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著者:ウェスタン・シドニー大学ビジネススクール、学術プログラム(人事・マネジメント)ディレクターのメグ・スミス博士。

画像:ラ・デファンスの金融・ビジネス地区を歩くビジネスウーマン。REUTERS/Gonzalo Fuentes。

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