太陽光発電は未来の技術なのでしょうか。英国で最も 急速に成長している 発電技術であることは確かです。2020年代初頭までには、 新たな報告書によれば、ガス火力や石炭火力とコスト競争力を持つようになります。そうなれば、補助金に頼らない再生可能エネルギーという目標が視野に入ります。
ベルリンを拠点とするシンクタンク、Thema1によるこの報告書は、抜本的な技術改良や同様の大きな変化がなくても、それは可能だと結論づけています。これは、次の大きな革新がすぐそこにあるとする傾向のある類似の研究とは、いささか見解を異にしています。
高まる期待
研究所では多くの刺激的な開発が進んでいますが、実質的な成果をもたらすには時間が必要です。Thema1の予測期間である10年よりも長い時間がかかるため、報告書がそれらを考慮に入れていないのは妥当です。新技術の大半は太陽電池(PV)モジュールそのものに焦点を当て、単位当たりの出力向上( グラフェン や ナノテクノロジーの活用)や、 有機太陽電池のような新素材による製造コストの大幅な削減を約束しています。
新型PV機器で光を電気に変換する効率が高まるのは歓迎すべきことですが、実用性は製造コスト次第です。現在、太陽光の最大46%を電気に変換 できる 太陽電池を製造できますが、コストのため商業的には実現困難です。現行技術である ウェハー型シリコンPVモジュールは、日光の約22%を変換する一方、コストははるかに低く抑えられます。
一方、効率は低くてもコストを大幅に抑えられる有機太陽電池などの技術には、大きな期待が寄せられています。しかし、この方式ではコストの比重がモジュールから架台などのシステムの他の構成要素へ移り、システム全体が割高になることがあります。商業的に成り立つには、これらの機器に約10~12%の最低効率が必要です。例えばこのことが、コスト効率の高い生産期間内に二桁の効率を達成できず苦戦した、ほぼすべての薄膜シリコンメーカーの 市場撤退に つながりました。
従来型PVと薄膜PVの市場シェア
実際には、研究室の太陽電池から実用サイズのモジュールに至る道のりは、驚くほど困難で時間がかかります。現在の 多結晶シリコン薄膜技術 が競争力を持つに至るまでに要した期間を見れば、それが分かります。他の技術が大幅に幸運に恵まれると考える理由はありません。
技術革新に頼らない進展
そうは言っても、補助金なしで存続できるコストを、技術の飛躍的な進歩なしにPVが実現できるというThema1の報告書の主張は正しいでしょう。必要なのは政治的意思だけです。政府が短期的に十分な補助金を提供すれば、太陽光発電は、取り組みを改善するだけでコストを下げられます。近年、世界各地で導入された太陽光発電補助金の根底には、この考え方がありました。しかしThema1は、今必要なのは補助金を段階的に減らすことだけであり、2020年までに市場価格で事業を行う方法を習得できると示唆しています。それはまったく不可能ではありませんが、重大な留意点がいくつかあります。
近年の英国における補助金削減 は、実際、現在の業界が抱える最大級の問題の一つです。資金が段階的に大幅削減され、開発事業者は期限前に太陽光発電プロジェクトを急いで進めるよう促された結果、設置件数が急増しました。これは設置工事の品質を損ない、運用・保守コスト、ひいてはエネルギーコストの上昇を招きました。
政府は、補助金削減は毎年実施されており予測可能だと主張するかもしれません。しかし、それは、こうした「崖」が期限に間に合わせるための建設ラッシュを引き起こすという事実を見落としています。削減は通常4月に行われます。そのため、建設の大半は年の第1四半期に集中しますが、この時期は天候が地盤の状態に影響し、コストを押し上げることがあります。急激な資金削減を緩やかな減少に変え、実施時期を年の後半にずらせば、システムコストに目に見える違いが生じる可能性があります。
英国の再生可能エネルギー補助金 2014/15
接続費用も英国における大きな問題で、特に大規模な開発事業で顕著です。接続費用がシステム自体とほぼ同額になることもあり、投資が明らかに成り立たなくなります。これは送電網の弱点に起因する可能性があり、国全体の課題として対処すべきです。発電の新技術にはいずれも大規模な送電網投資が必要でした。太陽光発電には高すぎると言うのは、いささか目くらましです。
発電の不安定さへの解決策
太陽光発電の競争力を高める方法として最もよく挙げられるのは、蓄電を可能にし、日や季節によって太陽エネルギーの量が変動する問題を回避することです。しかし、中期的にはそれは必要ない可能性があります。その理由の一つは、技術を個別に見るという誤りを人々が犯していることです。例えば、 ドイツでの研究 では、風力と太陽光を組み合わせることで、この変動を相殺できることが示されています。英国でもそうなのかを確かめるには、国内での電源の組み合わせを検討する必要があります。
また、再生可能電力には発電時刻にかかわらず補助金が支払われる点も指摘しておく価値があります。補助金を発電時刻の要素も含む形である程度再配分すれば、技術を改良せずにPV電力の価格を下げる方法になり得ます。パネルの向きを変えることで、発電量を最大化することもできます。
要するに、太陽光発電の成否を左右するのは政治的支援です。こうした変更に加え、技術の進歩によってPVには依然として大きなコスト削減の可能性があることを踏まえれば、未来は今なお非常に明るいと言えるでしょう。インセンティブに頼らない太陽光発電が本当に目前に迫っていると言っても、決して大げさではありません。
この記事は、 The Conversationとの協力のもと掲載されています。 掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。
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著者:Ralph Gottschalgは、ラフバラ大学の応用太陽光発電学教授です。
画像:Concentrix Solar製の太陽追尾型太陽光パネルの試作機が、2011年2月10日、カリフォルニア大学サンディエゴ校の設置場所でエネルギーを集めている。REUTERS/Mike Blake。



