オランダでは11世紀から風力が活用されてきた。Dutch Railways(Nederlandse Spoorwegen、NS)の最高経営責任者(CEO)であるロジャー・ファン・ボクセルが、同社が風力エネルギーだけで運行するようになったと発表する際、風車に自らをくくりつけたのも、もっともなことだった。
NSはオランダ国内の列車の大半を運行している。2015年、同社は列車運行による排出量を削減するため、エネルギー供給会社のEnecoと提携した。両社の目標は再生可能エネルギー100%を実現することだった。期限は2018年10月だったが、Enecoは風力発電所の建設の一部を予定より早く完了した。そのため、2017年1月1日から、NSの列車はすべて風力で運行されている。
企業が再生可能エネルギーだけで運営されていると主張する方法はいくつかある。たとえば、必要な電力をすべて電力網に供給できる規模の風力発電所を建設できる。あるいは、世界のどこかで自社の需要を賄うだけの再生可能エネルギーが生産されることを保証する契約を購入する方法もある。こうした契約があれば、電力の一部が送電中に失われて非効率となる国境を越えた電力移送が不要になる。
広報担当者のトビー・エリソンによると、Enecoはこの二つを組み合わせてNSの需要を満たしている。オランダ、ベルギー、フィンランド、スウェーデンに建設した自社の風力発電所で、2017年のNSの需要である約1.4テラワット時を賄うだけの電力を発電することを目指している(100万世帯を1年間まかなえる量)。ただし、風力発電所の発電量は変動するため、EnecoはNSとの契約を履行できるよう、必要に応じて使える発電源証明の契約も確保し、調整余地を設けている。
世界でも、再生可能エネルギー100%で運営していると誇れる大企業は多くない。企業が立ち上げた連携組織RE100の2016年の報告書によると、この基準を満たした世界企業はわずか9社だった。しかし、進展は見られる。その一覧への最新の追加企業は、米国で大規模なデータセンターを運営するSwitchだ。
NSは、この偉業を達成した初の鉄道会社だと主張している。それが事実なら、再生可能エネルギーだけで運営する初の大手運輸会社である可能性も高い。


