インドは太陽光発電への投資拡大を進めるなか、運河の上部を含め、太陽光発電所を設置する革新的な場所を模索している。
先週末、国連の潘基文事務総長は、インド西部グジャラート州ヴァドーダラー地区で、新たな「運河上部」太陽光発電所の開所式を行った。
「きらめくパネル以上のものを見ました――インドの未来、そして世界の未来を見たのです」と潘氏は語った。「インドの輝かしい創造性、創意工夫、最先端技術を目にしました。」
専門家は、運河の上に太陽光発電所を建設する主な利点として、土地を効率的かつ安価に利用できることと、その下を流れる水路からの水の蒸発を抑えられることの2点を挙げる。
今月初め、インドは再生可能エネルギー源による発電を拡大する姿勢を明確に示した。ナレンドラ・モディ首相は太陽光発電だけで投資目標を1,000億ドルに引き上げ、インドは太陽光発電を2022年までに総エネルギー構成の 10%超 に拡大すると述べた。
この取り組みの一環として、新・再生可能エネルギー省は、政府の最新の5カ年計画が終了する2017年までに、運河の上部と両岸に建設する系統連系型太陽光発電(PV)所から100メガワット(MW)の発電容量を創出する計画だ。
同省は、運河上部設置の目標達成に向けた施設建設にかかる推定費用1億5,400万ドルの 30%を補助 する。
ヴァドーダラー市郊外にある10 MWの発電所は11月に発電を開始した。灌漑用水路3.6 kmにわたって建設され、鋼製足場に33,800枚の太陽光パネルが設置されている。
州の電力網に接続され、主に灌漑用ポンプ場の需要を賄うことを目的としている。晴天時には5万ユニットの電力を発電する(1ユニットは1,000ワットを1時間使用する電力量に相当)。初年度は1,620万ユニットを発電する予定で、パネルの劣化に伴い年率1%ずつ減少する。
この発電所のPVパネルの4分の1はインド国内から調達され、残りは中国から輸入された。
サルダール・サロヴァル・ナルマダ・ニガム社(SSNNL)の主任技師であるウメシュ・チャンドラ・ジェイン氏によると、発電所は6カ月足らずで完成し、25年間の運営・保守費を含む1,830万ドルの費用は13年で回収できる。同社はグジャラート州政府機関で、この施設ともう一つの小規模施設を管理している。
より安価な電力
この発電所で電力1ユニットを生産する費用は6.5ルピー(0.105ドル)だ。ジェイン氏によると、SSNNLは送電網に供給した電力と同量を、標準価格の1ユニット当たり7.5~8ルピーを支払わずに使用できる。
発電所を建設したハイデラバードに本拠を置くメガ・エンジニアリング・アンド・インフラストラクチャーズ社(MEIL)の技師、ナヴィン・レディ氏は、運河上部設置型の発電所は維持費が高くなると述べた。
ただし同社は、清掃時に容易に手が届くよう、足場に側部バーを設け、パネル間に通路を設置した。
この10 MW発電所に先立ち、グジャラート州では州都アーメダバードから45 kmの地点に、2012年4月、小規模な発電所が稼働を開始した。運河の750メートル区間に沿って設置された1 MWの発電所は、これまでに435万ユニットの電力を発電している。
これらの発電所は、グジャラート州とラジャスタン州の180万ヘクタール(445万エーカー)の土地に水を供給することを目指す、水力発電・灌漑計画「サルダール・サロヴァル・プロジェクト」の一部である。計画されている運河網75,000 kmは、まだ完成していない。
2つの太陽光発電所はいずれも幹線運河の支流に建設されている。この運河にはナルマダ川のダムから灌漑用水が流れている。
SSNNLによると、10 MWの発電所は16ヘクタールの土地を節約し、毎年最大9,000万リットルの水の蒸発を防ぐ可能性がある。
ジェイン氏は一般論として、運河上部設置型の発電所では下の水域によって温度が下がるため、パネル効率が約7%向上すると指摘した。
環境への影響は?
しかし、構造用鋼材をより多く使うため建設費が高くなる点は、こうした発電所の欠点だと、デリーにあるエネルギー資源研究所(TERI)のアソシエート・フェロー、アナンド・ウパディヤイ氏は述べた。
SSNNLによると、1 MWの運河上部設置型発電所の費用は280万ドルだった。一方、陸上設置型の太陽光発電所は1 MW当たり230万ドルかかる。
もう一つの問題は、PVパネルは通常、最適な性能を得るため南向きに設置されるものの、運河は湾曲し、方向が変わる場合があることだ。南北方向の水路区間だけを利用すると、運河上部設置型発電所の規模が制限される可能性があると、ウパディヤイ氏は述べた。
環境ストレスへの長期的な曝露やパネル内部への浸水によって、性能が低下する可能性もあると同氏は付け加えた。
さらに、運河上部設置型発電所が周辺環境に及ぼす潜在的な影響についても懸念があるが、リスクはまだ明らかになっていない。
例えば、ウパディヤイ氏は、保守のため発電所の足場に使用する化学物質で運河の水が汚染される可能性があると述べた。しかし、SSNNLの技師テジャス・ケダリア氏は、運河の水は停滞せず流れているため、そうした懸念には根拠がないかもしれないと述べた。
長い区間にわたるPVパネルの安全確保について疑問を呈する人もいる。MEILのレディ氏によると、ヴァドーダラー発電所の全長に沿って設置された18台の監視カメラを制御室で24時間監視しており、巡回車両も稼働している。
1月最終週にバラク・オバマ米大統領がインドを訪問する際、太陽光発電が議題に上るとみられている。インド首相は、特に太陽光発電分野で、気候変動に配慮した技術への米国のインド投資を強く呼びかける見通しだ。
本記事は、 トムソン・ロイター財団 trust.orgとの協力により掲載されています。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。
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著者:マニパドマ・ジェナは、トムソン・ロイター財団のフリーランス寄稿者として、アジアの幅広い気候変動問題について執筆している。
画像:2013年9月16日、甘粛省蘭州の北西950 km(590マイル)にある敦煌の太陽光発電所で、作業員が太陽光パネルを点検している。ロイター。
