変動する原油価格にどう対処するか

変動する原油価格にどう対処するか
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近年の原油価格の急激な下落(今年に入って35%)を受け、石油輸出国はどのように予算を管理すべきかという問いが再び注目されている。これらの国々では、政府支出の60~90%を石油収入に依存している。価格下落を踏まえ、政府は成長を促す投資支出を含め、支出を削減すべきだろうか。それとも、原油価格が高かった時期に蓄えた資金を取り崩し、支出を安定させるべきだろうか。原油価格は上下に変動するため、価格ショックが起きるたびにその時の政権担当者が判断するのではなく、支出決定の指針となるルールを各国政府は求めている。資源収入の急増分を確実に貯蓄し、使いたいという抗いがたい誘惑にさらされないよう、厳格な財政ルールを用いた ノルウェーとチリの成功例は、そうしなかったナイジェリアや カメルーンなどの国々としばしば対比される。

裁量よりもルールが望ましいという点で意見が一致したとしても、どのようなルールにすべきだろうか。原油価格が一定の基準を上回った場合、資源収入の急増分をすべて(たとえば政府系ファンドに)貯蓄するというルールは、価格が下落したときにその貯蓄を取り崩せるため、魅力的に思える。しかし、多くの石油輸出国、とりわけアフリカ諸国には、インフラその他の投資ニーズが非常に大きい。急増した収入を貯蓄するより、国内に投資して経済成長を促すべきではないだろうか。原油価格は非常に不確実であり、価格が下落するとき、どこまで、どれほどの期間下がるかは分からない。したがって、どのようなルールもこの不確実性を考慮に入れるべきだ。

最近発表した 論文では、同僚3人と私は、資源が豊富な経済の単純なモデルにランダムな価格ショックを与え、異なる予算ルールが長期的に消費者にどれほどの利益をもたらすかを検証して、この問いへの答えを試みている。[この論文をとりわけ誇りに思うのは、共著者のうち2人、ヤジード・ディスーとデルフィン・ゴーが私の元学生で、3人目のシャーマン・ロビンソンは元教授だからだ。学術界における拡大家族のようなものだ。]モデルでは、政府は道路、電力、水道などへの公共投資を行い、民間投資を呼び込むことも、( アラスカ州やアルバータ州 のように)消費者に現金を直接給付し、消費者自身が支出と貯蓄の額を決めるようにすることもできる。私たちの目的は、時間を通じて消費者の厚生を最大化することだ。

価格に有利なショックが起きた場合、政府が急増した収入を貯蓄し、政府系ファンドの利子収入を消費者に移転するのが最善だと分かった。価格が下落した場合には、公共投資は生産的で民間投資を呼び込むにもかかわらず、政府消費ではなく公共投資を削減する方が望ましい。政府の投資支出は国内財(建設など)の価格を押し上げるため、消費者に移転して負の価格ショックを乗り切る助けとする資金が減るからだ。この文脈では、西アフリカ経済通貨同盟(WAEMU)諸国の公共投資が景気循環に順応的であるという 知見 も、それほど憂慮すべきことではないかもしれない。

先に述べたように原油価格は上下するため、予算ルールはどちらの可能性も網羅すべきだ。そこで、モデルに100通りのランダムな価格ショックを与え、4つの予算ルールを検証する。(i)すべて消費する、(ii)すべて投資する、(iii)すべて貯蓄する、(iv)半分を投資し、半分を貯蓄する。[ここでは有利な価格ショックを前提にルールを表現しているが、不利なショックにも対称的に適用される。つまり、価格が下落した場合、ルール(i)は消費削減、ルール(ii)は投資削減などに相当する。]人生の多くのことと同じく、投資と貯蓄を半分ずつ行う「バランスの取れたアプローチ」(ルール(iv))が4つの中で最善だと分かった。このルールは、有利な価格ショックと不利な価格ショックの双方に対する自然な保険となる。好況時には公共投資がもたらす成長促進効果によって消費水準を高める一方、困難な時期には政府系ファンドの利子収入を活用し、時間を通じて消費を平準化できる。

もちろん、この論文は、定義上、現実世界の多くの側面を単純化したモデル分析である。たとえば、資源収入の急増分の半分を投資し、半分を貯蓄するという望ましいルールはモデルのパラメーターに左右され、パラメーターの構成が異なれば割合も変わる。それでも、政府は価格ショックに対し、国内での公共投資と海外での貯蓄を組み合わせて対応すべきだという基本的な結果は、モデルのパラメーターを変えても頑健であるだけでなく、常識にも合致している。

この記事は当初、 世界銀行「Future Development」ブログ

著者:シャーンタナヤン・デヴァラジャンは、世界銀行の中東・北アフリカ地域担当チーフエコノミスト。

画像:トルコの地中海沿岸の港、ジェイハンにある石油タンクの階段を下りる作業員。REUTERS/Umit Bektas

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