日が暮れると、ドラ・ムジュングと2人の兄弟は、母親が燃料費を節約するためにランプを吹き消す前に宿題を終えようと、灯油ランプのかすかな炎を囲んで身を寄せ合う。
「宿題を終える前に寝る勇気はありません。もしそうしたら、家にいたほうがましです。先生に怒られて、蛇を殺すみたいにひどくたたかれるでしょう」とムジュングは語った。使用済みの食用油の缶で作られたランプが、居間の壁に不気味な影を落としていた。
タンザニアのタボラ州にある辺鄙なトゥラ村のウシンゲ小学校に通う14歳のムジュングは、せきの原因になる煙が出ない中国製のソーラーランプを買ってほしいと、何年も母親を説得しようとしてきた。
母親は、児童は昔から火の明かりや、時には月明かりで勉強してきたと言い、「事情があって、ほかの種類のランプを買う余裕はありません」と話す。
しかし、この世帯も間もなく、タンザニア農村部の送電網未整備地域に電力を届けることを目的とした新たな政府運営の太陽光発電プロジェクトの恩恵を受ける数百世帯の一つとなる。
太陽光発電網
これまでにタボラ州、ドドマ州、カタヴィ州では、840世帯以上、そして重要なことに小規模工場も、太陽光発電網システムに接続された。このシステムでは、多数の太陽光パネルがコンテナに収められた蓄電池に電力を送り、そこからタンザニア電力供給公社(Tanesco)が使うものと同様の配電線を通じて地域社会に電力を供給する。
「このプロジェクトに参加できてとてもうれしいです。これからは子どもたちが明るい光の下で勉強する時間を増やし、煙に苦しむこともなくなると期待しています」と、ムジュングの母親、ママ・ドラは語った。
エネルギー・鉱物省の代替エネルギー担当委員、エドワード・イシェンゴマによると、各設備で60世帯または事業所に電力を供給できる太陽光発電コンテナ14基が、オーストリア企業エレクトロ・メルルによって設置された。費用は130億タンザニア・シリング、すなわち600万ドルだった。中国企業チッコも太陽光発電ユニットの供給契約を結んでいる。
当局者によると、タンザニアに対するオーストリア政府の融資による資金には、5年間の保守・修理費も含まれている。イシェンゴマによると、このプロジェクトは、同国の農村エネルギー庁の事業対象外となっている辺鄙な村の人々に電力を届けることを目指している。今年7月に試験段階が終了した後、政府は全国の村々に太陽光発電の「発電機」をさらに600基設置する計画だという。
「これらの太陽光発電機には電源コンセントがあり、水ポンプや溶接機などの簡単な機械につなげられるので、人々は経済活動にも利用できます。役立ててもらい、暮らしが向上することを期待しています」と同氏は述べた。
太陽光発電プロジェクトの調整役、スタイデン・ルウェバンギラによると、政府は「ビッグ・リザルツ・ナウ」と呼ばれる開発構想の一環として、学校、保健センター、教会にも太陽光発電を接続したい考えだ。
太陽光発電機は「非常に強力です」と同氏は述べた。
太陽光発電の製材所
トゥラ村で小さな製材所を営むサルム・マウリドによると、自宅から目と鼻の先にある村の太陽光発電機が、現在、仕事で使う機械に電力を供給している。
「仕事が本当に楽になりました。ドリルや電動のこぎりを動かすのに十分な電力が得られます」と同氏は語った。
政府当局者によると、現在、新たな太陽光発電へのアクセスは無料で提供されているが、プロジェクトの継続費用を賄うため、利用者にも一定の負担を求める仕組みが検討されている。
当局者によると、同様のプロジェクトはセネガル、マリ、カメルーン、ガンビアでも実施されている。
エネルギー・鉱物省によると、タンザニアの1人当たり電力消費量は非常に低く、現在、従来型の送電網による電力に接続されているのは国内のわずか18%だ。
専門家によると、未接続地域の多くではディーゼル発電機が電力を供給しているが、費用がかさみ、汚染を引き起こすこともある。再生可能エネルギーは、システムが整えば、より安価で汚染の少ない代替手段になるという。
この記事は トムソン・ロイター財団との協力により掲載されています。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味しません。
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著者:キジト・マコエはトムソン・ロイター財団のフリーランス特派員。
画像:コンセントリックス・ソーラー製の試作型太陽追尾式ソーラーパネルがエネルギーを集める。REUTERS/Mike Blake。
