再生可能エネルギー100%は本当に実現できるのか?

再生可能エネルギー100%は本当に実現できるのか?
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先月、 Future of Energy Summit に参加した。これは毎年開催される、 Bloomberg New Energy Finance主催のイベントだ。そこで、2年連続で、クリーンエネルギー全般にわたるコスト低下とイノベーションの急速な進展に強い印象を受けた。 ドバイで最近実施された太陽光発電の入札 で、提示価格が1kWh当たり6米セント未満となったというニュースから、電力貯蔵や電気自動車への大規模な投資、さらには電力網と消費者の双方のレベルで需要側管理への関心の高まりに至るまで、メッセージは明らかだ。クリーンエネルギーは、投資をますます呼び込むことになる重要な転換点に、すでに達した可能性が高い。世界的な価格下落により上流の石油生産への設備投資が大幅に抑制され、資金の向け先を探している金融資本が大量にある可能性があることから、タイミングが好機だと指摘する論者もいた。

米国の進歩的な規制当局者から出たメッセージも、おそらく特に興味深いものの一つだった。カリフォルニア州公益事業委員会の委員長、マイケル・ピッカー氏は、 次のように指摘した。 昨年の数日間には、すでに州の電力の40%を再生可能エネルギーが供給していたことを踏まえると、2030年までに再エネ比率を50%にする目標は「実際には難題ではない」。さらに興味深いことに、戦略的な発電設備の配置、隣接州への送電、分散型蓄電を背景に、将来のいずれかの時点で再エネ100%を達成することについても、同氏は非常に落ち着いた様子だった。なお、ここでいう再エネには大規模水力発電は含まれない。同発電はカリフォルニア州の電力の 6~12% を供給しており、増加する可能性は低い。

世界で一人当たりのエネルギー消費量が最も多い国の一つにある州が、電力を100%再生可能エネルギー由来にすることは可能だと考えているなら、供給を拡大してアクセスを広げ、経済発展を支えようとしている開発途上国にとって、これは何を意味するのだろうか。南アフリカでは、太陽光と風力の価格が新設石炭火力発電を下回っている(追加の需給調整コストは考慮していない一方、石炭の環境・社会コストも考慮していない)。こうした状況を受け、貧困層へのアクセス拡大には化石燃料が不可欠だという従来の主張は、ますます議論の対象になっている。サミットの基調講演でアル・ゴア氏はこの点を力強く訴えた。先週 ガーディアン紙に掲載された記事 でも、同じ主張を繰り返している。

特にインドのように、電力を利用できない大勢の人々を抱える国が、主として水力以外の再生可能エネルギーから電力の100%を調達できるという考えは、多くの人にとって夢物語と見なされるだろう。しかし、今まさに見られるコスト低下と、世界全体のカーボンバジェットという概念、そしてその結果として、すでに発見されている炭素埋蔵量の少なくとも 3分の2を地下に残す必要性への認識の高まりを受け、潮目は変わりつつあるのかもしれない。私の見方では、特に重要な課題は3つある。i)望ましい生活水準を支えるために必要なエネルギー量を大幅に減らすところまで、省エネと節電策を積極的に実施すること。エネルギー強度を多少改善するだけでは不十分だ。ii)より 変動性の高い電源を支え、管理するために必要な技術やインフラに投資し、導入すること。iii)化石燃料のエネルギー源を代替するため、クリーンエネルギー部門の能力を拡大すること。そのためには、おそらくこれまでに見られた以上に目覚ましい成長率が必要となる。

こうしたすべてにおいて、規制当局と政策立案者が果たす役割は、いくら強調してもしすぎることはない。破壊的イノベーションがあまりにも急速に進むなか、既存産業が適応するのは難しく、保護主義や変化を妨げる動きにつながることも多い。しかし各国には、規制された独占事業者が運営する集中型電力網を基盤とした20世紀型の電力供給モデルから、よりモジュール型で分散型、かつ強靱な仕組みへと、一足飛びに移行する機会もある。携帯電話はすでにこれを実現し、何もない状態から20年足らずであまねく普及した。しかし、未来の予測が難しく、未知の解決策がすぐそこにあるかもしれないとき、支払不能の公益事業者、供給不足、コストを反映していない料金といった今日の課題への対応だけで手いっぱいの規制当局は、どうすれば賢明に一足飛びの移行を進められるのだろうか。世界銀行グループが公益事業改革と電力部門の計画策定に深く関わっていることを考え、私や同僚たちはこの問いを抱えたままだった。

答えは持ち合わせていない。しかし、再生可能エネルギー100%による電力がもはや夢物語でないのなら、一足飛びの移行を望み、変革を受け入れる国々を支援し、技術革新とコスト低下の恩恵が最も必要としている国々に届くようにすべきだと、私は確信している。

この記事は、 世界銀行の「万人のための持続可能なエネルギー」との協力により掲載されています。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。

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著者:オリバー・ナイト氏は、世界銀行のエネルギーセクター管理支援プログラム(ESMAP)で上級エネルギー専門家を務める。

画像:太陽光発電所で作業員が太陽光パネルを点検している。ロイター/カルロス・バリア。

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