パリ協定後に取るべき次の5つのステップ

パリ協定後に取るべき次の5つのステップ
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パリで開催された国連気候変動会議において、勇敢で先見の明を備えた指導者たちは、人々が「可能と思える範囲」の制約の中で行動する限り、世界が変わることはめったにないと認識した。世界は合意を期待していたが、産業革命以前と比べた気温上昇を摂氏1.5度以内に抑えることを目指す合意を、大半の人は敢えて思い描けずにいた。パリは地球と貧困層のために成果をもたらした。

次に必要となる重要な5つのステップは以下のとおりである。

第一に、開発への取り組み方を変える必要がある。気候変動は、よりクリーンな都市の建設から、限られた土地でより多くの食料を生産することに至るまで、私たちのあらゆる取り組みで考慮されなければならず、気候パターンの変化への適応により一層重点を置く必要がある。これは、例えばモザンビークのような国で道路を建設する際、絶え間ない豪雨に伴う洪水にも耐えられるものにすることを意味する。この目的に向けて、世界銀行はパリで新たな気候行動計画を発表し、今後数年間にわたりサハラ以南アフリカを支援する。

第二に、デジタル革命と同等の速度と規模で、クリーンエネルギーへの転換を進める必要がある。パリでの協議は、低炭素型の成長こそが未来であるという明確なシグナルを市場、政府当局者、投資家に送った。市場の力がこの取り組みを前進させ、途上国が再生可能エネルギーに投資する可能性は、これまでになく大きくなるだろう。低炭素技術のコストが劇的に低下したことも、再生可能エネルギーへの野心的な世界的移行を後押ししている。

151214-パリ気候協定、ジム・ヨン・キムの引用カード

その一例がバングラデシュである。同国は、農村部の家庭向け太陽光発電システムの販売を拡大するための革新的な取り組みを進めてきた。当行の低コストの融資は民間部門から大きな関心を集め、現在バングラデシュは世界で最も急速に成長している家庭用太陽光プログラムを有している。農村部で1,850万人以上の人々が、現在では太陽光発電による電力を安定的に利用できるようになっている。

第三に、企業は直ちに気候リテラシーを身につけなければならない。パリでは、セメントからテクノロジー企業に至るまでさまざまな業界の最高経営責任者(CEO)らが、炭素排出量の削減、再生可能エネルギーへの投資、資源の持続可能な管理を明確に約束した。この移行には、政府、市民社会、民間部門のあらゆるレベルにおけるより多くのパートナーシップが必要となるだろう。

第四に、世界の指導者はカーボンプライシングの導入に一層力を入れなければならない。化石燃料の燃焼によって排出される二酸化炭素には、相当な代償が伴う。その請求書は、公衆衛生上のコスト、環境被害、悪天候の影響という形で、私たち全員に回ってくる。約40カ国と、23の都市、州、地域がカーボンプライスを採用しているものの、これは年間の温室効果ガス排出量のわずか12%しかカバーしていない。90を超える先進国と途上国が、パリ合意を受けて実施する意向のある措置の中にカーボンプライシング制度を盛り込んでいる。これは歓迎すべき一歩である。

最後に、資金面が極めて重要になる。180カ国以上が提出した国家気候行動計画は、数兆ドル規模の気候関連ニーズを明らかにしている。この世界的な経済移行は、民間部門に大きな投資機会をもたらす。炭素に伴うリスクは高いが、脱炭素化の機会はそれ以上に大きい。当グループとしては、このたび世界銀行グループの気候関連融資を、2020年までに年間最大290億ドルまで増やすことを表明した。

各国は、その約束を果たすために、それぞれ異なる道筋をたどることになるだろう。各国の指導者は、適応と排出削減のための期限を守らなければならない。私たちはそれを支える立場にある。当グループには、気候変動に強い農業、より環境に配慮した都市の建設、再生可能エネルギーへのアクセス拡大、エネルギー効率の向上、そして民間投資の拡大に向けた融資の活用に重点を置く計画がある。これらはいずれも、温室効果ガス排出量の削減と、変化する世界の気候への適応を人々が進められるように設計されている。

パリでの会議は、私たちの期待を上回る合意をもたらした。今や私たちは、ほぼ200カ国が支持するこの歴史的な合意に見合う野心をもって行動しなければならない。有害な排出を削減するための長い闘いにおいて、私たちは注目すべき転機に立っており、将来の世代のために地球を守るこの世界的な約束を生かさなければならない。

本稿の掲載は、世界経済フォーラムによる見解の支持を意味するものではない。

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著者:ジム・ヨン・キムは世界銀行グループ総裁である。

画像:World Climate Change Conference 2015(COP21)の期間中、ドイツ館の前を歩く来場者。REUTERS/Jacky Naegelen.

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