数学・科学分野に、より多様性が必要な理由

数学・科学分野に、より多様性が必要な理由
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科学や数学の科目は、 従来、成績優秀な白人の中流階級の生徒の得意分野と 見なされてきました。また、英国の科学者やエンジニアの数を増やすため、政府は過去10年間、より多くの若者が大学でこれらの科目を学ぶことを目指した、さまざまな学校施策を支援してきました。

全国的な評価に関する私の初期調査結果によると、学校の成績は緩やかに、着実に向上しています。しかしこれまでのところ、数学と科学のGCSE試験の成績格差を完全になくすには至っていません。これらの科目における学校の成績を左右する最大の要因は、科学大使の訪問回数やその他の介入策ではなく、もともとの不利な立場にある生徒や学力の低い生徒の割合のようです。

2012年、 王立協会は 16歳から19歳の生徒が学校で科学や数学を学ぶ人数が不十分であり、さらに、こうした科目を大学で学び続ける生徒の割合がいっそう少ないことに深刻な懸念を表明しました。

科学、技術、工学、数学(STEM)分野で深刻な技能不足があるという主張を裏付ける証拠がどこにあるのかについては、 いくらか議論が あります。実際、これらの分野の卒業生数は増加しており、2014年には 過去最高を記録し ました。それでも、あらゆる水準でSTEM職に就く人や、STEMを学ぶ人がますます必要になるという点では、 意見が一致して います。

多様性が重要

明日の科学者が、単一の社会的背景を持つ人々だけにならないようにすることが重要です。階級、民族、ジェンダー、背景の面で多様な生徒を科学・数学課程に受け入れることは、より革新的で、社会のニーズに応えるSTEM人材の育成に つながると期待されて います。

それは社会経済的な格差を縮小する助けにもなるでしょう。科学関連職に就く人々は、他分野で働く人々より 収入がほぼ30%多い ためです。また、受け入れる生徒の多様化は、社会正義の促進にも役立ちます。大学には、社会経済的地位、ジェンダー、人種を問わず、すべての人に公平なアクセスを維持する責任があります。

STEM分野の技能不足に対処するため、学校には、より多くの生徒に科学と数学を学び続けてもらうことが奨励されてきました。政府は過去10年間、イングランドで義務教育終了後も科学や数学を学び続けるよう若者を触発し、関心を高め、意欲を促すため、数多くのSTEM能力向上・充実活動に 資金を提供して きました。

こうしたプログラムは非常に多数に上ります。2004年の「 STEMマッピング・レビュー」では、科学分野の取り組みが470件確認されました。こうした施策の種類と数は、過去10年間で大幅に増えています。2006年に政府資金による継続中の取り組み70件を分析した「 STEM横断プログラム 」は、次のように提言しました。「同じ金額でより良い成果を上げるため、政府が支援する取り組みを合理化し、最良のものを発展させる必要がある。」

生徒を対象とした施策 では、STEM科目の実践的な経験を提供するとともに、ロールモデルやメンターを通じて生徒の視野を広げ、将来の進路を示すことで、十分な情報に基づいた選択を支援してきました。また、奨学金や給付金という形で、金銭的な動機づけを行うこともよくあります。こうした施策は、多くの場合、科学や数学でより良い成績を収めた生徒ほど、これらの科目に継続して取り組む可能性が高いという理論的な前提に基づいています。

そのほか、科学大使の学校訪問、最新鋭の研究所や施設で実施する実践プログラム、学校での進路指導やカウンセリング、教員によるメンタリング・プログラム、STEMサマースクールなどの活動があります。

効果はあったのか?

私の 継続中の研究 では、こうした取り組みへの参加が、不利な立場にある生徒の割合が異なる学校間の数学・科学の成績格差を縮小する助けになったかどうかを明らかにしようとしています。

実験を伴う科学・数学活動、科学大使の訪問、アウトリーチ・プログラムに毎年生徒を参加させていることが確認された、イングランドの公立中等学校300校を対象に、2007年から2012年までのGCSE科学・数学の成績を追跡しました。これらすべてのプログラムに共通する目的は、実践的な活動を通じて科目への理解を深め、科学と数学に対する姿勢を向上させることでした。

イングランド全土を対象に、 全国生徒データベース のデータを初期分析したところ、2007年から2012年にかけて、すべての学校で科学と数学のGCSE成績が徐々に向上していることが分かりました。下の図は、各学校で数学のGCSE試験においてA*からCの成績を得た生徒の割合を示しています。

CC BY

STEMプログラムを実施した学校のうち、不利な立場にある生徒の割合が高い学校は、依然として遅れを取っていることは明らかです。しかし、介入策に参加した学校では、数学のGCSE得点の伸びがより大きくなりました。不利な立場にある生徒の割合が高い介入実施校では、2007年から2012年の間にGCSEの成績が12.4パーセントポイント上昇しました。不利な立場にある生徒の割合が低い学校では4.7パーセントポイント上昇し、国内のその他すべての学校(STEM介入策を実施した学校を除く)からなる比較群では、成績が9.9パーセントポイント上昇しました。

貧困が依然として最大の要因

民族、ジェンダー、貧困など、さまざまな要因を検討したところ、学校における不利な立場にある生徒の割合が、数学と科学の成績に最も大きな影響を与えていました。つまり、STEM活動に参加していても、学校給食費の無償支給を受ける資格のある生徒が多い学校ほど、数学と科学のGCSE成績が低い可能性が高いということです。

このことは、2007年から2012年に追跡した学校で実施されたSTEM施策が、社会経済的地位の影響を乗り越えられなかったことを示唆しています。同じ金額を使ってより良い成果を上げるため、何が有効かを理解し、最良の施策を発展させるには、より厳密な評価が必要です。

この記事は当初、 The Conversationに掲載されました。 元の記事をお読みください。

掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。

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著者:Pallavi Amitava Banerjeeは、ダラム大学の博士課程の学生です。

画像:大学院生のKatie Batesは、UCL薬学部のナノ医療研究室で作業しています。REUTERS/Suzanne Plunkett

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