歴史は高等教育改革について何を教えてくれるのか?

歴史は高等教育改革について何を教えてくれるのか?
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今日、世界各地の大学は、経済合理性に従い、 貢献する よう圧力を受けている。しばしば「グローバル化」などの曖昧な流行語に導かれた革命として語られるが、これは新しいことではない。研究と教育が外部の制約を受けずに行われたことはなく、公立大学は長年、社会が投じる資源を正当化するよう求められてきた。

しかし大学は脅威を感じ、主要な機能を果たす能力をますます失いつつある。大学改革をめぐる現在の議論の大半の中心にある問いは、教育・科学の実践における目標、価値、規範を大学自身がどの程度決定すべきか、ということだ。政治家や一般市民にとって、学問の自由は――高潔な原則として称えられても、実際には主に踏みにじられてきたものだが―― 意味をなさなくなりつつある。

高等教育の自由をめぐる議論は大学と同じほど古い。しかし今日、イデオロギーによって課される制約は、1945年以降、公立大学が国家に財政的に依存していた状況とは大きく異なる。現在、 半私立・半公立大学 へと向かう国際的な潮流は、学問の自由に新たな課題を突きつけている。その一例が、科学的行為における 市場に基づく語彙 と原則の支配である。

また、企業型の経営モデルの導入は、 大学内部での権力の権威主義的な集中を招いている。現在の改革に反対する批判的な声は、知的自律性が、公立大学の財政的自律性という実現不可能な構想のために犠牲にされていると 主張する 。

フンボルト以降……

こうした議論は、『The Conversation』に掲載された一連の記事の核心にある。これらの記事は、欧州内外における高等教育と研究の現在の再編に、待望されていた歴史的な光を当てる。記事は、高等教育と政治をめぐる 最近の大規模な会議 から生まれた。

ここで示される国境を越えた歴史比較は、現在の改革文化の特異性を明らかにしている。また、大学と社会の関係が歴史的に複雑であることを示し、国家単位の偏狭な見方を戒める。「ほかに選択肢はない」と告げられたときこそ、反証となる確かな事例を求めて海外に目を向けるべきだ。

高等教育、社会、政治、市場の結びつき方は、国によって大きく異なってきた。そのため、 市場化のイデオロギーが広く影響しているにもかかわらず、大学の将来をめぐる公的な議論に表れているように、世界各地には実質的な違いが存在する。ここでは、その多様性の一端を紹介する。

現代ヨーロッパの公立大学は1945年に始まるが、その基盤には、19世紀初頭の フンボルト的理想 である学問の自由と、教育と研究の両方を担う教員の価値がある。このモデルは世界中に広がり、英米圏を含む数多くの地域的な変種を生み出した。英米圏の大学は20世紀にドイツやフランスの大学を追い越した。

共通の課題に対する地域ごとの対応

今日、英語圏の大学が世界の多くの地域で優位にあることは明らかだ。しかし、このシリーズの日本に関する記事が示すように、国際的に流通する大学モデルと各国の高等教育の伝統が組み合わさることで、結果は大きく異なってきた。均質化への圧力があるにもかかわらず、大学運営に市場化の原則を導入した際の反応は、世界各地で大きく異なる。

イタリア人歴史家アンドレア・マリウッツォが示すように、 米国のエリート大学の理想化 は、世界の高等教育において新しいことではない。さまざまな国家的プロジェクトを正当化するために米国の制度を誤って描くことも同様だ。マリウッツォは1945年、改革に取り組んだハーバード大学関係者が、市民を育てることを目的とした一般教養教育と、経済的成功を目指すとされる専門教育との均衡を定めようとした取り組みを検討する。

一方、日本人歴史家の岡山茂は、高等教育の欧州モデルが、その始まりから日本のアプローチにどのような影響を及ぼしたかを述べる。また、日本の私立大学制度の失敗と、英語による授業と日本語による授業の間で広がる格差も明らかにする。

博士課程研究者の集団 も、「下から」の視点を提示し、市場化された大学が、その未来を担う人々にどのように経験されているかを説明している。

歴史から学ぶ

高等教育が現在直面する課題の一部が、現代に特有のものであることは否定できない。しかし、広く新しいものと見なされていても、長い歴史を持つ課題もある。大学がグローバル化しているとよく言われる。実際には、国民国家は依然として重要な役割を担っており、世界の学術界は今なお主として国際競争の場である。

この場では、あらゆる種類の国際的な栄誉が国家の威信を高め、個々の研究者は国際的な評価を国家的な目的のために活用する。真に新しい改革と、新しいものとして提示されているにすぎない改革とを見分け、世界的な潮流と各国の状況の相互作用を把握することは、今日の課題にどう対応するかを考えるうえで役立つ。

本記事は、 The Conversationとの協力により掲載されています。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。

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著者:サイモン・ジャクソンはバーミンガム大学の近現代中東史担当助教(講師)。アン・トムソンは欧州大学院大学の欧州思想史教授。ステファン・ニゴードはヘルシンキ大学のフィンランド・アカデミー研究員。

画像:ケンブリッジのハーバード大学で、卒業証書授与式に臨む学生たちの横顔。REUTERS/Brian Snyder。

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