現代を象徴する指標として、人口1万人あたりの製造業労働者数に対するロボット台数ほど示唆に富むものはないかもしれません。自動化の脅威が迫るなか、一般的に理解されているように、製造業の仕事が真っ先になくなるだろうと考えられています。しかし研究者らは、この指標はボットが溢れる未来に対する各国の受容度を測る最良の方法ではないかもしれないと考えています。
情報技術革新財団(Information, Technology, and Innovation Foundation)による新たな報告書では、高賃金経済国のほうが低賃金経済国よりもロボット導入の経済的根拠が自然と強いことが指摘されており、ロボットの普及は、その費用を支払える国に有利な方向に偏っていることを意味します。産業用ロボットは1台10万ドルをはるかに超える費用がかかることを考えれば、これは理にかなっています。
同報告書は、代わりに各国の平均賃金を考慮することで、産業用ロボットの導入にどれほど前向きかを正しく把握すべきだと提言しています。
この2つのグラフを比較してみましょう。1つ目では、2017年時点で稼働している産業用ロボットの台数に基づき、国が降順に並べられています。予想どおり、韓国、ドイツ、米国などの富裕国は導入率が最も高い部類に入っています。しかし、各国の賃金を調整すると、データはまったく異なる様相を示します。
2つ目のグラフでは、研究者らが各国の相対的な富に応じて想定されるロボット導入率で調整しています。欧州および米国の多くの国では、想定を下回る導入率であることがわかります。
これら全体から導かれる結論は比較的明快です。賃金を考慮すると、アジア諸国は欧米諸国を大きく上回っています。製造業の将来がロボットにあるのなら、米国と欧州の国々は競争力を維持するために挽回すべき点があります。



