「私たちの学校は産業時代の工場のようですが、今求められるスキルは大きく異なります。協働する力や問題解決力、物事を批判的に考える力などです」と、教師主導の学校再設計に取り組むリーダー、ロリ・ナザレノ氏は語る。「どの国にも独自のやり方がありますが、ほかの地域から学ぶことができます。他の場所では教職という仕事はどのように構成されているのでしょうか。学校はどのように運営されているのでしょうか。教師が専門性を高める方法を知る、もう一つの手がかりになります」
米国の学校や大学で教育者から学ぶため、海外から教師が訪れることは以前からあった。「しかし、相互性がなければなりません。私たちも、彼らが私たちから学ぶのと同じくらい、彼らから学ぶことがあります」とナザレノ氏は言う。教室で25年間教えてきたベテラン教師である同氏は現在、 Center for Teaching Qualityの教師リーダー・イン・レジデンスを務めている。
ナザレノ氏は、ゲイツ財団とロンドンを拠点とするサットン・トラストが後援した、 11月にワシントンD.C.で開かれた教育者の国際会合の主催者の一人だった。「フィードバックと教師の実践改善に関するサミット」には、オーストラリア、カナダ、フィンランド、オランダ、香港、ニュージーランド、シンガポール、英国、米国から80人の教育者が参加した。15人の教師からなる諮問グループが、会合の目標と内容の策定を支援した。
このサミットは、フィードバック、振り返り、協働のための実践やツールを共有し、改善の機会が当たり前となる仕組みをつくる方法について話し合うことを目的としていた。サミットに先立ち、世界各地の教師リーダー向けプラットフォームであるCTQのグローバル・コラボラトリーは、参加者がアイデアを共有し、互いを知るためのオンラインの場を提供した。この取り組みは、参加者が帰国した今も続いている。サミットでは、参加者全員の知見を活用した反復的かつ協働的なプロセスの中で、戦略やツールが共有、検討、改善され、現在はオンラインでさらに磨かれている。対象分野は、協働的な学習サイクルから、信頼を基盤とする学校文化やチームティーチングの構築まで幅広い。具体的なツールが完成すれば、サミット参加者が自分の教室で試行し、ほかの教育者とも共有する。
ナザレノ氏によれば、参加者の教育実践には多くの共通点が見られた一方、大きな違いもあった。「最も顕著な違いは、専門性を広げるための仕組みや構造に関するものでした」と同氏は語る。「実践を高め、教師の成長を助けると分かっていること、たとえばフィードバックを受けて振り返る機会、協働、ほかの教室を訪問する機会を実現するための仕組みです」
たとえばフィンランドには教師養成の仕組みがあり、4人の教育実習生が1人の熟練教師の指導を受ける。実習生は熟練教師の授業を見学し、その後、見たことや学んだことについて話し合ってから、自分たちで実践する。さらに、熟練教師が実習生の授業を教室で観察し、追加のフィードバックを行う。これは、フィンランドの教師養成制度に組み込まれた、実践・フィードバック・振り返りの循環である。
「米国では、自分でそうする必要があると分かり、自分のために時間を確保しなければなりません」とナザレノ氏は言う。「ほとんどの学校や学区では、体系化されていません。45分あるとして、授業を計画するか、別の教師の授業を見るか、それとも翌日のためにやらなければならないことをするか。質の高い授業には時間が必要です」
この記事は、 ビル&メリンダ・ゲイツ財団との協力により掲載されています。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味しません。
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著者:キャスリン・ハントはワシントンを拠点とする教育分野のライター。
画像:Goshichonの塾で講義をする教師。REUTERS/Lee Jae-Won。

