学区の幹部は、教師同士が協働し、互いを支え合うことを望んでいるとよく語る。だがテネシー州では、ある学区が教師の実践を真に改善できるようにする方針変更によって、その言葉を裏付けている。
テネシー州の6学区の一つであるラウドン郡学区は、 上海で用いられている教師の協働と相互支援のモデルを導入しており、教師の実践の改善を実施し、持続させるには、学区と学校の双方の関与が必要であることを示している。
教師ピア・エクセレンス・グループ(TPEG)のアプローチで重要な要素の一つは、6学区の教育関係者が視察のため上海を訪れた際に見たように、教師が定期的に互いの教室を訪れ、互いの実践について意見を交わすことだ。モデルのもう一つの「譲れない」要素は、教師の仕事の記録を継続的に集め、他の人も役立てられるよう共有することである。
しかし、ラウドン郡学区では、教師の協働に充てられる時間や、学区が専門的学習共同体(PLC)を編成してきた方法が、このモデルの導入を難しくしていた。
たとえば、協働での授業計画の大半は学校単位で行われ、学区全体で活用できる資源にはなっていなかった。また教師たちは同僚と取り組むため、放課後の無給時間を費やし、祝日に研修日を設けていた。
「教師たちは単元や授業を一緒に計画することはあっても、互いの教室を訪問しておらず、授業実践を真に批評し改善する機会もありませんでした」と、学区のテクノロジーおよび幼稚園から小学4年生までのカリキュラム担当責任者、ジェニファー・マローンは語る。
上海の教師が1日に担当する授業は2~3コマにすぎず、米国の教師の大半が終日授業を担当するのとは異なる。このことも、テネシー州の学校向けに上海のアプローチを適応させるうえで、いくつかの調整が必要となった理由である。
変更を推進しているのは、学区に新設されたTPEG諮問委員会だ。教師と学区・学校レベルの管理職で構成されるこの委員会には、研修を計画し、新モデルの目標達成に向けて変更を行う権限が与えられている。
計画の一つは、テクノロジーを活用して「教師が授業と補助教材を簡単にアップロードし、学区全体で共有・再現できるようにすることです」とマローンは語る。
もう一つの計画は、教師が有給の「フレックスタイム」を使ってTPEGの会合を開けるようにすることだ。TPEGのメンバーは互いの授業の動画も検討している。マローンによると、各校はすでにさまざまな方法を用い、TPEGメンバーが互いの教室でより多くの時間を過ごせるようにしている。
「校長たちは、代替教員を配置したり、教員補助員の担当を変更したりして、スタッフ配置を工夫しています。そして」とマローンは付け加える。「校長自身が教室を担当することさえあります。」
こうした変更の結果、「教師たちは教室の壁を越え、授業と生徒の学びについて、率直で、ときには厳しい話し合いをするようになっています」とマローンは語る。「日常的に協働し、自分たちの実践を検討することにも、より慣れてきています。」
この記事は、 ビル&メリンダ・ゲイツ財団との協力により掲載されています。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。
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著者:リンダ・ジェイコブソンは、南カリフォルニアを拠点とするフリーランスの教育分野ライター。
画像:HowDoのスタートアップ企業に所属するニルス・ウェステルルンド(スウェーデン)、ソフィア・ブレンドストローム(スウェーデン)、アレッサンドロ・コンティーニ(イタリア)、エマ・ローズ(英国、右から左)が、2013年3月18日、ベルリンのコワーキングスペース「Wostel」にあるオフィスで製造会議に参加している。REUTERS/トーマス・ピーター。

