オンライン学習は30年以上前から存在しているが、 大規模公開オンライン講座(MOOC)をめぐる近年の熱気 によって、広く世間の注目を集めるようになった。学校では、オンライン学習はかつて、特に学習者が地理的に分散している場合に、教室での授業に代わる補習的な選択肢として用いられていた。しかし、すべての生徒に、高等教育への準備となる独自の学習体験を提供できる可能性があるという見方が広がっている。
さまざまな形態のバーチャルスクーリングがもたらし得る 可能性への関心が高まっている。これは、オンライン学習が従来の授業より優れているか劣っているかという問題ではない。2009年の 米国教育省 の報告が示したように、「メディア効果」に関する数十年にわたる研究でも、いずれかの方法が学習成果の向上につながるという決定的な証拠は示されていない。
オンラインと学校の両方で学ぶ学習者は、学習時間が増え、対面で学ぶ生徒には与えられない課題や教材を提供されるため、恩恵を受けるという証拠がある。その理由は、単に学習媒体にあるのではない。
自信と計画性
では、どのような利点があるのだろうか。 ある研究 では、国際バカロレア・ディプロマ・プログラム(IBDP)を修了した現役大学生の経験を、教育研究所が調査した。IBDPには、 Pamoja Educationが設計・提供するオンライン講座が含まれている。17歳から23歳までの学生から有効回答が108件あり、その4分の3が女性だった。
オンライン講座を修了した学生は、いくつかの利点を挙げた。テクノロジーを使いこなす自信が得られることは、明らかな利点の一つだった。オンラインで学んだ学生は、仮想学習環境、ディスカッションフォーラム、Googleのツール、YouTubeなどの音声・映像学習教材といった、大学生活に欠かせないテクノロジーに慣れていた。
インタビューを受けた学生のうち、94%はインターネット上で学術資料を見つけることが成功に重要だと答え、78%はオンラインカレンダー、スケジュール管理ツール、ディスカッションアプリを使ってグループ課題を計画できることが重要だと答えた。また、71%は他の学習者との関係づくりにソーシャルネットワークが役立つと考えていた。
文化面での利点もあった。オンライン授業はさまざまな国の学習者を結びつけ、調査には36カ国が参加した。学習者は、問題に対する多様な視点に触れることを高く評価した。ある学生は、オンラインでの経験が有益なスキルや取り組み方を身につける助けになったと述べている。「グループプロジェクトで協働するために、GoogleドキュメントなどのGoogleツールをよく使います。異なる場所やタイムゾーンにいるチームとの作業も含まれます。」
自立した学習
おそらく最も重要なのは、オンラインで学んだ学生が、自分の力で学べることの重要性を語った点だろう。彼らは仲間よりもチューターに助けを求める傾向が低く、他の学生ではなく自分自身の成績に基づいて目標を設定する傾向が強かった。また、学習を管理し、ペース配分をするためのより良い方法も身につけていた。21歳の学生の一人は次のように語った。
オンラインで学ぶことは、通常の授業に出席するのとは違います。自分で学ぶ意欲を保ち、自分で締め切りを設定しなければなりません。私自身、オンライン講座を受講して多くを学びました。現在履修している各科目を終えるための予定を立て、時間を割り当てるという点で、準備になったからです。
インタビューに応じた学生は、オンライン学習には特有の課題もあると説明した。オンラインIBPD講座の仕組みには、オンラインチューターに加えて学校内のサポートスタッフへのアクセスも含まれており、学生を支える環境が整えられている。これらの講座は従来型の授業と並行して受講するため、慣れない学習体験も、すべてか無かの選択肢ではなく、より広い学校生活の一部となっていた。
教師にとっての課題
この研究の一環としてインタビューを受けた教師たちは、学習者が語った利点と課題を認識していた。また、オンラインのディスカッションフォーラムへの投稿によって、教室では必ずしもそうならない形で、発言の少ない学習者の声がオンライン上でチューターに届くなど、学習者には見えにくい点も指摘した。
従来の対面コミュニケーションがないことを踏まえ、また国際色豊かな学生たちの多様性を認識したオンライン教師たちは、学習プロセスの各段階が明確になるよう配慮した。さらに、各学生が受ける支援の程度を調整する方法を学んだ。
これは、講座が非常に大規模であるためチューターの関与が乏しくなりがちな、より広範なMOOCの動きとは大きく対照的だ。 この「自力で生き残るか、脱落するか」というMOOCモデルでは、 学習継続が大きな課題となっている。
オンライン教室に100人の学生がいる状況は想像できません。オンライン環境を機能させるために不可欠な、丁寧な評価やフィードバックを行う時間が、一日には到底足りないからです……教師がフィードバックの過程に本気で集中し、多くの時間を割かなければ、最も熱心な学生を除き、誰もが取り残されやすくなります。
高等教育は試験に合格することだけではない。責任を担い、個人として自立していくことも含まれる。従来型の学校の授業と並行してオンラインで学ぶことは、学習者が自立心を育むための支援的な練習の場となり、大学へ進学する際に一歩先んじる助けとなり得る。
共同掲載: The Conversation
著者:マーティン・オリバーは、ロンドン大学教育研究所の文化・コミュニケーション・メディア学部に所属する教育・テクノロジー教授。
画像:2013年8月21日、スニークのスティーブ・ジョブズ・スクールで、学生たちがiPadを使ってノートを取る。REUTERS/Michael Kooren。

