なぜ私たちはこんなにも簡単に諦めてしまうのか?

なぜ私たちはこんなにも簡単に諦めてしまうのか?
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大規模公開オンライン講座(MOOC)の特徴の一つは、 次のような事実である。 講座への登録者数がどれほど多くても、最後まで修了するのはわずか5~10%にすぎない。このことが、MOOCは名称が示すほど「大規模」ではないという意味なのかという議論はいったん脇に置くとして、興味深いのは、これほど多くの受講者が途中で離脱する背景には何があり、なぜその割合がこれほど一貫しているように見えるのか、という問いだ。

この現象をさらに調べるため、UWAの同僚と私はスタンフォード大学と協力し、Courseraで開講された同大学の42講座におけるMOOCの利用状況を調査した。各講座で提供された動画を何人が視聴したかという単純な指標で、受講者の活動を評価した。その結果、受講者は二つの異なるグループに分かれ、各グループは驚くほど一貫した形で講座を離脱していくことが分かった。

MOOC受講者の第一のグループは早い段階で離脱し、その半数は動画の10%を視聴した時点で受講をやめる。平均的なMOOCでは、最初の週の動画を視聴し終える前に、半数が離脱することになる。第二のグループは、より長く受講を続ける人々で、離脱のペースも緩やかだ。典型的な講座における受講者の離脱パターンを、次のグラフに示す。

MOOCの離脱率

これらすべてにおいて驚くべきなのは、講座の内容が何であるか、誰が教えるか、どのように教えるかにかかわらず、受講者はどのMOOCでも非常によく似た割合で離脱していったことだ。

MOOCに見られる離脱パターンは、実際にはさまざまな分野で見られるものと似ている。たとえば、 ジムへの通所 や、 フィットネストラッカーを人々がどれほど長く身に着けるかにも同様の傾向がある。どちらの場合も、ジム通いやフィットネストラッカーの装着(あるいはダイエット)を、もう一方のグループより早くやめる人々がいる一方、より長い期間をかけて離脱するグループもいる。もちろん、MOOCを受講する人々と同じく、継続して取り組む人々もいる。

ジム会員の継続率

MOOCをやめたり、ジム通いをやめたりする人々の行動は驚くほど似ており、二つの並行する過程で人数が異なる速度で減っていくパターンをたどる。一方は速く、もう一方はゆっくりだ。偶然にも、このパターンは生物学的・物理的なシステムで頻繁に見られる。

限られた自制心

この現象を説明する一つの可能性として、心理学で「自我消耗」と呼ばれる概念がある。自我消耗とは、人が持つ自制心、すなわち意志力には限りがあり、理由を問わずそれを働かせるたびに低下するという理論だ。これを実証する実験で、研究者たちは、被験者に自制心を要する課題を二つ与えると、最初に自制心を必要としない別の課題を与えられた被験者に比べて、二つ目の課題では自制心が弱まることを見いだした。言い換えれば、意志力を要する課題に取り組むと、その後の課題はいずれも一段と難しくなる。

自我消耗は、ジム通いやダイエット、その他の自己改善プログラムを諦める理由かもしれない。自制心を使うたびに、その後に求められる自制心は発揮しにくくなる。多数の人々に見られるMOOCからの離脱は、自制心が尽きる速さにかなり一貫した傾向があることを示しており、異なる講座でも離脱曲線が似ている理由を説明する。

自制心の能力には、人によって生まれつき違いがある。自制心が高いことを測定可能な特性として示す人は、 より減量に成功 する。さらに、さまざまな方法を通じて自制心を高めることも可能で、その一つに トレーニングがある。

自制心を損なう要因

少なくともMOOCの場合、意志力に実際に求められることは、受講者が自分の 時間をどう優先するかに関係している可能性が高い。時間が足りないことは、MOOCの受講を続けるうえで最も多く挙げられる課題だろう。こうした講座は、仕事をしている人や別の学業に取り組んでいる人が受講することが多いため、自我消耗によって、既存の予定にMOOCを組み込むのが難しくなることは想像に難くない。

ジムを運営したりMOOCを提供したりする組織にとって難しいのは、離脱が一般人口に共通する要因による場合、高額なインセンティブを提供する以外に、継続率を高めるためにできることがほとんどない点だ。いったん誰かが離脱すると、再開を促すために連絡を取る簡単な方法がないため、この課題はとりわけ難しい。

以下との共同掲載: The Conversation

著者:デイヴィッド・グランス准教授は、UWAの研究開発センターであるUWAソフトウェア実践センターの所長。

画像:2005年10月16日、イタリア北部チェルヴィアのポー川自然公園デルタ地帯で、電線にとまるムクドリ。REUTERS/Max Rossi

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