子どもがオンラインで自分の身を守れるよう、私たちにできることは?

A boy uses an iPad to play a video game, which is projected onto the surface of the Fiesp building, headquarters of the Industry Federation of Sao Paulo, during the "Play!" exhibition in the financial center of Sao Paulo's Avenida Paulista March 27, 2013.
From privacy to predators, kids need to learn how to navigate the digital worldImage: REUTERS/Nacho Doce
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私たちは、新たなデジタルメディアやテクノロジーが次々と登場し、周囲の世界を変えつつあるルネサンス期に生きています。世界人口の幅広く、拡大し続ける層が、この高度につながったデジタル世界に深く入り込み、コミュニケーションや交流のあり方も変化しています。同時に、デジタルメディアとテクノロジーが日常生活に不可欠なものとなるにつれ、テクノロジーへの依存が高まるなかで、私たちは自らを制御できなくなりつつあるのではないかという懸念も強まっています。

重要な問題の一つは、オンライン上で生成、収集、分析、収益化される個人データの規模と範囲が前例のないものとなり、多くの場合、利用者が気づかず、または制御できないことです。デジタルメディア利用者6,000人以上を対象とした最近の調査を世界規模で実施した世界経済フォーラムは、回答者の52~71%が、ICT企業やデジタルメディア・プラットフォームは、オンラインで共有される個人情報について、エンドユーザーが十分に管理できるようにする取り組みが不十分だと考えていることを明らかにしました。数多くのプライバシーをめぐる不祥事やデータ漏えいが発生し、業界に対する世間の見方はさらに悪化しています。各国政府も、利用者の個人データの適切な利用を規制し、堅牢なデータ保護基準を策定するのに苦慮しています。

その結果、政府やデジタルメディア関連産業に対する人々の信頼は不安定で揺らいでいます。この問題への取り組みは、当該産業分野の持続可能な成長を確保し、長期にわたってデジタル経済の発展を続けるうえで、最優先課題です。この信頼の隔たりをどう埋めればよいのでしょうか。

デジタル・インテリジェンスが人々の信頼を高める

信頼は理解と知識から生まれます。デジタル・インテリジェンス、すなわちDQとも呼ばれるそれは、 デジタル市民性やデジタルリテラシーのスキルを含め、デジタルな生活の要求や課題に応えるための集団的な能力です。出発点となるのは、自分のオンライン上の個人データがどのように収集、利用されているかを認識し、それが自分の生活に及ぼす影響を理解することです。残念ながら、一般の人々のDQは現時点であまり高くありません。調査によると、回答者の32~47%は、 「オンライン上の存在感」や「派生データ」の意味を、定義を読んだ後でさえ理解していませんでした。この理解の隔たりに対処し、デジタルメディアやテクノロジーを責任を持って使うスキルを人々に身につけてもらうことが明らかに重要です。

デジタル教育は幼少期から始めるべき

残念ながら、デジタル関連の問題において、子どもは社会で最も脆弱であり、極めて重要な集団です。多くの子どもは、デジタル生活が始まる前から、つまり生まれた日からプライバシーを自分で守ることができず、その後もプライバシーを管理するための適切な備えがありません。写真や医療・教育に関する情報などの個人情報は、親自身によってオンラインで共有されますが、親は自分の行為がもたらす影響の全容に気づいていないことがよくあります。また、社会システムが、結果を十分に理解しないまま、子どもの情報をクラウドに保存する場合もあります。OECDのデータによると、欧州ではすでに6歳から17歳までの若者の90%超がインターネットにアクセスしています。10歳までに子どもの50%超がソーシャルメディアを利用しています。 また、デジタルメディアを利用して情報を共有する子どものほぼ全員が、それが自分のプライバシーにとって何を意味するのかを理解しないままそうしています。

さらに、幼少期からデジタルメディアを利用すると、画面への依存、ネットいじめ、オンライン上の性的行動、サイバー犯罪など、さまざまなオンライン上のリスクにさらされる可能性が高まります。

若者が車を運転する前に交通規則を学ぶ必要があるように、子どもたちもオンラインの世界を自分で安全に利用できるようになる前に、デジタル教育を受ける必要があります。南洋理工大学が2016年に実施した調査では、デジタルリテラシーが高いほど、潜在的に有害な行動に関わるリスクが大幅に低くなること、また、グローバル市民としての意識、共感、批判的思考といった必要なスキルとも強く相関することが示されました。

Image: プロジェクトDQ、南洋理工大学

デジタル教育の欠如は世界的な緊急事態

問題の緊急性を踏まえ、各国政府と産業界は、学術界や市民社会を含む関係者と、迅速に、大規模に、強い影響力をもって協力する必要があります。政府は市民社会と学術界の支援を得て、デジタル教育を主要議題として優先的に取り上げるべきです。産業界は利用者のプライバシーと安全に関する透明性と説明責任を高め、政府と連携してデジタル教育プログラムを実施するとともに、自社の製品やサービスにデジタル学習ツールを取り入れる必要があります。

十分な知識を持ち、責任ある行動をとるデジタル社会の人々は、透明性の高い政府や産業界とともに、信頼の文化を育みます。この信頼は、持続性と革新性を備えたデジタル経済の長期的な発展において、極めて重要な役割を果たします。

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個人データの価値を高め、信頼を再構築する

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