2015年5月、経済協力開発機構(OECD)の報告書が同国の学校制度を 最下位と位置づけたとき、ガーナの人々は落胆した。報告書の執筆者たちは76か国のデータを集め、史上最大とも評される世界の学校ランキングを作成した。
ガーナ教育省は急いで反論したが、この報告書は多くの教育専門家がすでに知っていることを裏づけただけだった。ガーナが職業・実践型の学校モデルを 導入して から、すでに30年が経つ。
このモデルは、経済を支えるのに必要な技能を備えた技術人材がガーナで深刻に不足している問題に対処するために設計された。しかし、同国の教育成果と制度全体を見ると、このモデルとその実施方法には大きな問題があることがわかる。
教育制度の失敗の大きな要因は、 ガーナの文化的価値観 を取り入れていないことだと批判者たちは言う。地域の文化的価値観を教育制度の根幹に据えれば、より幸福で調和のとれた社会が生まれると彼らは提案している。
現行制度
ここで用語について説明しておきたい。1980年代の改革以降、ガーナの子どもたちは基礎教育を修了する。内訳は小学校6年、中学校3年である。その後、高校、すなわち中等学校に進み、3年または4年学ぶ。
同国には中央集権型の出願制度があり、毎年35万人の生徒を700校の中等学校に割り当てている。この制度では標準化試験が用いられ、生徒はガーナ国内のどこからでも志望校に出願できる。生徒は希望する学校の一覧を提出しなければならない。教育経済学の著名な教授、ケヒンデ・F・アジャイは、この制度がケニア、英国、ルーマニアなど多様な国でも用いられていると 指摘している 。
生徒は9年間の基礎教育を終えた後、この入学試験を受ける。全国の公立学校で利用できる定員はわずか17万5,000人分しかない。試験に合格した子どもたちには、さらに高い 中退率という壁が立ちはだかる。たとえば、小学校に入学した生徒の33%が中学校に進む前に退学する。
取り残される子どもたち
正規の中等教育制度に入れない17万5,000人の子どもの大半は、家族のために 働きに出る か、さまざまな職種で見習いになる。
ガーナの都市には、自動車整備や機械加工の見習い工場が数多くある。主流の学校制度からこぼれ落ちた人や、正規の学校にまったく通わなかった人を訓練している。こうした技術者の中には仕事の腕を大いに上げる人もいるが、徒弟制度にはいくつかの問題がある。
第一に、正規の学校教育を修了していないため、こうした技術者は 理論的な基礎が限られている 。第二に、徒弟制度を利用できるのは、費用を払える比較的少数の人々に限られる。
最後に、そして私の研究にとって極めて重要な点だが、正規の学校教育を中退した若者の中には、職業を学ぶことにまったく関心がない人もいる。彼らが取り残されないようにするには、どうすればよいのだろうか?
文化に解決策を求めて
他のアフリカ諸国も、近代的な教育制度や理念と先住民の価値体系をどう結びつけるかに 取り組んでいる ようだ。また、宗教が社会全体や学校でどのような役割を果たすべきかを理解しようとしている。
ガーナでは、手の5本の指は大きさも長さも異なるが、どれも等しく重要で意義があると言われる。したがって教育は、背景や関心にかかわらず、すべての人が制度に参加し、その恩恵を受けられるように組み立てるべきだ。
私は、熟練した進行役が主導する90分間のフォーカスグループ討議を3回実施した。そこで取り上げた論点の一つは、政治、宗教、文化が教育にどのような好影響を与えうるかだった。各グループは8人で、政治家、キリスト教徒とイスラム教徒の宗教関係者、政策立案者、教師、生徒などが参加した。
ガーナの人口は約2,700万人で、民族的に多様な国である一方、国民の71%以上が自らをキリスト教徒と認識している。さらに17.6%はイスラム教徒である。
参加者全員が教育改革は必要だという点で一致した。文化に即した学校環境は、自分たちの伝統や文化史が制度によって尊重されていると学習者に示すという。そうすれば生徒は学校でより居心地よく感じ、最終的には一層努力するようになると、参加者たちは主張した。
参加者は、宗教を学校改善の強力な手段として挙げた。宗教指導者には、市民としての責任を果たすこと――将来よい仕事に就くために学校で好成績を収めることなど――について子どもたちに教える影響力があると論じた。
教育政策を策定する政治家も大きな役割を担う。参加者たちは、ガーナで高まる需要に応えるため、これらの政策は教育の機会を拡大する必要があると一致した。
本記事は Quartz Africaとの共同掲載です。掲載は、世界経済フォーラムによる見解の支持を意味するものではありません。
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著者: ジョン・ボアテング は、 ガーナ大学の継続教育・遠隔教育講師です。
画像:アフリカの教室にいる子どもたち。REUTERS/Afolabi Sotunde。

