気候変動は女子教育にどのような影響を及ぼしているのか?

this girl is writing on a chalkboard in a classroom in a developing country
'The climate crisis intersects with another crisis: interrupted education and widening inequalities during the COVID-19 pandemic.'Image: UNSPLASH/Nikhita S
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  • Young Livesの研究によると、緊急の対策を講じなければ、気候変動によって質の高い教育を受けることはますます困難になります。

  • これは、特に不利な立場に置かれた女子や若い女性に当てはまります。

  • 以下では、Young Livesのディレクター、キャサリン・ポーター博士が、この問題の実態と、対処するために深めるべき知見について考察します。

  • 今すぐ行動することが極めて重要です。さもなければ、ジェンダー格差はさらに拡大するでしょう。

Young Lives独自の縦断研究は、干ばつや洪水などの気候ショックに子ども時代にさらされると、子どもの発達に不均衡な影響が及び、栄養状態や教育へのアクセスにも影響することを明確に示しています。その結果、学習の進みが妨げられ、最も大きな影響を受けるのは最貧困層の子どもたちです。

気候危機は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック下での教育の中断と格差の拡大という別の危機と交錯しています。レジリエンスを高め、女子と男子に質の高い教育を12年間提供し、前の世代が経験したことのない脆弱性に立ち向かう備えを促すには、緊急の行動と新たな研究が必要です。

女子教育は気候変動との闘いに役立ちます。Image: 国連

異常気象は頻発するようになっており、最も大きな打撃を受けているのは最貧困世帯です。

異常気象は今後、頻度と強度が増すと予想されています。COP26で地球温暖化を1.5℃に抑える道筋を描くことに成功したとしてもです。そして、低所得国と若い世代が最も大きな打撃を受けることが分かっています。

2001年以来、Young Lives調査は、エチオピア、インド(アーンドラ・プラデーシュ州とテランガーナ州)、ペルー、ベトナムの貧困地域に暮らす子ども12,000人の生活を追跡してきました。私たちは、脆弱な立場にある子どもや若者に対する気候変動の長期的影響を理解するうえで大きな可能性を持つ、独自のデータ群を構築してきました。私たちの研究は、子ども時代に経験する異常気象が、最も貧しく脆弱な集団に著しく不均衡な影響を及ぼしていることを示しています。

15歳までに、調査対象の多くの子どもたちは、干ばつや洪水などの異常気象を少なくとも一度は経験していました。エチオピアでは標本の半数を超える54%、インドでは44%、ベトナムでは約3分の1に当たる34%、ペルーでは30%でした。

最貧困世帯に暮らす子どもたちは、さらに大きな影響を受けています。エチオピアでは、最貧困世帯の子どもの実に81%が異常気象を少なくとも一度経験していたのに対し、貧困度が最も低い世帯ではわずか22%でした。同様の傾向はインド(65%対18%)、ペルー(63%対12%)、ベトナム(50%対17%)でも見られます。

幼少期の子どもが受ける気候関連ショックは、成長する身体と心に悪影響を及ぼします

異常気象によって作物が被害を受けたり、食料価格が上昇したりすると、脆弱な立場にある家族は栄養のある食事を維持することに苦労します。Young Livesの調査結果は、貧しい食生活や子どもの栄養不良が、身体的成長、認知能力、学業の進捗に影響を及ぼし、長期にわたって深刻な結果をもたらす可能性を示しています。4カ国すべてにおいて、栄養不足になりやすいのは最貧困世帯や農村部に暮らす子どもたちであり、少数民族の子どもたちも多く含まれています。

生後最初の1,000日間、すなわち受胎から2歳までの期間は、子どもの健康、発達、将来の可能性にとって極めて重要です。エチオピアでは、栄養不良による幼児期の発育阻害が、語彙や基礎的な算数などの重要な認知能力に著しい悪影響を及ぼすことが、私たちの結果から分かりました。特に、親がほとんど、あるいはまったく教育を受けていない子どもへの影響が大きくなっています。

幼少期に受けるこうしたショックは、長期にわたって大きな影響を及ぼします。インドでは、Young Livesのデータと過去の降雨データを照合したところ、母親が妊娠中に経験した干ばつ、洪水、サイクロンが、子どもの5歳時点での語彙の発達に影響する可能性が示されました。基礎的な算数や、自尊心、自己効力感、主体性といった社会情動的スキルへの長期的な影響は、思春期にまで及びます。

実際、分析では、調査対象の4カ国すべてにおいて、思春期の女子が経験した降雨ショックや栄養不良は、妊娠する前であっても、将来生まれる子どもの身長に、乳児期から思春期まで悪影響を及ぼし得ることが分かりました。つまり、気候危機に起因する栄養不良は、世代から次の世代へ受け継がれる可能性もあります。

貧困世帯は気候ショックに見舞われた際、経済的困難への耐性が低く、教育が中断するリスクが高まる可能性があります

気候関連ショックは、子どもや若者の学びと教育に、生涯を通じてさまざまな形で影響します。ベトナムでは、Young Livesの調査結果から、作物の不作による世帯収入の減少が、子どもが学校で過ごす時間に直接影響することが示されています。特に貧困世帯の子どもへの影響が大きくなっています。

手頃な条件で借り入れができない家庭は、危機の時期に子どもの教育への支出(授業料、教材、交通費など)を減らし、子どもを一時的に退学させる可能性も高くなります。家庭で学習できる時間も減り、教育に大きな中断が生じます。

危機の際、女子や若い女性は家事の負担をさらに担うことになり、退学するリスクが高まります

干ばつや洪水の際の食料不足や水供給の逼迫も、若者の日々の活動に影響します。飲料水や薪を集めるためにより遠くまで歩くことや、子どもが登校できないときの追加の育児など、家事の負担は女子や若い女性にのしかかることが少なくありません。その結果、自分の勉強時間がさらに減り、完全に退学するリスクが高まります。

空腹は、子どもが教室で集中する力に影響し、欠席する可能性も高めます。

教育に対する新型コロナウイルス感染症の不均衡な影響は、気候危機への適応が急務であることを浮き彫りにしています

過去20年間で初等・中等教育へのアクセスは改善したものの、調査対象の4カ国すべてで、また各国間でも、学習成果には大きな格差が残っています。貧困世帯や農村部の子どもたちは、一貫して不利な立場に置かれています。

重点的な対策を講じなければ、新型コロナウイルス感染症のパンデミック下で見られたように、気候危機は格差をさらに悪化させる可能性が高いでしょう。最近実施した新型コロナウイルス感染症に関する電話調査は、教育の中断と拡大するデジタル格差によって、貧困層や農村部出身の子どもや若者がさらに取り残されたり、教育に戻れなくなったりするリスクが高まったことを示しています。

私たちの結果は女子と男子の双方に大きな影響があったことを示していますが、教育の中断による複合的な圧力と、ストレス下で家庭がより伝統的なジェンダー役割に戻る傾向により、脆弱な立場にある女子や若い女性が特に大きな影響を受けました。

また、パンデミックの影響を最も強く受けた人々は、気候危機の影響が強まる中で最も脆弱な立場に置かれる可能性が高いでしょう。

脆弱な立場にある子どもが質の高い教育を受けられるよう、より確かな研究と幅広い支援を求める行動提起

世界各国がCOP26での公約を果たすことは、地球の気温の急激な上昇を防ぎ、最も不利な立場に置かれた地域社会が、子どもの発達と教育、とりわけ女子や若い女性を守る形で気候変動に適応できるようにするうえで極めて重要です。

気候が変化する中で、すべての子ども、特に女子に質の高い教育を12年間提供するには、幅広い取り組みが必要です。教育の質を高めるため、教員、学校、大学に投資することが極めて重要です。しかし、真に変化をもたらすには、子どもの成長を妨げ、外部からのショックに対する脆弱性を高める根強い格差にも取り組む必要があります。十分で健康的な食事を含め、すべての子どもが人生の良いスタートを切れるようにすることが、将来の学びの基盤となります。すべての女子と男子が、学ぶために十分な資源を得ながら学校に通い続けられる環境を整えることも不可欠です。

異常気象が増加し続け、最も貧しい家庭に最大の影響を及ぼす中、脆弱な地域社会が生涯を通じて気候関連ショックをどのように経験し、対応しているのかを、より深く理解する必要があります。

次の点について、根拠となる知見を蓄積する必要があります。

  • 気候関連ショック、栄養、学習がどのように相互に関係するか――これにより、より包括的な支援プログラムが可能になります。具体的には、災害が起きやすい地域の不利な立場にある世帯に支援を届ける「ショック対応型」の社会保護プログラムなどが挙げられます。特に脆弱な乳幼児や思春期の女子を対象とし、早期学習や学校給食のプログラムと連携させる必要があります。

  • 根強い格差が、教育における学習危機の根底にあり続ける理由とその仕組み――――時間の経過に伴う傾向と、気候関連ショックを含む特定のショックの影響の両方を理解するには、さらなる縦断研究が不可欠です。貧困世帯や社会的に周縁化された世帯、特に農村部の世帯を支援するには、幼児期教育への重点的な投資と、拡大するデジタル格差への対処が極めて重要です。

  • 気候が変化する中で女子教育に加わる障壁――――気候変動の影響に関する、年齢・性別ごとに分類されたデータと根拠を強化するとともに、ストレス下でも女子が学校に通い続けられるよう、具体的な対策を可能にする必要があります。これには、家事や育児の負担を軽減する実践的な措置も含まれます。

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