米国はどうすれば不平等を抑えられるのか?

米国はどうすれば不平等を抑えられるのか?
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2013年、バラク・オバマ大統領は所得格差を「現代を定義する課題」と位置づけた。カリフォルニア大学バークレー校によると、米国の所得格差は1928年以来見られなかった水準に達している。2013年には、上位1%の世帯が所得の約22.5%を受け取った一方、下位90%の取り分は初めて50%を下回った。

問題を公然と認める政権が、その対処にほとんど取り組んでいないのは際立っている。北米の 調査 回答者は、最も懸念する問題として格差の拡大を挙げ、次いで地政学的な変化、気候変動への適応という課題を挙げた。

アトランティック・カウンシルの会長兼CEO、フレデリック・ケンペ氏も、格差は他国が模範とする米国の立場を損なうと同意する。逆説的だが、世界が称賛するイノベーションと起業家精神こそが、富の多くを生み出してきた。

ケンペ氏によれば、グローバル化とデジタル経済はより高い収益を得る力をもたらすため、格差に対処する最善策は、こうした機会へのアクセスを広げる訓練と教育である。

税制について、ケンペ氏は、格差の拡大は教育と訓練を通じて取り組む場合にのみ反転可能な傾向だと述べる。「税収を教育不足や不十分な訓練に取り組むために使えば、成功できます。しかし、目的が単に途方もない富を持つ人々を罰することなら、増税によって金の卵を産むガチョウを殺しかねません」と同氏は付け加える。「人々が中産階級、そして上位中産階級に入れるよう、必要な技能を身につけさせましょう。政府の介入は、数学や科学を含む現代経済に必要な技能の向上を促すべきです。」

今年の 調査によると、回答者の88%は、格差に対抗する有意義な戦略が今後18か月以内に策定される可能性は低いと考えている。ケンペ氏は、米国の「政治機能不全」――議会における共和党と民主党の二極化――によって、移民制度改革から気候変動まで、重要でありながら意見の分かれる問題について、米国の政界が合意を形成するのは困難になっていると考える。

気候変動について科学者の間では98%が合意している一方、気温上昇を示す確かな証拠があると答えた共和党員は50%にとどまる。ティーパーティー系の共和党員では合意がさらに少なく、地球温暖化が起きていると答えたのはわずか40%だった。

それでもケンペ氏は、気候問題を前進させるのに十分な合意はあると考える。ただし、国連を通じてというより、G20の枠組みを通じてだ。「国連にできることには限りがあります。目標は設定できますが、政策、技術、資金がなければ、行動の欠如を覆い隠すだけの隠れみのになります。目標達成には技術と資金が不可欠です。そのため、交渉は国連の192か国ではなく、排出量の4分の3超を占めるG20の間で行うほうが効果的かもしれません。」

一方、中東全域での過激主義の拡大やロシアによるクリミア併合など、一連の世界的な出来事に対するオバマ政権の慎重な対応は、世界における米国の役割に疑問を投げかけている。ケンペ氏は、米国が関与をやめる誘惑は危険だと懸念する。それは米国世論の多くを満足させるだろうが、後には、より悪意ある主体か混乱に埋められる空白を残すことになる。

ケンペ氏によれば、ウクライナ危機と「イスラム国」の拡大には世界が協調して対応する必要があるとオバマ大統領が認めたことは前向きだ。「米国が関与を続ける必要性を認識しているのは良い兆候です。しかし、解決に1、2年では足りない世代的課題に取り組むための政治的意志があるのでしょうか?」

『Outlook on the Global Agenda 2015』レポート が公開されました。

本記事は、 フレデリック・ケンペ氏へのインタビューに基づき、世界経済フォーラムの『Outlook on the Global Agenda 2015』レポート向けに執筆されました。

著者:フレデリック・ケンペはアトランティック・カウンシルの会長兼CEO。

画像:2013年3月3日、ミシガン州デトロイトで、かつて繁栄したブラッシュパーク地区にある空き家の板張りされた家。その背後にはデトロイト中心街のスカイラインが見える。REUTERS/ Rebecca Cook

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