赤ちゃんがあなたよりはるかに言語を習得するのが得意な理由

Britain's Sophie, the Countess of Wessex meets mothers and babies at a music session during a joint visit with Colombia's First Lady Maria Clemencia Rodriguez de Santos to Vanessa Nursery School and Cathnor Park Children's Centre in west London, November 2, 2016. REUTERS/Dominic Lipinski/Pool - RTX2RIQO
I-LABS researchers have found that it is possible to give very young children the opportunity to start learning a second language.Image: REUTERS/Dominic Lipinski
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研究者らは、遊びを取り入れた教育プログラムを開発しました。赤ちゃんに1日わずか1時間で第二言語を教えられます。

科学者や親たちは長年、赤ちゃんに2つの言語を触れさせる利点を説いてきました。バイリンガルの経験は、特に問題解決能力など、認知能力を高めることが示されています。

2つの言語が話される家庭で育つ乳児は、ほとんど苦労せずにバイリンガルの学習を進めます。しかし、単一言語の家庭で育つ赤ちゃんは、どうすればそうした能力を身につけられるのでしょうか。

「乳幼児期の言語発達を研究する私たちは、子どもに別の言語を学ぶ機会を与えたいと願いながら、外国人のベビーシッターを雇う余裕がなく、親自身も外国語を話せないという親たちの声をよく聞きます」と、ワシントン大学学習・脳科学研究所(I-LABS)の研究科学者、ナハ・フェルハン・ラミレス氏は語ります。

I-LABSの研究者による新たな研究は、学術誌『Mind, Brain, and Education』に掲載され、赤ちゃんが家庭の外でどのように第二言語を学べるかを調べた初期の研究の一つです。

研究者らは、根本的な問いへの答えを探りました。家庭で外国語に触れる機会がなくても、赤ちゃんに第二言語を教えられるのでしょうか。教えられるとすれば、学習を促すには、どのような外国語への接触がどれほど必要なのでしょうか。

研究者らは調査の場をヨーロッパにまで広げ、遊びを中心とする集中的な英語教育の方法とカリキュラムを開発し、スペインのマドリードにある公立の乳幼児教育施設4か所で実施しました。

「親語」を使った指導

大学生と卒業したばかりの人、計16人が研究の指導者を務めました。スペインに渡る前に、I-LABSで2週間の研修を受け、指導方法とカリキュラムを学びました。スペインの充実した公教育制度のおかげで、研究者らはさまざまな所得層の家庭から乳児や子ども280人を参加させることができました。

乳児の脳と言語の発達に関するI-LABSの長年の研究に基づくこの方法では、社会的な交流や遊びに加え、教師が質の高い言葉を十分な量で使うことを重視します。このアプローチでは「乳児に向けた話し方」を用います。しばしば「親語」と呼ばれる、親が赤ちゃんに話しかけるときの話し方で、文法はより単純で、声の高さを上げて誇張し、母音を長く伸ばします。

「私たちの研究は、親語が赤ちゃんの言語習得を助けることを示しています」とフェルハン・ラミレス氏は語ります。

生後7か月から33.5か月の赤ちゃんは、18週間にわたり毎日1時間の英語セッションを受けました。一方、対照群はマドリードの学校で標準的なバイリンガル教育を受けました。両群の子どもたちは、18週間の開始時と終了時にスペイン語と英語のテストを受けました。

「科学によれば、赤ちゃんの脳は、これまでに生み出された中で最高の学習装置です……」

子どもたちは、軽量の録音機を備えた特別なベストも着用し、英語学習の様子を記録しました。録音を分析し、それぞれの子どもが話した英語の単語やフレーズの数を調べました。

新しい方法を受けた子どもたちは、英語の理解力と発話量が急速に伸び、英語のすべてのテストで、全年齢において対照群の同年代の子どもたちを大きく上回りました。

18週間のプログラム終了時までに、研究者らのプログラムを受けた子どもたちは、1人あたり1時間に平均74語またはフレーズを英語で発話しました。対照群の子どもたちは、1人あたり1時間に13語またはフレーズを発話しました。

フェルハン・ラミレス氏によると、この結果は、単一言語の家庭で育つ赤ちゃんでも、この早い時期にバイリンガルの能力を身につけられることを示しています。

「子どもの言語発達を促すことが知られている要素を組み合わせた、科学的根拠に基づく適切なアプローチがあれば、幼児教育の場で毎日1時間遊ぶだけで、とても幼い子どもたちに第二言語の学習を始める機会を与えられます」と彼女は語ります。「これは、外国語学習についての考え方に大きな影響を与えます。」

「最高の学習装置」

18週間後の追跡テストでは、子どもたちが学んだ内容を保持していることが分かりました。低所得者が多い地域にある2校の子どもたちと、中所得地域の2校の子どもたちとで、英語力の伸びは同程度でした。このことから、乳児が外国語を学ぶ能力に、経済的な豊かさは大きく関係しないことが示唆されます。

子どもたちが英語を学ぶ間も、母語であるスペイン語は伸び続け、第二言語を導入しても悪影響はありませんでした。

Image: サウスチャイナ・モーニング・ポスト

「科学によれば、赤ちゃんの脳は、これまでに生み出された中で最高の学習装置であり、乳児の学習には適した時期があります。第二言語を学ぶ能力は、生後0歳から3歳までの時期が最も高く、その後、脳がそれを上回ることはありません」と、共著者でI-LABS共同所長、言語聴覚科学教授のパトリシア・クール氏は語ります。

クール氏によると、この結果は、米国と世界各地で幼児期の言語教育に取り組む方法を変える可能性があります。

「マドリードでも、米国でも、世界各地でも、親たちは子どもに早くから外国語を学ぶ機会を与えたいと願っています。米国の国勢調査によると、現在、米国の6歳未満の子どもの27%が、家庭で英語以外の言語を学んでいます。

「こうした子どもたちは、親の言語と英語の両方を十分に学ぶ能力があります。しかし、幼稚園に入る前に英語に触れる機会が十分にないことが多く、その結果、入学後に同級生に遅れを取ることがよくあります」と彼女は語ります。

「I-LABSの新たな研究は、教育の場で複数の言語を学ぶ子どもたちのために、早期のバイリンガル学習環境をつくれることを示しています。1日1時間で、乳児は私たちがこれまで考えていたより早く、はるかに容易に第二言語の学習を始められます。これは誰にでも実現可能です」とクール氏は語ります。

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