先進国でも発展途上国でも、技術的・経済的な力が組み合わさり、大都市圏に集中する先端的な生産部門が生まれた。この部門は今、比較的生産性の低い活動や地域社会の広がりと併存している。こうした生産性の二極化は、格差と排除の拡大、統治エリートへの信頼の喪失、権威主義的なポピュリストへの選挙での支持拡大など、現代社会の多くの弊害の背景にある。しかし今日の政策論議の多くは、問題の真の原因を見逃した解決策に焦点を当てている。
例えば、税や財政移転による再分配は、生産構造を所与のものとして受け入れ、給付によってその結果を和らげるにすぎない。同様に、教育への投資、ユニバーサル・ベーシックインカム、社会的富基金は、労働力の資源を強化しようとするものの、それらが生産的に活用されることを保証しない。一方、雇用保障やケインズ型の需要管理は、雇用の構成を改善する効果に乏しい。
もちろん、こうした政策の多くは必要だ。しかし、実体経済に直接介入し、生産的雇用の拡大を目指す新たな「生産主義的」施策と組み合わせることで、最も効果を発揮する。そして長期的には、そうした施策があって初めて機能する可能性もある。
私たちが構想する戦略は、相互に補強し合う3つの要素から成る。経営改善のための普及支援や、技術向上を目指す協同プログラムを通じて、既存の仕事に必要な技能水準と生産性を高めること。既存の地元企業の事業拡大を支援したり、域外からの投資を呼び込んだりして、良質な雇用を増やすこと。そして、特に就労上のリスクにさらされている人々が良質な雇用に就くための技能を身につけられるよう、積極的労働市場政策や人材育成プログラムを実施することだ。
この3つの要素はいずれも目新しいものではなく、それぞれの一部は実際の政府プログラムにも見られる。しかし既存の政策は、高い不確実性のもとではうまく機能しない規制枠組みに根差していることが多い。良質な雇用とは何か。現実的にどれほど創出できるのか。技術やその他の企業レベルの選択は雇用創出にどう影響するのか。どのような補完的政策手段が利用できるのか。そうした手段をどう拡充できるのか。
これらは必然的に、地域や状況に応じた問いとなる。答えを出し、定期的に見直すには、公共機関と民間企業との戦略的な相互作用を繰り返すプロセスが必要だ。地域に根差した政策、すなわち地域を対象とする雇用助成金やインフラ投資などについて、研究から浮かび上がる共通のテーマは、成功が状況に大きく左右されるということだ。既製の政策が、さまざまな状況で確実に機能することはほとんどない。
大企業を誘致するため、税制優遇などの補助をめぐって州や自治体が競い合うやり方は、とりわけうまくいかない。ウィスコンシン州とニューヨーク州でそれぞれフォックスコンとアマゾンをめぐって結ばれた近年の注目案件は、頓挫した。条件が一方に偏っていただけでなく、固定的で詳細な契約条項に表れているように、安定した環境を前提としていた。フォックスコンが需要や技術の変化に直面し、アマゾンが予期せぬ政治的反発に遭った際、見直しや再交渉の余地は十分になかった。
ガバナンス体制は、効果的な政策枠組みが暫定的かつ反復的なものであることを十分に認識しなければならない。幸い、そうした体制を築く原則を一から考案する必要はない。企業、規制当局、その他の公共機関が、すでに別の分野で開発してきた革新的なガバナンスの仕組みから取り入れることができる。
ある最近の論文では、2つの分野から詳しい事例を紹介している。米国の国防高等研究計画局(DARPA)とその派生組織であるエネルギー高等研究計画局(ARPA-E)による技術育成と、アイルランドの酪農に対する環境規制だ。
極度に不確実な状況では、規制当局も企業も含め、いずれの当事者も中期的な調整の可能性やコストについて信頼できる情報を持たず、将来の可能性についても漠然と推測することしかできない。イノベーションの促進、環境規制、食品安全、民間航空などの分野で取られている対応は、目標の継続的な明確化と、新たな解決策の継続的な模索を結び付ける情報交換体制の構築だ。
例えば欧州連合(EU)では、規制当局が「良好な水質」を野心的で、達成水準をあらかじめ限定しない目標として定める。規制対象となる事業者や影響を受ける当事者、すなわち企業や農場、加盟国、地方自治体、市民社会の関係者は、目標達成の計画を立て、定期的に結果を報告する義務を負う。誠実に報告しなかった場合や、実現可能な成果を継続的に達成できなかった場合(同様の立場にある他者が達成したことによって実現可能性が示されている場合)には、罰則が科される。こうした手法は自律的に不正を防ぐものではない。あらゆる制度と同じく、腐敗したり機能が損なわれたりする可能性がある。しかし、適切な公的監督があれば、従来のアプローチが機能しない場面で効果を発揮する。
特に成果を上げたコミュニティカレッジの職業訓練プログラムをいくつか除けば、こうしたガバナンスの仕組みが良質な雇用の実現に活用されたことはない。しかし、この目的に合わせて応用できる。「良質な雇用」という概念は、きれいな水と同じく曖昧であり、変化し続け、状況に応じた形で具体化する必要がある。良質な雇用を実現する戦略は、4つのステップで導入できる。
第一に、政府は法律の制定などを通じて、劣悪な雇用の問題に対処することを約束し、規制対応を見直して改善を促す省庁横断組織を設け、自主的なプログラムのための資金と権限を提供する。第二に、職業訓練、農業や製造業への普及支援、基準設定など、雇用の量と質に直接影響する分野を現在監督している規制当局が、イノベーションを促すだけでなく、要件がますます厳しくなる中で脆弱な立場にある事業者がそれに対応できるよう、支援サービスの必要性も見越したガバナンスの仕組みを導入する。要件には、具体的な雇用数の目標や基準など、さまざまな形があり得る。
第三に、現行の規制権限が及ばない分野では、政府が技術や組織の最先端を切り開く官民の自主参加型プログラムを設ける。あるいは、おそらくさらに重要なこととして、生産性や技能水準の低い企業が先端部門へ移行できるよう、支援サービスや場合によっては補助金を提供する。最後に、自主的な取り決めが成果を上げた場合には、良質な雇用の質と量を改善するための信頼できる計画の提出義務から始め、こうした取り組みの適用範囲を参加していない企業にも段階的に広げ、義務化する。
私たちが提案する良質な雇用戦略の魅力の一つは、不確実な状況で当事者が直面する問題を明確にし、解決するための対話型ガバナンスの制度が、取り組みを深め広げるために必要な信頼と相互依存関係を築く助けにもなることだ。このアプローチを成功させるのに必要な幅広い連合は、あらかじめ存在している必要はない。戦略を実行する過程で生まれ、おそらく実際にそうなるだろう。信頼と新たな連携は、共同で問題を解決するための前提条件であると同時に、それと同じくらい、あるいはそれ以上に、その成果でもある。

