デジタルリーダーに不可欠な4つの資質

A woman works next to Kawasaki Heavy Industries' collaborative robot stacking rice balls at Delicious Cook &Co's food factory in Narashino, Japan, April 17, 2018. REUTERS/Toru Hanai - RC1AA87FD680
Digital leaders will need to understand how people and technology work together.Image: REUTERS/Toru Hanai
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世界経済フォーラムが述べているように、第4次産業革命(4IR)は、歴史上かつてない速度と規模でデジタル技術を導入しています。

同じく前例のない規模で生成・収集されているのが、スマートフォン、冷蔵庫、サーモスタット、セキュリティシステム、製造設備、自動車など、幅広い「スマート」デバイスや、オンラインから店舗内までの複数のチャネルから得られるデータの量です。

デバイスとデータの拡大により、新しいタイプのリーダーが急務となっています。知能技術の影響と応用、データのプライバシーと倫理の重要性を理解し、膨大なデータを解釈して活用し、従業員、組織、地域社会、さらには世界のより広範なエコシステムを改善できる人材です。彼らは新たなデジタルヒーローとなるでしょう。

最高顧客責任者、最高分析責任者、最高体験責任者などの役職に、新しいタイプのリーダーシップが見られるようになりました。肩書きは異なっても、共通する成功要因は、データを実行可能な洞察に変えること、デジタルによる破壊的変化をもたらす企業と競争すること(自社の既存事業をしばしば変革しながら)、つながりのない人々やシステムを結び付けること、業務の俊敏性を高めること、そして収益性を向上させながら人を中心とした体験を生み出すことです。

デジタルヒーローに不可欠な4つの資質

4IRのグローバル環境でデジタルヒーローとなるには、テクノロジーへの理解だけでは不十分です。組織には、テクノロジーに精通し、変革を推進するスキルを備えたリーダーが必要です。

人工知能、機械学習、ロボットによる自動化の利用が広がるにつれ、リーダーには、人とテクノロジーが協調して働くためにどう関わるべきかを理解することが求められます。また、組織全体を見渡すデジタルビジョンと、人と機械双方による意思決定をどう管理するかについての理解も必要です。

反復的で付加価値の低い業務をロボットが担うケースが増えるなか、デジタルヒーローには、人間が担える、より付加価値の高い判断を要する業務を生かせるよう、労働力を再編する責任があります。

こうしたヒーローの中には、すでに皆さんの組織にいて、自らのビジョンの実現に苦心している人もいます。一方で、デジタルヒーローとはどのような存在か、目を開かされる必要のある経営幹部もいるかもしれません。シェークスピアはこう書いています。「偉大に生まれる者もいれば、偉大さを成し遂げる者もいる。そして偉大さを授けられる者もいる。」

以下に、新たなデジタルヒーローが備えるべきだと私が考える主な資質をまとめます。

1. テクノロジーに関するビジョン、革新性、分析力――複数のデータセットを調べ、顧客や従業員に関する深い洞察を見いだして評価する能力。

2. 組織運営――人間がより付加価値の高い、判断を要する業務を担える力を生かすために、労働力を再編する能力。

3. 協働における俊敏なアプローチ――ビジネス部門とIT部門を結び付け、新しい方法で協働させる能力。そのためには、組織とプロセスの再設計に加え、ビジネス部門とIT部門の垣根を取り払う新たな技術的アプローチが必要です。

4. 共感力――顧客、取引先、従業員、エンドユーザーの視点を知的に理解するだけでなく、彼らにとって最善の行動を取るための洞察と動機をもたらす共感力を備えていること。

新しいテクノロジーにより、組織はデスクトップ上で実際に何が起きているか、またそれが従業員の生産性や満足度にどう影響するかを把握できます。

最近の調査では、グローバル2000企業の業務支援担当者による500万時間超のデスクトップ操作を分析した結果、平均的な従業員は、業務上不可欠な最大35個のアプリケーション間をほぼ毎分、あるいは1日に1,100回以上も切り替えざるを得ないことが分かりました。

デジタルヒーローは、こうした業務の非効率を見つけ、それを減らす、またはなくす計画を立て、従業員の満足度と顧客との関わりを高める機会を生み出し、業務をより付加価値の高いタスクへ移すスキルを備えています。

次世代のデジタルヒーローはどこにいるのでしょうか?

すでに大きな影響を与えている人は数多くいます。たとえば、オーストラリア・コモンウェルス銀行の最高分析責任者であるアンドリュー・マクマラン氏は、同行の「顧客エンゲージメント・エンジン(CEE)」による変革を率いています。これは、長期的な顧客満足度と顧客全体の経済的なウェルビーイングを重視するものです。CEEの力を活用し、卓越した顧客サービスとマルチチャネルのアプローチを組み合わせることで、顧客がいつ、どのような方法で銀行を利用するかにかかわらず、あらゆるやり取りをよりタイムリーで、つながりのある、関連性の高いものにしています

また、組織内には、まだ認知されていない多くの無名のデジタルヒーローがいます。いくつかの資質を備え、スキルの幅を広げるために研修が必要な人もいれば、外部から採用する必要がある人もいます。

次世代のデジタルヒーローを育てるため、教育も変わる必要があります。人間の労働者は、より付加価値の高い判断を要する業務に専念できるようになり、より多くの意思決定を任されることになります。そのため、分析力、俊敏な思考、意思決定といったスキルに重点を置きながら、一人ひとりが意思疎通し、互いに関係を築く力も見失わないよう、教育の文化を変えていく必要があります。

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