鉄砲水とは何か?土木技術者が解説

Flash floods can be deadly and destroy infrastructure and property.
Flash floods can be deadly and destroy infrastructure and property.Image: Unsplash/Wade Austin Ellis
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  • 激しい雨や過剰な降雨は、鉄砲水と呼ばれる特定の洪水を引き起こすことがあります。

  • 降雨の直後に発生することが多い鉄砲水は、車を押し流し、建物を基礎から移動させるほどの威力があり、人命を奪うこともあります。

  • 気候変動によって今後の暴風雨が激しさを増すと予想されるなか、計画担当者や技術者が将来のインフラを見直すことが不可欠です。

鉄砲水は、降雨の後、短時間で発生する洪水の一種です。—通常は6時間未満原因は激しい雨や過剰な降雨であることが多く、川や湖の近くで発生しますが、近くに水域がない場所でも起こることがあります。

鉄砲水は、2022年7月下旬にセントルイスとケンタッキー州東部で起きたように、農村部でも都市部でも発生します。地面が吸収できる量を超える雨が降ったり、コンクリートやアスファルトのように雨水が地面に浸透するのを妨げる不透水面が多い地域に降ったりすると、水の行き場が少なくなり、水位が急速に上昇することがあります。

最近雨が降った地域では、土壌が水を吸収できる限界まで飽和し、それ以上吸収できない場合があります。干ばつの後も、土壌が乾燥して硬くなり、雨水を吸収できずに洪水が起きることがあります。鉄砲水は、砂漠地帯でよく発生し、激しい雨の後や、雨水を吸収する土壌の能力を損なう硬い岩盤の上に土壌が薄く堆積した地域でも起こります。

水は低い方へ流れるため、雨水は流れうる経路のなかで最も低い場所へ向かいます。都市部では、低地の道路や駐車場、地下室がそうした場所になりがちです。アパラチア山脈のような急峻な地形の農村部では、鉄砲水によって小川や川が激流に変わることがあります。

気象予報士や緊急対応要員が地域社会に警告し、備えを促していても、鉄砲水はしばしば人々の不意を突きます。こうした洪水は、車を押し流し、さらには建物を基礎から移動させることがあります。

鉄砲水から身を守る最善の方法は、危険を認識し、対応できるよう備えておくことです。洪水がゆっくり起きるか急激に起きるか、都市部か農村部かを問わず、低地は浸水の危険があります。

自分の地域の最新の気象情報をどこで入手できるか、把握しておくことが重要です。屋外で道路が冠水しているなど浸水箇所に遭遇した場合は、水が引くまで待つか、引き返してより安全な経路を探すのが常に安全です。渡ろうとしてはいけません。洪水の流れは見た目よりはるかに速く、強いことがあり、その分危険です。

より雨の多い未来に備えた建設

技術者は、降雨による被害を抑えるために雨水管理システムを設計します。暗渠は水を通し、流れを制御するのに役立ちます。多くの場合、道路や鉄道の下へ水を導くことで、人や物資が安全に移動し続けられるようにします。雨水貯留池や調整池は、洪水が収まった後に放流できるよう、水を一時的にためておきます。

多くの都市では、グリーンインフラシステムも活用されています。レインガーデン、緑化屋根、透水性舗装などを用いて、鉄砲水を抑制します。河川や小川沿いの湿地を再生することも、洪水の軽減に役立ちます。

こうした設備の設計基準や規則は、作業対象地域の過去の降雨データに基づいていることがよくあります。技術者はその情報を使って、暗渠や池などの構造物に必要な規模を算出します。異常に大きな洪水に対応できるよう、常に一定の余裕を持たせて設計します。

しかし現在、米国の多くの地域では、非常に短時間に大量の雨を降らせる、より激しい暴風雨が発生しています。セントルイスとケンタッキー州で最近起きた洪水は、統計上、その地域で1,000年に1度の規模で発生すると見込まれるものでした。

気候変動に伴い、この傾向は続くと予想されます。そのため、計画担当者や技術者は、将来のインフラの設計や管理の方法を見直す必要があります。しかし、特定の場所で今後、暴風雨がどのくらいの頻度で、どれほど激しく発生するかを予測するのは困難です。気候予測からは、より激しい暴風雨が発生する可能性が極めて高いとされていますが、資金を必要とする他の課題もあるなか、最悪の事態を想定して設計・建設するのは費用対効果が高くありません。

現在、技術者や水文学者などが、洪水事象や開発動向のモデル化を含め、将来に向けた最善の計画方法を検討しています。地域社会のレジリエンス向上を支援するためです。そのためには、データの拡充と更新、そして予想される将来の状況により適応した設計基準が必要です。

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