急速干ばつとは何か?地球科学者が解説

Flash droughts are a major concern for farmers and water utilities companies.
Flash droughts are a major concern for farmers and water utilities companies.Image: Unsplash/maudcorrea
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  • 急速干ばつとは、従来型の干ばつのように何年、何十年もかけて進行するのではなく、短期間で始まり、急速に深刻化する干ばつです。

  • 急速に進行する干ばつの影響に備える時間が地域社会にあまりないため、大きな経済的損失をもたらす可能性があります。

  • また、山火事のリスクを高め、公営水道の供給不足を引き起こし、河川の流量を減少させ、魚類をはじめとする水生生物に被害を及ぼすこともあります。

  • 科学者たちは、気候変動によって急速干ばつを十分前もって予測し、備えることがより難しくなると予想しています。

  • 一方、新たな監視ツールは、異常な状況が起きている地域に早期警報を発することができます。

多くの人が知っているのは、鉄砲水です。大雨の後に急速に発生する激流です。しかし、急速干ばつもあります。こうした突然の極端な乾燥期間は、農家や水道事業者にとって大きな懸念となっています。

これはカリフォルニア州にとって44年ぶりの最悪の干ばつだ
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急速干ばつは、従来型の干ばつが何年、何十年かけて進行するのに対し、数週間から数か月で始まり、急速に深刻化します。それでも、急速に進行する干ばつの影響に備える時間が地域社会にあまりないため、大きな経済的損失をもたらす可能性があります。2017年、モンタナ州とダコタ州で発生した急速干ばつは、牛の飼料となる作物や牧草に被害を与え、農業損失額は26億米ドルに上りました。

急速干ばつは山火事のリスクを高めることもあり、公営水道の供給不足を引き起こし、河川の流量を減少させます。その結果、魚類をはじめとする水生生物に被害が及びます。

衛星画像は、米国で急速干ばつが進行する様子を示しています。Image: NASA

降雨の減少、気温の上昇

急速干ばつは通常、平年を下回る降水量と高い気温が重なって発生します。これらの要因が合わさり、陸地表面全体の水分が減少します。

水は絶えず陸地と大気の間を循環しています。通常、雨季には降雨や降雪による水分が土壌に蓄積します。植物は根から水を吸い上げ、葉を通じて水蒸気を空気中に放出します。この過程は蒸散と呼ばれます。水分の一部は土壌から直接空気中に蒸発することもあります。

科学者たちは、陸地から大気へ移動しうる水の量を蒸発需要と呼びます。これは、大気がどれほど「水を欲している」かを示す指標です。気温が高くなると蒸発需要が増し、水はより速く蒸発します。土壌に十分な水分があれば、この需要を満たすことができます。

しかし、土壌水分が枯渇すると、たとえば降水量が何か月も平年を下回ると、陸地表面からの蒸発だけでは、水分を求める大気の需要をすべて満たせなくなります。地表の水分が減ると地表付近の気温が上昇し、土壌はさらに乾燥します。こうした過程は互いを強め合い、その地域をますます高温で乾燥した状態にします。

湿潤な地域でも急速干ばつは起こる

米国で急速干ばつへの関心が高まったのは、2012年、2016年、2017年に注目を集めた事例が発生し、作物の収量が減少し、山火事のリスクが高まった後のことです。2012年には、中西部の一部地域で5月まで平年に近い降水量があったものの、6月と7月に深刻な干ばつに陥り、被害額は300億ドルを超えました。

ニューイングランドは、通常、米国でも降水量の多い地域の一つですが、2022年夏に急速干ばつが発生し、ボストンやロードアイランド州を含む地域では、平年の降雨量の一部しか観測されませんでした。マサチューセッツ州全域で水位が危機的に低下し、各自治体は住民に対して水の使用制限を義務付けました。

気候変動下で急速干ばつに備える

1930年代のダストボウルや、現在も続く米国南西部の22年にわたる干ばつのような従来型の干ばつは、何年もかけて進行します。科学者たちは、気温や降雨量の測定に加え、モデルなどの監視・予測ツールを用いて、その進行を予測しています。

月単位から週単位で発生する急速干ばつを、現在のデータやツールで予測することははるかに困難です。その主な理由は、天候の予測不可能な性質と気象モデルの限界にあります。そのため、気象予報士は通常、10日を超える予測を発表しません。それより長い期間には、起こりうることに大きなばらつきがあるためです。

さらに、気候パターンは年ごとに変化するため、予測は一層難しくなります。たとえばボストンでは、2021年の夏は非常に雨が多く、その翌年の夏は非常に乾燥しました。

科学者たちは、気候変動によって降水量の変動がさらに大きくなると予想しています。特に米国北東部のような、もともと湿潤な地域で顕著です。その結果、急速干ばつを十分前もって予測し、備えることがより難しくなります。

しかし、蒸発需要を測定する新たな監視ツールは、異常な状況が起きている地域に早期警報を発することができます。こうしたシステムから得られる情報により、農家や水道事業者は十分な準備時間を確保し、業務を調整してリスクを最小限に抑えられます。

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