水の浪費に課金することで、より多くのケニア農家が公平な分け前を得られる

Plants in the ground being watered
Farmers that use more water now pay higher fees.Image: Unsplash/Markus Spiske
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  • 灌漑用水メーターの設置事業により、ケニアの上流域の農家は必要な分だけ水を使うようになり、下流域の農家により多くの水が行き渡るようになりました。

  • 政府の事業は、水道メーターを使って過剰な灌漑を抑え、水を保全することを目指しています。

  • 水を慎重に使うことで、より多くの農家が作物と収入を守れます。

ケニア中部にある自分の地域が灌漑用水の使用料を払い始めることに同意したとき、農家のテレシア・ムゴは、乾季にもようやく作物を育てられると思いました。

しかし、ムランガ郡の灌漑事業の参加者600人全員が月額一律150ケニア・シリング(1.30ドル)を払っていたため、上流域の農家には水の使用量を抑える動機がありませんでした。そのため、下流域の農家には十分な水が届かないことがよくありました。

「作物はほとんど育てられず、何とか育っても、徐々にしおれて枯れてしまいました」とムゴは語りました。定額料金のもとで水の確保に苦労したキアルタラ・ラギア水利事業(KRWP)の参加者のうち、60%が同じ状況でした。

2018年、政府の取り組みによって配水管が延長され、参加農家すべてに水道メーターが設置されました。より多くの水を使う農家ほど高い料金を払う仕組みになり、状況は変わりました。

それ以来、ムゴには安定して水が供給されています。自分の食料となるキャベツ、果物、トマトを十分に育てられるだけでなく、都市に住む3人の子どもたちにも送れるほどです。

さらに、「売る分も余るので、懐に少しお金が入ります」と彼女は語りました。

気候変動による降雨の不規則化に、ケニアをはじめ世界各地の農家が対処しようとするなか、灌漑能力の増強が収穫を安定させる助けになっています。

しかし、必要以上に水を使わないようにする綿密な計画も欠かせないと専門家は指摘します。過剰な使用は帯水層を枯渇させ、小川を干上がらせ、下流域への水の供給を絶つおそれがあります。

ケニア、キアルタラにあるキアルタラ・ラギア水利事業の事務所。Image: トムソン・ロイター財団/キャロライン・ワンブイ

KRWPの水道メーターは、上タナ天然資源管理事業(UTaNRMP)の一環として設置されました。この事業は、気候変動による深刻な水不足に、急速な人口増加が拍車をかけている地域の状況改善を目指しています。

「流域の水は一滴一滴が大切です」と、UTaNRMPの事業コーディネーター、フェイス・M・リビングストンは語りました。

国際農業開発基金の支援を受ける政府事業は、2012年の開始以来、地域住民が所有する灌漑事業55件を改良し、対象面積は2,500ヘクタール(6,200エーカー)を超えたと、彼女は述べました。

これまでに、そうした事業のほぼ4分の1で水道メーターが設置され、残りもそれぞれ異なる段階で導入が進んでいます。

「自家菜園で食料の必要を手頃な費用で満たせて喜ぶおばあさんと、農産物の販売収入で経費を十分に賄えると満足する商業農家が、隣り合っているのを見るのはやりがいがあります」とリビングストンは語りました。

「どちらにも安定した水の供給が保証されています。」

無駄を減らし、収入を増やす

ケニア国家統計局によると、ムランガ郡の31万8,000世帯の約4分の3が、主に農業に従事しています。多くの農家が、コーヒーやアボカドからマンゴー、トウモロコシまで、さまざまな作物を栽培しています。

しかし政府の推計では、郡の人口の5分の1以上が「食料貧困」の状態にあり、最低限の栄養必要量を満たせていません。

政府が設置した水道メーターのおかげで十分な水を得られるようになった、ケニアのキアルタラにある下流域の農場で作物の世話をするエディタ・マイナ。Image: トムソン・ロイター財団/キャロライン・ワンブイ

農家や専門家によると、主な原因は降雨の不規則化と長期化する乾季であり、これにより地域は頻繁に水危機に陥ります。

水の使用量を計測すれば、農家が無駄に使う水の量を減らせるため、効率を最大50%高められると、ケニア水・衛生・灌漑省の技術者トーマス・ミレワは述べました。

料金体系の改定前にこれを承認したKRWPの農家は現在、灌漑用水が月10立方メートルまでは250シリング(2.16ドル)、それを超える分は1立方メートルごとに30シリングを払っています。

灌漑事業の上流域にあるガタカイニ出身で、KRWPに参加するワンブリ・ムリラは、以前の料金体系ではサトウキビやネピアグラス、野菜に昼夜を問わずスプリンクラーで水をまくことができたと語りました。

「使用量に制限がなかったので、どれだけ使うか気にせず作物に水をやっていました」と彼は語りました。

ムリラによると、メーターの設置後、意識は変わりました。事業の管理者が上流域の農家と会い、水を節約すれば出費を抑えられ、下流域の人々の助けにもなると説明したことも、変化につながりました。

「今は使った分を払うことに納得しています」と彼は語りました。

KRWPがメーターを導入してから、灌漑事業の利用者数は倍増し、システム全体で水の供給を維持していると、運営者は述べました。

ケニア、キアルタラにある小規模灌漑用水事業の参加者、ワンブリ・ムリラが、自宅で使う水をくんでいます。Image: トムソン・ロイター財団/キャロライン・ワンブイ

費用の増加?

こうした水道メーターの導入拡大にあたっての課題の一つは、メーターのない灌漑組織の参加者の多くが、結局は費用が高くなるのではないかと懸念していることだと、事業コーディネーターのリビングストンは述べました。

KRWPのような事業を訪問することで、そうした懸念の軽減につながっていると彼女は語りました。

気候変動により水不足に陥る地域がますます増えるなか、地域水利事業ではメーターの設置を標準にすべきだと、ジョモ・ケニヤッタ農工大学の水管理専門家、バンシー・マティは述べました。

「天然資源としての水を持続可能な形で管理するには、この道を進まなければなりません」と彼女は語りました。

「地域住民に適切な啓発を行えば、地域の灌漑用水事業に水道メーターを導入することは、人にも環境にも利益をもたらします。」

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