水中農場とは何か?その仕組みは?

a plant grows underwater at an underwater farm
Underwater agriculture has the potential to eliminate the need for pesticides, reduce water use and cut carbon emissions.Image: REUTERS/ Cheryl Ravelo
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  • 工業化された農業は、かつて急速に増加する世界人口に対する解決策と見なされていましたが、環境に大きな負担をかけています。

  • 国連の推計によれば、海洋のわずか2%を持続可能な農業に利用すれば、世界の食料は十分に賄えるとされています。

  • 水中農業には、農薬の必要性をなくし、水使用量を減らし、炭素排出量を削減する可能性があります。

水中で育つイチゴや深海のハーブは、陸上農業に代わる、より持続可能な選択肢となり得るでしょうか?

工業型農業は、急速に増加する人口のニーズに応えることに苦慮しています。さらに、数十年にわたる集約的農業は、環境に大きな負担をかけてきました。

農薬への過度な依存、野生生物の生息地の喪失、大量の水の浪費、そして有害な排出ガスの発生は、私たちの世界を損なっています。

そこで科学者や起業家は、水中農業がこれらの問題に対処できると期待しています。海中で作物を栽培することで、農薬の必要性をなくすとともに、水使用量と炭素排出量も削減できるというのです。

実際、国連の推計によれば、私たちが海洋のわずか2%を持続可能な農業に利用すれば、世界の食料は十分に賄えるとされています。

農業をより持続可能なものにすることは、気候変動への対策にも役立ちます。Image: Boston Consulting Group

水中作物で持続可能性を高める

水産養殖は、魚介類などの食品を育てて収穫するために長く利用されてきました。しかし現在、いくつかの企業は、イチゴやハーブといった従来の作物を海中で栽培する方法を模索しています。

Nemo’s Gardenは、イタリア・ノリ沖の海底に固定された、空気を満たした6基の透明なプラスチック製ポッド(バイオスフィア)からなる水中農業プロジェクトです。

プラスチック製のポッドは、水面下4.5~11メートルに吊り下げられています。Image: Nemo’s Garden

プラスチック製のポッドは、さまざまな深度に吊り下げられています。具体的には、水面下4.5~11メートルの間に設置されており、それぞれに二酸化炭素と酸素の濃度、湿度、気温、照度を測定するセンサーが備えられています。

ダイビング会社のOcean Reef Groupが2012年に創設したこのプロジェクトでは、水耕栽培技術を用いて、これまでにトマト、ズッキーニ、豆、キノコ、レタス、洋ランやアロエベラなど、さまざまな作物を収穫しています。

これは、栄養豊富な溶液によって、土を使わずに植物を育てる方法です。管理された環境の中で、水分とミネラルを根に届けます。

水中農業では農薬が不要

各ドームには苗床と10メートルのらせん状チューブが備えられています。灌漑用水と肥料は、らせんの最下部にあるタンクで保管され、ポンプを使って植物に供給されます。

これらすべての機能は、水上の管制塔から操作できます。管制塔には太陽光パネルも備わっており、各バイオスフィア内のファンを制御して、植物の湿度を下げています。

水中で作物を育てることは、害虫を持ち込まない限りポッド内に害虫が入り込まないため、農薬の必要性をなくし、環境にも利点があります。

さらに、バイオスフィアは水を節約します。ポッド内の海水は蒸発した後に凝縮し、植物に淡水を供給します。

外部からの水源が必要となるのは、植物を最初に育てる時だけです。

この農場は海底で果物と野菜を栽培しています
この農場は海底で果物と野菜を栽培しています
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コンブと貝類の垂直式水中養殖

一方、北米を拠点とする非営利団体GreenWaveは、垂直式水中農業または再生型海洋農業と呼ばれる持続可能な農業技術を開発しました。

同社は、ロープの足場システムを用いて、海中でコンブなどの各種海藻や、ムール貝やホタテを含む貝類を育てています。

このモデルは、水、肥料、飼料などの投入資材をまったく必要とせず、地域の環境に利益をもたらすとともに、海洋生態系の再生にも貢献します。

同時に、海藻は海中の二酸化炭素を吸収し、海水の酸性化を抑え、野生生物の繁殖を助けます。さらに、カキなどの二枚貝は実際に水質を改善します。

GreenWaveの多種養殖システムは、炭素排出量が少なくても高い収穫量が期待できるうえ、20エーカーの土地、船、そして2万~2万5千ドルがあれば誰でも自分の農場を始められるという、参入障壁の低さも特徴です。

持続可能な海藻ソリューション

ナミビアでは、Kelp Blueが、同国沿岸で、肥料、繊維、医薬品向けに収穫できる海藻類の水中養殖を開始するための環境認可を取得しました。

コンブは地球上で最も成長の速い生物の一つです。多くの海洋生物の生息環境を形成する役割を果たし、少なくとも7年間にわたり持続的かつ繰り返し収穫することが可能です。

海藻はまた、非常に効率的な炭素吸収源でもあり、同社は、2050年までに年間数百万トンの二酸化炭素を回収することを目指しています。

海藻に注力しているもう一つの企業は、バンガロール拠点のSea6 Energyです。同社は、熱帯の水中植物を植え付け、収穫するための、トラクターに似た「SeaCombine(シーコンバイン)」と呼ばれる車両を設計しました。

この完全機械化された植え付けおよび収穫用双胴船は、現在インドとインドネシア両国の沿岸で海藻養殖に使用されています。

食品製造に用いられるゲル化剤を供給するほか、Sea6 Energyの生産物は、とりわけバイオ燃料、バイオプラスチック、農業分野でも利用できます。

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