北極の異常気象がますます頻繁に起きている理由

Eureka Sound on Ellesmere Island in the Canadian Arctic is seen in a NASA Operation IceBridge survey picture taken March 25, 2014. IceBridge is a six-year NASA airborne mission which will provide a yearly, multi-instrument look at the behavior of the Greenland and Antarctic ice, according to NASA. Picture taken March 25, 2014. REUTERS/NASA/Michael Studinger/Handout (CANADA - Tags: SCIENCE TECHNOLOGY ENVIRONMENT) ATTENTION EDITORS - THIS PICTURE WAS PROVIDED BY A THIRD PARTY. REUTERS IS UNABLE TO INDEPENDENTLY VERIFY THE AUTHENTICITY, CONTENT, LOCATION OR DATE OF THIS IMAGE. THIS PICTURE IS DISTRIBUTED EXACTLY AS RECEIVED BY REUTERS, AS A SERVICE TO CLIENTS. FOR EDITORIAL USE ONLY. NOT FOR SALE FOR MARKETING OR ADVERTISING CAMPAIGNS
Recent cold weather in Europe is linked to extreme conditions in the Arctic.Image: REUTERS/NASA/Michael Studinger/Handout
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2018年初め以降、北極は異例の暖かさが続いている。先週、気温は平年より約20℃高い状態、あるいはそれ以上で推移した。2月25日、グリーンランド北部のケープ・モリス・ジェサップ気象観測所では6.1℃を記録した。この時期は太陽がまだ地平線の下にあり、気温は通常約-30℃となるにもかかわらずだ。

北極で上昇する気温Image: The Conversation

今回の温暖化現象で驚くべき点は、その影響が北極の奥深く、さらには北極圏の外にまで及んだことだ。暖気は大西洋から北上し、北極点を越えて太平洋方面へと移動した。その結果、北極海の広い範囲で24時間以上にわたり、気温が氷点を上回った。

少なくとも1980年以降、これほど大規模な大西洋からの暖気の流入は観測されていない。

これは前例のない現象なのか?

北半球の冬のさなかに暖かくなることは、これまでにもあった。大規模な冬の嵐が強風をもたらし、低緯度から北極へ暖気を送り込むことがある。

たとえば、ノルウェーの探検家フリチョフ・ナンセンが1896年に砕氷船に乗って行った遠征では、フラムの乗組員が真冬のある日に-3℃を観測した。より最近では、2015年12月に北極の温暖化現象によって、北極点で2℃を記録し、暖かい天候は2016年初めまで続いた。

しかし、重要なのは、この種の現象がより頻繁に、より長く続くようになり、最高気温も高くなっていることだ。

海氷面積が過去最小に

2月26日、海氷面積が新たな過去最小を記録した。この日の最大海氷面積は1,420万平方キロメートルで、その日の1981~2010年平均を129万km2下回った。これに先立つ数年間も、冬季の最大海氷面積が過去最小となる年が続き、2015年、2016年、2017年に記録を更新した。

現在の北極の暖かさは、年間を通じて海氷に影響を及ぼす。海氷は冬に成長し、夏に融解する。暖気は海氷の成長を遅らせ、強風は海氷を動かして一部を砕く。今週初めにグリーンランド北方で起きたのもその一例だ。

氷が割れた場所にできる開水面からは、余分な熱が大気中に放出される。春の日差しが戻る頃には、海氷は薄く弱くなっており、いっそう融けやすくなる可能性がある。

欧州の寒波

北極が暑くなる一方で、今週の欧州は厳しい寒さに見舞われた。ロンドンでは-6℃、ベルリンでは-14℃を記録し、アルプスでは-27℃まで下がった。月曜日にはローマで5~15cmの積雪があり、水曜日には英国で最大40cmの雪が降った。

直感に反するように聞こえるかもしれないが、この寒さは最近の北極の温暖化現象と直接結びついている。

通常、極域上空の冷たい空気は、極渦と呼ばれる環状の強風帯によって北極域内にとどめられている。しかし今年2月中旬、極渦は二つに分裂し、一つはユーラシア上空、もう一つは北米上空に位置した。

この二つの領域の間には、強い高気圧が徐々に形成された。その結果、高気圧の西側では暖気が北極へ押し上げられ、東側では冷気が南へ導かれた。こうして北極では異例の暖気が、欧州では寒波がもたらされた。

極渦は変化しているのか?

極渦は、暖かい中緯度地域と寒冷な北極との大きな気温差によって生じる。北極が中緯度地域より速いペースで温暖化するにつれて、この気温差は縮小しており、極渦が弱まっていると考える科学者もいる。

研究 によると、この弱まりの結果、極渦はより「波打つ」ようになった。ジェット気流の蛇行が大きくなると、低緯度で極域の冷気が流れ込む寒波がより頻繁に発生する一方、暖気が北極に流れ込む可能性もある。しかし、別の研究者たちは、「こうした影響の大きさについては、依然として大きな不確実性がある」と指摘している。

一般に、あらゆる緯度での温暖化は、低緯度で寒波が起きる可能性を低くし、高緯度で暖気が流入する可能性を高める。ただし、北極の温暖化が大気の力学に根本的な変化をもたらす場合は別だ。

1979年以降、北極の温暖化現象はより頻繁に起きるようになった。しかし、気候予測では今世紀後半に北極の嵐が減少すると示されており、それに伴って北極の温暖化現象も減少すると見込まれる。

科学者である私たちは、今週の北極の温暖化の規模に驚き、その短期的・長期的な影響を理解するため、懸命に取り組んでいる。今後数週間以内に起きるとみられる冬季の北極海氷面積の最大値に、注目が集まっている。過去最低を更新する可能性もある。

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