気候変動の緩和に森林破壊への取り組みが不可欠な理由

A number of logs lined up after being felled.
Humanity injects almost 42 billion tonnes of carbon dioxide (CO₂) into the atmosphere every year.Image: Unsplash/Ales Krivec
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  • 森林破壊は炭素排出の大きな要因です。

  • 全排出量の16%は、人間による土地利用に起因します。

  • 森林破壊を食い止めれば、炭素の総排出量を減らし、ネットゼロ達成に向けた世界的な取り組みに貢献できます。

  • COP26で合意を目指す英国政府は、2030年までに世界の森林破壊を「食い止め、反転させる」計画を発表すると見込まれています。

人類は、ほとんど想像もつかない量の420億トンの二酸化炭素(CO₂)を毎年大気中に放出しています。その大半は化石燃料の燃焼によるものですが、かなりの割合、約16%は土地の利用方法に由来します。土地利用による排出の大部分は、特に熱帯地域での森林破壊が原因です。

気候変動を緩和するには、世界全体でこの420億トンの排出量をネットゼロにする必要があります。ネットゼロとは、残る排出量が他の場所での吸収量と均衡する状態です。CO₂は化石燃料に由来する場合も森林の喪失に由来する場合も、気候への影響は同じです。そのため、森林破壊を食い止めることは気候変動対策に欠かせません。

COP26で合意を目指す英国政府は、2030年までに世界の森林破壊を「食い止め、反転させる」計画を発表すると見込まれています。これは地球温暖化の抑制にどれほど役立つのでしょうか。

これを理解するには、炭素予算の概念を理解する必要があります。2015年のパリ協定は、世界の平均気温の上昇を産業革命前の水準から1.5°Cを超えないようにすることを目指しました。気温上昇の程度は、大気中のCO₂量と密接に結びついています。つまり、この目標を超えずに世界が排出できるCO₂の量には上限、すなわち予算があります。

この予算には余裕がありません。今年初めから数えて、今後のCO₂排出量を4,600億トンに抑えれば、温暖化を1.5°C未満にとどめられる確率は五分五分です。排出量が2019年の水準で続けば、予算はわずか11年後の2032年までに使い果たされます。パリ協定の目標を達成する見込みを十分に保つには、排出量を大幅に削減し、世界全体で2050年頃までにネットゼロへと近づける必要があります。

森林破壊と炭素予算

英国を含む多くの国が、2050年のネットゼロを目指しています。しかし、2030年までに森林破壊を食い止める取り組みを強化すれば、いくつもの利点があります。第一に、土地利用による排出量は大きいことです。現在のペースが続けば、土地利用の変化による排出は今後10年間だけで世界の炭素予算の15%を消費します。森林から炭素が1トン失われるごとに、世界経済の他の分野を脱炭素化するための余地が狭まります。

第二に、森林破壊を食い止めても、過去の森林喪失による排出がすぐにすべて止まるわけではありません。チェーンソーの音が止んだ後も炭素は土壌から失われ続けるため、そのかなりの部分は数十年かけて初めて放出されます。森林破壊をより早く食い止めれば、こうした遅れて生じる排出を2050年までにゼロに近づけ、他の場所で均衡させる必要のある量を減らせます。

第三に、世界の森林は、保護すべき炭素の貯蔵庫であるだけでなく、積極的に炭素を吸収しています。最近の推計では、森林は人々が毎年大気中に放出する排出量の約20%を取り除いています。これは、CO₂が増えると樹木の成長が速まること、そして現在、多くの森林が比較的若くて勢いのある樹木で覆われているためです。こうした樹木は、過去に古い木が伐採された際に放出された排出を大量に吸収しています。

最終氷期以降、世界の森林の3分の1が失われました。Image: Our World In Data

世界の炭素予算の計算では、この吸収が続くと想定されています。しかし、森林が少しでも失われれば、その土地はもはや炭素を吸収できません。熱帯地域では、1990年以降に失われた森林の総面積は、メキシコと同じ広さにあたる約200万平方キロメートルに達しています。アマゾンなど一部地域では、損失が転換点を超えるおそれがあり、その先では森林の広い地域が炭素の吸収源から排出源へと変わることになります。

計画の「反転」部分はどうでしょうか。これは一筋縄ではいきません。複雑で生物多様性に富む原生林の喪失は、今を生きる人々の生涯のうちに元に戻すことはできません。しかし、若い森林の総面積を増やせば、適切に行うことで、航空業界のように低炭素の代替手段が実用化されるまでなお時間がかかる産業からの限られた排出を一時的に相殺し、ネットゼロの達成に役立てることができます。

植林は、実証されていない技術に頼らずに気候変動に対処する手段ですが、あくまで一時的なつなぎ策にすぎません。植林できる土地の面積には限りがあり、食料生産やバイオ燃料の生産など、他の用途との競合によって制約されます。

科学的知見は明らかです。森林破壊を速やかに減らせなければ、気候変動を1.5°に抑えるという途方もない課題はさらに難しくなり、おそらく不可能になります。世界がこれを早く実現するほど、他の分野に回せる炭素予算は増えます。

だからといって、森林破壊を食い止めたり、反転させたりすることが容易だというわけではありません。実際はその逆です。持続可能で公平な方法で進めなければなりません。森林喪失の大部分は、グローバルサウスの貧しい国々で起きており、その規模は大手農業関連企業による工業規模の伐採から、自給農家による小規模な森林減少までさまざまです。多くの農村地域の人々の暮らしは森林と深く結びついています。森林保護の取り組みでは、彼らを真のパートナーとしなければなりません。

地域に暮らす人々に害を与えずに地域経済を森林破壊から切り離すことは、世界経済の他の分野からの排出削減と同じくらい難しいかもしれません。森林破壊を食い止めることには、気候面にとどまらない利点があり、生物多様性の保護やきれいな水の確保などが挙げられます。それでも世界の指導者たちは、これを手早く簡単な解決策と考えたり、他の分野での取り組みの意欲を弱める理由にしたりしてはなりません。

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