人種と所得が大気汚染への曝露に関連、研究で判明

Pictured is a factory chimney emitting smoke.
Blacks, Asians, Hispanics, Latinos and low-income populations are being exposed to higher levels of air pollution than other groups.Image: Unsplash/ Pawel Czerwinski
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  • 大気汚染に関するハーバード大学の新たな研究は、米国における人種、民族、所得層間の格差に焦点を当てている。

  • その結果、黒人、アジア系、ヒスパニック系、ラティーノ系の人々や低所得層は、他のグループよりも高いレベルの大気汚染にさらされていることが示された。

  • これにより、早期死亡のリスクと、それに伴う医療費が増加する。

米国では、黒人、アジア系、ヒスパニック系、ラティーノ系の人々や低所得層といった特定のグループが、危険な微小粒子状大気汚染(PM2.5)に、他のグループよりも高いレベルでさらされている。ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院の新たな研究で明らかになった。

研究者らは環境システム研究所と協力し、米国全土の微小粒子状物質による汚染データと17年分の人口統計データを結び付ける新たなプラットフォームを開発した。また、人種・民族や所得層による大気汚染曝露の顕著な格差を浮き彫りにする独自の可視化資料を作成した。

研究は1月12日、学術誌Natureに掲載された。

大気汚染において人種は依然として要因

「米国のPM2.5曝露における相対的な格差を明らかにする本研究は、人種差別をめぐる反省や、新型コロナウイルス感染症の転帰における格差など、同国が直面する現在の危機を考えると、特に時宜を得たものです」と、フランチェスカ・ドミニチ氏は述べた。同氏はハーバード大学チャン公衆衛生大学院の生物統計学・人口学・データサイエンス担当クラレンス・ジェームズ・ギャンブル教授で、本研究の上席著者である。

これまでの研究から、米国の人種的・民族的マイノリティや低所得層は、他の人口・所得層よりもPM2.5大気汚染への曝露による早期死亡リスクが高いことが示されている。また、これらのグループ間で大気汚染への曝露に格差があることも明らかになっている。

今回の研究は、所得層および人種・民族グループ間の相対的な格差に焦点を当て、曝露の問題をさらに詳しく調べた。研究者らは、米国国勢調査局と米国地域社会調査による2000年から2016年までの人口統計データを、衛星観測と大気化学モデルに基づく機械学習モデルで推定した米国全土のPM2.5データと結び付けた。データは、全米にある3万2,000の郵便番号集計区域(ZCTA)について分析された。

現行の連邦大気汚染基準では、PM2.5への年間最大推奨曝露量は、空気1立方メートル当たり12マイクログラム(μg/m3)である。研究者らによると、米国全体の平均PM2.5濃度は2000年から2016年にかけて低下し、平均曝露量は12.6 μg/m3から7.5 μg/m3へと下がった。減少率は40.4%だった。また、PM2.5濃度が12 μg/m3を超える環境にさらされた人口の割合は、2000年の57.3%から2016年には4.5%に低下した。

しかし、調査結果によると、PM2.5濃度が長年にわたり低下したにもかかわらず、曝露の格差は続いていた。

研究者らは、白人と先住民の人口比率が高い米国の地域では、黒人、アジア系、ヒスパニック系またはラティーノ系の人口比率が高い地域よりも、平均PM2.5濃度が一貫して低いことを見いだした。

例えば2016年、黒人の平均PM2.5濃度は白人より13.7%、先住民より36.3%高かった。さらに、特定のZCTAで黒人人口が増えるにつれてPM2.5濃度も上昇し、人口の85%超が黒人であるZCTAでは急激な上昇が見られた。ヒスパニック系およびラティーノ系の人口でも同様の傾向があった。一方、白人では逆の傾向が見られ、特定のZCTAで白人人口の比率が高まるほどPM2.5濃度は低下した。

低所得層もリスクが高い

研究者らはまた、2004年から2016年にかけて、低所得層が多い米国の地域では、高所得層が多い地域よりも平均PM2.5濃度が高かったことを見いだした。さらに研究によると、米国環境保護庁と世界保健機関が定める安全基準に照らしたPM2.5曝露の相対的な格差は、人種・民族グループ間で時間とともに拡大していた。

「相対的な格差に関する私たちの調査結果は、大気汚染全体の水準を下げるだけでなく、環境上の危険からすべての人を同じ程度に保護するというEPAの目標に近づくためにも、強力で対象を絞った大気汚染削減策が重要であることを示しています」と、ハーバード大学チャン公衆衛生大学院の元博士研究員で、本研究の筆頭著者であるアブドゥルラフマン・ジバイリー氏は述べた。

ハーバード大学チャン公衆衛生大学院からは、レイラ・カマレディンとステファン・ヴェルゲも共著者として参加した。

本研究は、Health Effects Institute(4953-RFA14-3/16-4)、米国国立衛生研究所(DP2MD012722、P50MD010428)、米国国立衛生研究所およびイェール大学(R01MD012769)、米国国立衛生研究所および国立環境健康科学研究所(R01 ES028033、R01ES026217、R01AG066793-01、R01ES029950、R01ES028033-S1)、米国国立衛生研究所およびコロンビア大学(1R01ES030616)、環境保護庁(83587201-0)、The Climate Change Solutions Fund、ならびにハーバード大学Star Friedman Awardの助成を受けた。

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