プラスチック汚染の終結に共通規格が不可欠な理由

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  • プラスチックは海に深く入り込み、人々の生計や日常生活に影響を及ぼしています。

  • プラスチック条約をめぐる世界的な議論が進む中、各国の指導者は、標準化によって条約をどう執行するかを検討すべきです。

  • ISO規格は、直線型から循環型のビジネスモデルへの移行を後押しします。

ブルターニュ沖の静かな漁村では、何世代にもわたって人々が海から生計を立ててきました。しかし今日、網にかかるのは魚だけではありません。

網には、捨てられたプラスチックの破片が絡まっています。ボトルキャップや包装フィルム、漁具などです。危機はもはや遠い場所の出来事ではありません。食べ物や飲み水、さらには呼吸する空気の中にまで広がっています。

フランスだけでも、フランス環境移行省の報告書によると、年間220万トンのプラスチック包装材が市場に出されています。しかし、現在リサイクルされている家庭用包装材は30%未満です。

分別回収システムを拡充しても、この割合は40%にとどまると見込まれています。しかし、フランスの課題は、はるかに大きな問題の一部です。国連環境計画によると、世界では年間約4億3,000万トンのプラスチックが生産されています。

今後2週間、スイスのジュネーブに各国の交渉担当者が集まり、政府間交渉委員会第5回会合第2部(INC-5.2)が開かれる中、世界がその動向を注視します。

高まる圧力を受け、各国政府はプラスチック汚染を終わらせる画期的な国際条約の最終合意に取り組んでいます。これは歴史的な機会ですが、政策だけでは海を守れません。

プラスチック危機への対応に本気で取り組むなら、実質的な変化を起こすための手段も整えなければなりません。そこで重要になるのが国際規格です。

プラスチック問題の解決を支える静かな力

ISO(国際標準化機構)は数十年にわたり、持続可能性を支える、科学に基づき合意形成を重視した解決策を開発してきました。その規格は、途上国の経済や地域社会が、プラスチック廃棄物に対して効果的な地域主導のアプローチを採用するのを支援し、世界各地でより強靱で持続可能なシステムを後押ししています。

今日、ISOの取り組みはかつてないほど急務です。プラスチックのリサイクルに関するISO 15270から環境ラベルの規格まで、ISOは廃棄物を削減し、循環性を高める具体的な方法を提供しています。

私が議長を務める、循環経済の標準化に関するISO/TC 323は、プラスチック、包装、廃棄物管理に関する専門委員会と緊密に連携し、こうした課題が相互につながっていることを規格に反映させてきました。

素材設計や製品表示から、リサイクル性能、環境に関する主張まで、プラスチックのライフサイクル全体を管理する実用的な枠組みを提供することで、ISO規格は発生源での廃棄物の予防と削減、回収・再利用システムの強化、循環経済への移行の加速を支援します。

何より重要なのは、こうした手段がすでに活用されていることです。産業界がビジネスモデルに循環性を組み込み、トレーサビリティを高め、共通の指標で進捗を追跡するのを支えています。何がうまくいくかを議論する段階は過ぎました。各国や企業が今すぐ使える、実証済みで実践的な解決策です。

例えばインドでは、IS/ISO 17088を国内規格として採用したことで、堆肥化可能なプラスチックの認証が義務化され、誤解を招く表示の排除と使用後の適切な処理の改善につながっています。

一方、ケニアではISOが国家規格機関と直接協力し、国際規格を国内法に取り入れ、適合性評価制度を整備しました。これにより、政策目標と現場での実施を結び付けています。

条約は始まりにすぎない

世界的なプラスチック条約の成否は、その実施にかかっています。各国は高い目標を法律やインフラ、企業慣行に、しかも迅速に落とし込む必要があります。

ここでも規格は重要な役割を果たします。高次の目標を、測定可能で検証可能な、世界的に整合した具体的な行動に変えるのです。例えば、条約が生産の削減、プラスチックの環境流出の抑制、再生材含有率の引き上げを求める場合、規格はその測定、報告、検証の方法を定め、国境や産業を越えた一貫性を確保できます。

世界的なプラスチック条約は節目となります。それが転換点となるかどうかは、その後の行動にかかっています。

この一貫性が鍵です。一貫性がなければ、各国が条約を異なる形で解釈し、非効率や抜け穴を招くなど、断片化のリスクが生じます。規格は、政策と実践、目標と説明責任を結ぶ共通言語となります。

また、ISOは政府、市民社会、学界、企業を含む170を超える国々の専門家を結集しているため、その規格は真に世界的な合意を反映しています。そのため、公平で包摂的かつ効果的な形で条約の実施を支援するうえで、他に類を見ない適性を備えています。

ビジネスと地球の双方に利をもたらす

産業界にとって、規格は単なるコンプライアンスのためのものではありません。イノベーションと競争力を促す触媒です。

規格は、自社の製品やプロセス、性能に関する主張が世界的な期待に沿っているという信頼を企業にもたらします。重複を減らし、市場の障壁を取り除き、拡張可能で相互運用性のある解決策への投資を可能にします。独自の手法を開発する資源が限られている中小企業にとって、特に重要です。

例えば、循環経済の規格は、循環型設計、持続可能な調達、地域内の共生などを通じて、組織が資源に付加価値を生み出すのを支援します。削減、再利用、修理といった取り組みを通じて資源価値の維持を支え、製品寿命終了時の戦略による価値回収を促します。

こうしたアプローチは、循環経済の中核的な原則と戦略を示すISO 59000シリーズに基づいています。資源価値の維持から、地域や分野を越えた連携の促進までを網羅しています。

今、ISOの取り組みがとりわけ重要なのは、2025年循環性ギャップ報告書が、世界の循環性がわずか6.9%にまで低下したと指摘し、規格に基づく協調的な行動が急務であることを示しているからです。

こうした取り組みを通じて、直線型から循環型のビジネスモデルへの移行が可能になり、新たな価値ネットワークや雇用機会が生まれます。

また、ISO規格は最新の科学的知見とベストプラクティスに基づいているため、時間とコスト、評判を損なうリスクを抑えながら、企業が時代の先を行くのを支援します。

EUは2030年までに使い捨てプラスチックを禁止する。
EUは2030年までに使い捨てプラスチックを禁止する。
01:45

責任を分かち合い、機会を分かち合う

交渉担当者がジュネーブの国際連合欧州本部に集まるにあたり、私は条約の文言の先を見据え、世界的な目標をどう現実に変えるかを考えるよう呼びかけます。

そのためには、可能な限り既存の規格を参照し、規格が不足している分野では新たな規格の策定に取り組むと約束する必要があります。そうすることで、条約の目標を測定可能で実行可能な解決策に変え、世界各地で実現できます。

私は、国境や分野を越えた協力が変革をもたらす力を、身をもって見てきました。

私たちの循環経済の規格は、100を超える国々の各分野から専門家を集め、世界各地で通用し、実社会の実践に根差した規格を策定しています。循環性は個別の領域に閉じた課題ではありません。システム全体に関わる課題であり、そのように捉えて取り組まなければなりません。

世界的なプラスチック条約は節目となりますが、転換点となるかどうかが問われています。成功に必要な手段と信頼、実行力を備えた条約にしましょう。

力を合わせ、規格を一つずつ積み重ねて、その未来を築くことができます。

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