飢饉を引き起こす害虫から作物を守るハチ

A woman sorts millet at a farming village outside Niger's capital Niamey July 4, 2005. More than 40 percent of Africans live on less than $1 a day, 200 million Africans are threatened by serious food shortages and AIDS kills more than 2 million Africans a year. Aid, debt relief and climate change top the agenda when leaders of the G8 meet for three days from Wednesday in Gleneagles, Scotland. Picture taken July 4, 2005. REUTERS/Finbarr O'Reilly FOR/mk - RP6DRMTUZRAA
Farmers are breeding wasps to protect their crops from destructive worms.Image: REUTERS/Finbarr O'Reilly
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キビを食い荒らす害虫が乾燥した環境で繁殖するなか、農家は食料供給と収入を脅かす害虫を駆除できるハチの飼育方法を学んでいる。

西アフリカのニジェールでは、キビは穀物の王と呼ばれ、農家が最も好んで栽培する穀物だという。南部の町ボルゴ・ベリでキビの王といえば、農家のハッサネ・ヒマ氏に異論はない。

ニジェールの伝統に従い、仲間からその称号を贈られた彼は、誇りをもって受け止めている。「人々が最も多く栽培しているのはキビです」と彼は語った。

しかし2年前、極小の害虫が旺盛な食欲で地域のキビ畑を食い荒らし始め、ヒマ氏の優位は脅かされた。

「キビ穂穿孔虫」と呼ばれるこのガの幼虫は、この地域では昔から知られる厄介な害虫だ。しかし気候変動に関連した干ばつがますます頻発し、ここ数年で増殖した可能性があると、観察者らは話す。

これを受け、国際援助機関のカトリック救援サービス(CRS)が、住民も聞いたことのない解決策を提案すると、ボルゴ・ベリや周辺の村の人々は話を聞き、取り組み始めた。

1997年に始まったこの方法は、ごく簡単だ。キビ害虫の天敵である小さなハチ、Habrobracon hebetorを放し、幼虫に卵を産みつける。ハチが孵化すると、幼虫は食べられる。

キビ穂穿孔虫の脅威が高まるなか、この方法は急速に復活しつつある。このプロジェクトと、地元の非営利団体ユニオン・ハラベイン・テラ・モーリベンが主導する少なくとももう一つの事業が、ハチを繁殖させて普及させる政府の取り組みを補っている。

害虫を駆除する化学薬剤もあるが、効果が低く費用もかさむと、ニジェール植物防疫総局で昆虫研究を率いるマドゥグ・ガルバ氏は話す。

ガルバ氏によると、毎年、国内のキビ畑のうち200万ヘクタール(500万エーカー)以上がこの害虫の被害を受ける恐れがある。

Image: トムソン・ロイター財団/セバスチャン・マロ

「恐ろしい」

ヒマ氏は自慢のキビ畑を家のすぐ近くに置いている。6ヘクタールの畑は、頑丈な塀に囲まれた大きな日干しれんが造りの自宅の正面に広がる。妻2人と子ども11人の計13人が、収穫を食べて暮らしている。

ボルゴ・ベリを含むバレイヤラ県の農業責任者、サリフ・ウスマン氏によると、雨季の雨量が少なかったため、2017年は害虫にとって特に繁殖しやすい年となった。

「それがこの幼虫に、『働き始めなければ、子孫を残す準備を考えなければ』という合図を送るのです」と彼は語った。

キビの王ヒマ氏(57歳)にとって、それは恐ろしいことだった。

収穫量はキビ2,750キログラム(6,000ポンド)に達することもあったが、550キログラムに激減した。誇り高い農家の彼は、通常は隣国ベナンから輸入されるキビを一季分買うため、羊と牛をほぼすべて売らなければならなかった。

干ばつの深刻化が害虫の増殖を説明する可能性は「非常に高い」。この地域では通常、両者には関連があると、CRSの農学者アマドゥ・マハマドゥ・ラウアリ氏は話す。ただし、このテーマに関する研究があるとは知らないという。

地元当局によると、バレイヤラの降水量は1980年代以降、半減した。

Image: トムソン・ロイター財団/セバスチャン・マロ

地元の研究室

害虫が発生した2017年には、幼虫が成虫になるとガが村のあちこちで見られたと、村人たちは振り返る。

その年、別の地元作物であるモリンガまで被害に遭っていたら、「私たちは死んでいたかもしれない」と、70歳の農家アィサ・バレ・バレ氏は語った。彼女には、この害虫が最近大発生した苦い記憶がある。

食料を切り詰めなければならず、その年、彼女の9人の子どもは全員やせてしまったという。今年も同じ苦難を味わっていただろうが、51歳の隣人オウセイニ・スマナ氏のおかげで免れたと彼女は話す。

スマナ氏は笑顔を絶やさないが、今年、キビ穂穿孔虫を相手に容赦ない生物戦争を繰り広げてきた。

彼は、英国政府の資金提供を受けた「気候の極端現象と災害への強靱性・適応力の構築」プログラムのもと、CRSが研修した69人の農家の一人だ(BRACED)。

日干しれんが造りの小屋で、彼は化学者さながらの自信をもって、ペトリ皿、試験管、スイス製の折りたたみ式拡大鏡というハイテク道具を披露した。それらを使い、今年、初めてHabrobracon hebetorのハチ軍団を繁殖させた。

バレイヤラ県の農業責任者ウスマン氏によると、ニジェール当局はキビ農家にこの昆虫を無料で提供している。ただし、配送を受けるには行政手続きが必要で、届くのが遅れることもある。

Image: トムソン・ロイター財団/セバスチャン・マロ

BRACEDプロジェクトは、この村とほか20村の農家が、幼虫を食べるハチを繁殖させ、すぐに使えるジュート袋に入れて販売できるよう支援することを目指した。収入を補い、地域社会を守るためだ。

袋1つで、半径3~6マイル(5~10キロメートル)のキビ畑からキビ穂穿孔虫を駆除できる。

しかし、対象となった各村で農家への研修は一度しか行われず、他の農家に販売できるだけのハチを繁殖できた場所は一か所にとどまったと、別のCRS農学者イブラヒム・バコイエ氏は話す。

同氏によると、BRACEDは政府当局者と協力し、2017年以降、ハチ入りの袋を約1,500個配布した。その後、多国間で実施された1億8,000万ドル規模のプログラムは9月に終了した。

「それが少し問題なのです」と彼は付け加えた。「一般に、人々が何かを生み出し始めたところで、プロジェクトが終わってしまいます」

湿気の多い事務所で、ウスマン氏は、援助プログラムがいつまでも続かないことを政府は理解していると語った。しかし農家は今、「使える資源が少なくなる」と彼は話す。

これまで自分たちで使う分だけのハチを繁殖させてきたボルゴ・ベリで、スマナ氏は、キビの不調をどう治すかを自分を通じて知った地域社会に、新しい時代が始まったと感じている。

「神の思し召しがあれば、この仕事を続けます」と彼は語った。

今年の収穫を守ってキビの王ヒマ氏の王座を守ったことについて、スマナ氏は冗談めかして「彼は私に借りがあります」と語った。

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