人類が地球温暖化に与える影響を早急に減らすべき理由がもう一つある。経済に悪影響を及ぼすからだ。
環境問題がしばしばビジネスや経済成長の見通しと相反するものとして描かれる国において、リッチモンド連邦準備銀行の新たな研究は、まさにその逆であることを示している。
報告書は、「気温上昇が米国経済にもたらす影響は、従来考えられていたより広範に及ぶ可能性がある」と述べた。
リッチモンド連銀の職員2人と研究者2人からなる執筆陣は、気温上昇によって2100年までに米国の経済成長のペースが最大で3分の1鈍化する可能性があると推計している。
この研究では、気候変動に関する政府間パネルが定めた将来の温室効果ガス排出量について、3つのシナリオを適用している。
「低排出」シナリオでは、気温上昇により、2070年から2099年にかけて国内総生産(GDP)の成長率が年0.2~0.4パーセントポイント低下する。これは、過去の年間平均成長率4%の最大10%に相当する。
高排出シナリオでは、気温上昇によって成長率が最大1.2パーセントポイント低下する可能性があり、これは過去の年間平均GDP成長率のおよそ3分の1に当たる。

短期であっても経済予測は難しい。執筆陣も、将来、気温の変化に適応することで長期的な影響が和らぐ可能性があるため、推計は「慎重に解釈すべきだ」と指摘している。
それでも、「より長い期間で見れば、GDP成長率への影響は相当なものになり得る」と警鐘を鳴らしている。
産業別に見ると、生産性への影響は農業のように明らかな分野にとどまらない。「例えば、米国の自動車製造工場では、気温が90˚Fを超えると生産量が低下することが分かっている。」

保険業界も悪影響を受ける。自然災害に対する保険金の支払い増加だけが理由ではない。「高温は健康に悪影響を及ぼし、入院の増加につながる……健康状態が悪化すれば、保険会社が受ける請求も増える」と研究は述べている。




