第7回世界市長サミットが開催されたコペンハーゲンで、94都市のリーダーたちは、気候変動との闘いにおいて2020年代を決定的な10年とすることを目指し、世界的なグリーン・ニューディールを支持した。この重要な新たな取り組みは、地球温暖化を産業革命前の水準から1.5°C以内に抑え、2030年までに排出量を半減させることを約束する。
都市は気候変動との闘いにおいて極めて重要だ。問題の大きな発生源である一方で、その解決に必要な資源も備えているからだ。多くの人々が都市に暮らしており、2050年までに世界人口のほぼ70%を受け入れると予想されている。すでに世界のエネルギー需要の75%と温室効果ガス排出量の80%は、大量の資源を消費する都市拠点から生じている。したがって、気候危機へのあらゆる解決策には、低炭素で持続可能な都市の世界的ネットワークという構想が欠かせない。
C40都市は、毎年世界市長サミットを開催する国境を越えた自治体ネットワークで、環境保護に向けた加盟都市の取り組みを調整している。C40都市の住民は世界人口の12分の1を占め、その経済力は世界経済の4分の1に相当する。グローバル・グリーン・ニューディールは、C40が2005年以降進めてきた活動に中心的な理念を加え、今後数十年の議題を形づくるものだ。
気候変動対策を推進する
C40の市長たちによるこの協調行動は、各国政府の取り組みが気候危機への対応に必要な水準に届かないなか、実践的な環境政策を前進させようとするものだ。この動きは、2019年9月の国連気候行動サミットで、パリ協定が定める地球温暖化目標の達成に向けた有効な対策について、各国が合意できなかったことを受けている。
企業や市民社会、若い気候活動家を含むさまざまな主体も、世界的なグリーン・ニューディールを支持している。コペンハーゲン・サミットでは若者が大きく取り上げられ、新たなC40グローバル・ユース・イニシアチブも発表された。これは、新世代の希望と、都市が持つリーダーシップや政治的な可能性との興味深いつながりを示している。
最近出版した著書『グローバル・シティとグローバル秩序』で私は、国家が機能しなかった領域で都市が協力して行動するため、国境を越えるネットワークが提供する新たな経路を活用している様子を論じている。こうした仕組みを通じて、国家にはできない形でグリーン・ニューディールを世界規模に広げることが可能になる。過去10年間、C40は都市がそのような未来へ向かうのを後押ししてきた。コペンハーゲン・サミットに合わせて公表されたデータによると、ロンドン、ニューヨーク、アテネ、ベネチア、リスボンなど30都市では、排出量がすでにピークに達し、ネットゼロ目標に向けて前進している。
しかし、C40がグリーン・ニューディールの議題を採用したことが特に注目されるのは、今後10年以内に電力、運輸、製造業、農業からの温室効果ガス排出をなくすという野心的な目標を掲げ、過去の市場中心の新自由主義モデルとは異なる政治的ビジョンを提示している点だ。
相いれない議題
その名が示すように、グリーン・ニューディールは、1930年代の大恐慌後の米国でフランクリン・ルーズベルト大統領が進めたニューディール政策に着想を得ている。同政策は、国家による大規模な投資と経済への介入を柱としていた。C40サミットで基調講演を行った、新進気鋭の民主党政治家アレクサンドリア・オカシオ=コルテスをはじめ、多くの進歩派政治家が、こうした考えを前進への道として支持している。
グリーン・ニューディールを支持することで、都市は、そのような取り組みに賛同する兆しがほとんどない国や州と対立する可能性がある。実際、米国ではグリーン・ニューディールは共和党議員や一部の民主党議員から激しく反対されている。
これは、都市が自らの予算について、とりわけ国や州の政策に大きく左右されるという弱点を浮き彫りにする。21世紀のグリーン・ニューディールを国や州が支援する政治的意思があるかどうかは、現時点では明らかでない。そのため、C40都市がこの新たな議題に伴う約束をどのように実現するための資金を調達するのかも不透明だ。
実践的なアプローチ
気候変動に効果的に対処するための時間は限られており、実践的な措置が急務となっている。しかし、市長たちは実務家だ。現場で行動し、動きが遅く決断を先延ばしにする国や州よりも迅速に、効果的な政策を実施できる。ある都市で特定の政策や措置が効果を上げれば、都市が築いてきた世界的なネットワークを通じて、その成功を世界中にすばやく広げられる。
この先の10年間、気候変動に断固として対処するうえで、地方、国、世界という各レベルをつなぐ市長の役割と、C40のような国境を越えた都市ネットワークが持つ力は、ますます大きくなるだろう。
市長だけで地球を救うことはできない。しかし、さまざまな主体を招集し、民間投資の方向性を形づくり、特定の議題を軸に市民社会を結集させ、国連などの国際機関の活動に影響を与え、地域住民と対話し、現場で迅速に行動し、世界に広がるネットワークを通じて連帯するという、市長ならではの力がある。各国が気候変動への対応に失敗し続けるなか、世界の都市の市長たちが示すリーダーシップは、希望の光となる。




