世界の首脳が国連事務総長の気候行動サミットに集まる中、今週、今月初めにバハマを襲ったハリケーン・ドリアの被害は、島嶼国が直面する気候の現実を痛ましく思い起こさせた。
小島嶼開発途上国(SIDS)の全市民のほぼ3分の1が、海面からわずか数メートルの高さしかない地域で暮らしており、気候変動による存亡の危機はすでに現実のものとなっている。
過酷な環境や極端な気象への適応は、島嶼社会が記録に残る限り昔から続いてきた生活様式である。しかし、過去数十年における高潮、塩水の浸入、沿岸部の破壊の規模と激しさが増したことで、対処能力は著しく損なわれ、島の住民は、作物の不作、深刻な水不足、そして不確かな未来に直面している。
世界が地球の気温上昇を1.5℃以内に抑えるためには――これは制御不能な気候変動に至る最後の境界線とみなされている――、わたしたちは地球のための、強靭で持続可能な低炭素の未来というビジョンを支持しなければならない。SIDSが早くから支持してきた国連事務総長の気候行動サミットは、気候変動に関する集団的な野心の引き上げの時代を予兆するものであるべきだ。
2015年のパリ協定の一環として各国が提出した国別約束(NDC)は、排出削減に対するわたしたちの約束を測る指標として、今なお最も広く受け入れられている。パリ協定が前進の推進力であるならば、NDCはその原動力である。
現在のNDCは、各国政府がコミットした行動を全て着実に実行したとしても、地球は3.2℃の温暖化への道筋をたどることになる。したがって、より大きな野心が必要である。
2015年以降、多くの島嶼国を含む各国政府は、排出削減と気候変動の影響への強靭性向上に向けて大胆な措置を講じてきた。NDCがその潜在能力を十分に発揮するためには、野心的であり続けなければならない。さらに望ましいのは、わたしたちがそれらに対する集団的な野心を引き上げることだ。
モルディブは、他のSIDSとともに、島嶼国が大胆なNDC計画の実施に貢献するための包括的アプローチを、サミットで強く提唱した。
モルディブが多数の島嶼国を代表して主導する「気候スマート強靭島嶼(CSRI)」イニシアチブは、より環境に配慮した交通と接続性の実現、革新的で持続可能な漁業と農業の実践による食料安全保障の強化、グリーン観光への投資、そして今後のインフラ投資すべてに対する気候変動対策の組み込みに取り組む。
国連開発計画(UNDP)は、「気候の約束(Climate Promise)」の一環として、100か国への支援を拡大し、2020年までに各国の気候公約を加速させるとともに、今後10年間で気候行動のために追加で30億ドルを動員しようとしている。
気候行動への投資には強力な根拠がある。適応に費やされた1ドルごとに、回避された被害の面で4倍の見返りをもたらす。一方、アジアでは今後10年間に新たな公共インフラへの投資が急増するため、従来型の排出パターンの次の世代に固定されることを避けるべく、よりグリーンな経済への投資を行わなければならない。
地球の未来が政治的な優柔不断の犠牲になってはならない。すべての国は、規模の大小を問わず、決定的な行動に向けた揺るぎない政治的コミットメントを約束しなければならない。




