荒廃から緑豊かな場所へ:持続可能性を選ぶ米国の刑務所

People attend a protest march to shut down Rikers Island prison in the Queens borough of New York, U.S., September 24, 2016. REUTERS/Bria Webb - S1AEUDFVPEAA
A number of green infrastructure projects could replace New York's notoriously overcrowded jail on Rikers Island, set to close by 2026Image: REUTERS/Bria Webb
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  • 絶望の場所から希望の場所へ。ニューヨークで悪名高いライカーズ島の刑務所は、環境に配慮したインフラ事業に置き換えられる可能性がある。

  • 将来の利用案としては、近隣のラガーディア空港を拡張する案もある。

ニューヨーク市には、現代ではほとんど前例のない機会が訪れている。ロンドンのハイドパークより広い島をどうするか決める機会だ。

市は10月、ライカーズ島にある悪名高い過密で暴力が絶えない刑務所を2026年までに閉鎖することを決議した。これまでに、設計上の収容人数の2倍を超える受刑者を収容したこともある。

島の将来をめぐって最も注目を集めているのは、環境配慮型の産業利用だ。太陽光発電所、近代化された廃水処理施設、有機廃棄物を燃料に変える工場などを備えた再生可能エネルギー拠点が構想されている。

「島を環境配慮型インフラの拠点にしようという機運が高まっています」と、ニューヨークを拠点とする都市研究団体、地域計画協会で住宅・近隣計画担当副会長を務めるモーゼス・ゲイツ氏は語った。

「これは素晴らしい機会で、そうそう巡ってくるものではありません」と、同氏はトムソン・ロイター財団に語った。

大部分が埋め立て地で、市のラガーディア空港からわずか数百フィートの場所にあるライカーズ島へは、刑務所で用事のある人だけが通れる橋を渡って行くことができる。

橋の入口はニューヨーク市クイーンズ区の工業地帯にあり、そこには解体業者のヤード、ごみが散乱する空き地、放置されたトラック用コンテナ、バスの駐車場、築80年の廃水処理施設が並ぶ。

こうした状況を踏まえ、島の行方を決める権限を持つ市議会は、3つの法案を検討している。

1つは、島の管轄を矯正局から市環境保護局へ移すものだ。残る2つは、再生可能エネルギーと蓄電池の導入能力、および他の施設から受け入れられる廃水の量を調査するよう求めている。

夏に法案を提出した市議会議員のコスタ・コンスタンティニデス氏は、選挙区にライカーズ島を含む同島について、「多くのニューヨーカーにとって絶望の場所です」と述べた。

「この法案は、島の明るい未来への頭金です。ニューヨークの地域社会を引き裂くのではなく、実際に役立つ未来です」と同氏は語った。

Image: REUTERS/Shannon Stapleton

荒廃から緑豊かな場所へ

環境保護活動家らは、ライカーズ島を環境に配慮した形で利用すれば、市が2030年までに太陽光発電容量を少なくとも1,000メガワットにする目標の達成に役立つと指摘する。ニューヨーク市当局によると、これは25万世帯以上に電力を供給できる規模だ。

一方、ニューヨーク州は、2030年までに電力の70%を再生可能エネルギー源から発電し、2040年までに地球温暖化を促す温室効果ガスを排出しない電源で電力のすべてを賄うことを目指している。

「荒廃して、おそらく灰色や黒だったものを、光と緑の可能性を大いに秘めたものへと変えるのです」と、公民権団体ニューヨーク・ロイヤーズ・フォー・ザ・パブリック・インタレストの上級弁護士メリッサ・アイアカン氏は語った。

同氏はさらに、これらの提案によって「文字どおり有毒」な島を生まれ変わらせ、「化石燃料への依存を断ち、島の歴史を恐怖とトラウマだけのものから、可能性ときれいな空気、持続可能性のあるものへと変える」ことができると述べた。

島を環境配慮型の産業用途に使う案を支持する人々によると、ライカーズ島に廃水処理施設を開設すれば、他の場所にある古く時代遅れの施設を閉鎖できる可能性もある。

不確かな未来

都市計画家によると、島に住宅を建設する案も出ているが、障害があり、実現は難しい。

市議会のコンスタンティニデス氏によると、空港を発着する航空機のため、島には建物の高さ制限がある。また、島の埋め立て地では有機物が分解され、メタンガスが発生している。

最寄りの地下鉄駅が1マイル以上離れていることも、交通上の障壁だ。

島の将来の可能性を調査してきた建築事務所、カーティス+ギンズバーグの建築家マーク・ギンズバーグ氏は、「ライカーズ島まで何らかの大量輸送機関を延伸しなければ、人口密度の高い都市環境をつくる意味はあまりありません」と語った。

別の都市計画家らは、近隣の島にラガーディア空港を拡張する案を提案している。

滑走路をもう1本増設すれば、より大型で長距離を飛ぶ航空機が空港を利用できるようになるが、この案への市民の支持はほとんど得られていない。

見過ごしてはならないのは、1930年代以降、島がどのような場所だったかを認識することだと、刑務所・拘置所の収容者数削減を目指す団体ジャスト・リーダーシップUSAのニューヨーク市キャンペーン担当コーディネーター、ブランドン・ホームズ氏は語った。

市当局によると、裁判を待つか、1年未満の刑に服している人が大半を占めるライカーズ島の刑務所は、慢性的な暴力、過密状態、老朽化した施設に悩まされていた。市は閉鎖を決議した。

10月に承認された市の87億ドルの計画では、ライカーズ島の刑務所を閉鎖し、別の場所により小規模な刑務所を4カ所建設する。

ホームズ氏によると、ライカーズ島の将来に向けた目標の1つは、刑務所施設があったことを忘れず、「市がここを白紙の状態だと見なさないようにする」ことだ。

「私たちが望むのは、この島が二度と人々より利益を優先するために使われず、すべてのニューヨーカーの未来を大切にし、そこに投資する場所になることです。」

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