ハリケーン・イアンはキューバの電力網を破壊し、現在、フロリダ州で200万人が停電に見舞われている。
プエルトリコのように電力網が脆弱な地域は、ハリケーンに襲われると特に大きな被害を受ける。
日照に恵まれた被災地にとって、太陽エネルギーはレジリエンスを高める持続可能な解決策となる。
ハリケーン、洪水、山火事、熱波などの異常気象は、気候変動により、その強度、頻度、継続期間が増している。近ごろ、カリブ海地域と北米では破壊的な嵐が相次いでおり、最新の報道によると、ハリケーン・イアンがキューバの電力網を破壊した後、フロリダ州で200万人が停電に見舞われた。
まずプエルトリコに甚大な被害をもたらし、その後、大西洋に面するカナダの沿岸を襲ったハリケーン・フィオナの事例は異例だ。嵐がこれほど北まで高い風速を保つことは通常ない。この事例は、海水温の上昇と嵐の強度の増大との関連を浮き彫りにしている。
プエルトリコ自治領を含め、こうした現象のリスクが最も高い国や地域は、重要インフラが脆弱なため、効果的な対応に必要な備えが最も不足していることが多い。広範囲に及ぶ長期停電は人命を危険にさらし、システムの脆弱性を露呈させる。自然災害へのレジリエンスを高めることは、人々を守るために必要なだけでなく、気候変動の緩和に役立つ持続可能な解決策を見いだす機会でもある。
米国では、2000年から2021年までに報告された大規模停電の約83%が気象関連の事象に起因していた。米国史上最大の停電であり、世界でも2番目に大きかった停電は、2017年にハリケーン・マリアによって引き起こされた。この災害は、米国自治領プエルトリコを含むカリブ海北東部に甚大な被害をもたらした。
ハリケーンはプエルトリコにどのような影響を及ぼしたのか?
マリアによる壊滅的な影響は、人口約300万人のプエルトリコで今も続いている。AP通信によると、2017年9月にマリアが襲来して以来、政府が完了したのは「ハリケーン後の公式プロジェクト5,500件以上のうち21%にすぎず、島内78自治体のうち7自治体では、プロジェクトが一つも始まっていないと報告されている」。
2022年9月18日、ほぼちょうど5年後、ハリケーン・フィオナが苦境にある島を襲い、すでに弱体化し老朽化していた電力インフラにさらなる打撃を与えた。米国エネルギー省によると、自治領では最初の24時間に約顧客137万件の停電が発生した(全顧客の93%)。約10日後も、島では約49万1,000件の停電が続いていた(顧客の33%)。
この島で停電は珍しいことではない。プエルトリコのエネルギー供給を担う民営化されたばかりのLUMA Energyは、慢性的な停電や料金値上げをめぐって広く批判され、それが抗議活動につながっている。プエルトリコは、気候変動の影響に耐え、化石燃料への依存を減らせる、信頼性が高く手頃な電力を切実に必要としている。
太陽エネルギー事業がレジリエンスと復興を支える
幸い、プエルトリコは再生可能エネルギーへの移行に適した環境にあり、とりわけ年間を通じて日照に恵まれているため、太陽エネルギーの導入に適している。島では、地域団体やNGOが人々の太陽光発電利用を支援する事例が数多くある。
カサ・プエブロはプエルトリコのクリーンエネルギー革命を主導し、1999年から太陽光発電で運営している。この環境団体は、設置した太陽光発電システムは数百に上り、フィオナ襲来時にも人々は非常用電力を確保できた。あるケースでは、家族が娘の命を救う透析治療を続けることができた。同団体の目標は、島のエネルギー容量の50%を太陽光発電で賄うことだ。また、2018年以降、数十人の女性を訓練し、太陽光パネルの設置を担ってもらうことで、公平な復興も支援している。
ソーラー・レスポンダーズも、明確な使命を掲げる非営利団体だ。その使命は「初動対応者に電力がないために命が失われることのないようにする」こと。ハリケーン・マリアの後に設立され、消防署に太陽光発電設備と蓄電ソリューションを提供している。災害対応が依然として課題であり、電力網も脆弱であることを踏まえ、これまでに19の消防署へ太陽光発電ソリューションを提供し、太陽光発電量260kWh、バックアップ電力1,000時間以上を実現し、33万5,000人にサービスを提供してきた。
米国を拠点とするフットプリント・プロジェクトは、災害に環境に配慮したソリューションで対応することに注力している。移動式太陽光発電を提供し、初動対応者が電力を確保して支援を必要とする人々を助けられるようにしている。2020年1月には、一連の地震が島を襲った後、救援活動を支援するために太陽光発電機を配備した。クリーンエネルギーにより、対応者は重要な機器、通信機器、照明に電力を供給し、充電することができた。
島初の電力協同組合であるCooperativa Hidroeléctrica de la Montañaは、地元企業やコミュニティセンターの屋上に太陽光発電システムを数百基設置する計画を掲げる太陽光発電事業を運営している。協同組合モデルを通じて、同団体は地域の低所得者層や、しばしば社会から取り残されている人々を支援する独自の立場にある。こうした地域で再生可能エネルギー事業を開発することについて、同協同組合のエグゼクティブ・ディレクター、C.P.スミスは次のように述べている。
「脆弱で資源の乏しい幅広いコミュニティが再生可能エネルギー事業を利用できるようにするには、関係者それぞれが、事業の開発を加速させるために果たすべき役割を理解する必要があります。政府やNGOは、設備を丸ごと寄付するのではなく、設備費用を引き下げ、地域に独自の資金がほとんどなくても事業全体の費用を負担できるようにする役割を担うべきです。」
これらの事例は、災害対応と持続可能な代替策の両面で、クリーンエネルギーのソリューションを活用できることを示している。しかし現状では、こうした事業を推進する主な担い手は非営利団体だ。
プエルトリコから何を学べるだろうか?
バイデン政権は、ハリケーン・フィオナへの対応として続く救援活動を支援するため、プエルトリコへの継続的な支援を表明した。緊急対応の支援から電力復旧の迅速化、長期的な気候レジリエンスへの投資までを含む支援だ。しかし、地域社会の再建と持続可能な解決策への投資を支えるには、政府やNGOによるさらなる支援が明らかに必要だ。
太陽エネルギーは、化石燃料に依存する不安定で時代遅れのインフラを抱えるプエルトリコのような場所にとって、まさに命綱となり得る。政府と民間部門は協力して、実用的なクリーンエネルギーを大規模に普及させることができる。電気を絶やさないことだけでなく、持続可能な開発目標7、すなわち、すべての人が手頃で信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーを利用する権利の実現に向け、迅速に取り組むことでもある。


