アヒルがバングラデシュの農家のサイクロン対策にどう役立っているのか

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毎年、熱帯サイクロンによる洪水と強風がバングラデシュの沿岸地域に大きな被害をもたらす。作物は台無しになり、家屋は破壊され、家畜は海へ流され、すでに貧困に苦しむ人々の収入が失われる。

しかし農家は、嵐を乗り切る新たな方法を試している。その一つが、ニワトリの代わりにアヒルを飼育することだ。アヒルは飛ぶことも泳ぐこともできるため、生き延びる可能性が高いという考えに基づいている。

サイクロンや洪水への対処は目新しいことではないが、バングラデシュは気候変動の影響を特に受けやすい国の一つだ。気候変動によって異常気象は激しさを増し、発生する可能性も高まっている。

Image: 赤十字

悪循環を断ち切る

1991年、史上最悪級の熱帯サイクロンの一つが、バングラデシュ南東部のチッタゴン地域を襲い、13万5,000人以上が死亡し、推定1,000万人が住む家を失った。連携した警報システムがなかったため、多くの人々は迫り来る嵐への備えが不十分だった。

2017年に世界で災害により避難を余儀なくされた人の数―事象別(千人単位)

Image: Statista

2017年、サイクロン・モラによりバングラデシュで47万8,000人が避難し、同年のモンスーンの雨でも同程度の人々が住む家を失った。

サイクロンは驚くほど頻繁に人々の命と暮らしを破壊する。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究者、赤十字、そしてそのパートナーであるバングラデシュ赤新月社は、この悪循環を断ち切ろうと取り組んできた。

二重の効果

村人にサイクロン接近時の備え方を教えるだけでなく、赤十字の取り組みは、サイクロンの被害を受けにくい新たな収入源を広め、家族の収入を増やすことも目指した。

脆弱性からレジリエンスへ(V2R)プログラムは2013年から2016年まで実施され、村人が持続可能な生計を築き、災害リスクを減らすのを支援した。このプログラムは、住民の過半数が貧困状態にある地域で、最も貧しい人々に助成金を提供した。

農家がニワトリをアヒルに替える費用に加え、助成金は農場や村の商店のような小規模事業の立ち上げも支援した。

脆弱な立場にある人々に有給の仕事を生み出すことで、家族の収入が増え、村道や洪水防止堤、飲料水用の池の修復と改善にもつながった。

プロジェクト開始時、参加した家族のほぼ3分の1は月収が40ドル未満だった。3年後には、ほぼ全世帯の月収が65ドルとなり、半数以上の世帯が50ドルから200ドルの収入を得ていた。

トイレ設備の改善と衛生教育により健康状態が向上し、下痢などの水系感染症の撲滅にも役立った。

新設された高所井戸は、洪水時に飲料水が汚染されるのを防ぎ、村人(大半は女性)が水をくみに遠くまで歩く負担も軽減した。水を求めて長距離を歩かずに済むことで生まれた時間は、新たに生まれた仕事や小規模事業に充てることができた。

Image: 赤十字

赤十字のプロジェクトは、各村に地域の災害管理委員会を設立する支援も行った。委員会のメンバーは、さまざまな危険への対応計画の立て方、応急手当の実施、捜索・救助活動の進め方を学んだ。

2016年にサイクロン・ロアヌがバングラデシュ沿岸部を襲い、危険な強風や洪水、土砂崩れをもたらした。一部の農場は浸水したものの、新設された高所井戸によって安全な飲料水が確保され、村人は頼りになる別の収入源も持っていた。

早期警報システムが迫り来る危険を村人に知らせ、当局は50万人を安全な避難所へ避難させた。

プロジェクトに参加した村では、死者は報告されなかった。

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