グリーンスチールとは何か、なぜ世界はその生産を増やす必要があるのか?

Green steel is the manufacturing of steel without the use of fossil fuels.
Green steel is the manufacturing of steel without the use of fossil fuels.Image: Unsplash/Bryan Goff
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  • 鉄鋼製造は、他のどの重工業よりも多くのCO2を排出し、世界全体の排出量の約8%を占めています。

  • 鉄鋼生産を石炭燃焼炉から、電力または水素で稼働する炉へ移行する取り組みが進められています。

  • しかし、グリーンスチールの生産には多額の費用がかかり、ネットゼロ目標の達成に向けて、業界は生産を急速に拡大する必要があります。

世界各国が都市やインフラの建設・拡張を進める中、どの国もあるものを大量に必要としています。それは鉄鋼です。

鉄鋼は今日、世界で最も広く使われている金属であり、自動車、航空機、船舶から洗濯機や家庭用品まで、私たちの日常生活のさまざまな場面で使われています。

各国政府や産業界が野心的なネットゼロ目標の達成に向けて炭素排出量の削減を目指す中、鉄鋼が注目を集めています。鉄鋼の約75%は今も主に石炭を燃料とする高炉で生産されており、大量の二酸化炭素を大気中に排出しています。

炉を1,000℃以上に加熱するには、膨大なエネルギーも必要です。全体として、鉄鋼生産は世界の排出量の約8%を占めています。

グリーンスチールの製造など、環境に配慮した取り組みによって、重工業からのCO2排出量を削減できます。Image: IEA

したがって、最大級の産業由来CO2排出源の一つをクリーン化することが、気候変動への対処に不可欠なのは明らかです。国際エネルギー機関(IEA)によると、世界の気候目標を達成するには、鉄鋼からの排出量を2050年までに50%削減し、その後も減らし続けなければなりません。国際エネルギー機関(IEA)。

では、どうすれば実現できるのでしょうか。グリーンスチールが解決策だと考える人もいます。

グリーンスチールとは?

基本的に、グリーンスチールとは化石燃料を使わずに製造された鉄鋼のことです。

いわゆる「グリーン水素」は、鉄鋼業界のカーボンフットプリント削減に役立つ解決策の一つです。

「水素は燃焼しても水しか排出しません。水と再生可能電力だけを使った電気分解で水素を製造すれば、CO₂排出量は完全にゼロです」と、三菱重工グループ(MHI)は述べています。MHIによれば、化石燃料を使い、炭素回収・利用・貯留(CCUS)技術を用いて製造した水素も、低炭素にできます。これは「ブルー水素」と呼ばれます。

電気アーク炉も選択肢の一つです。こうした炉は従来型の炉に徐々に取って代わりつつありますが、常に再生可能エネルギーで稼働するとは限らないため、そこで生産される鉄鋼が必ずしもグリーンとは限りません。

なぜすべての鉄鋼をグリーンにできないのか?

世界最大級のメーカーの中には、電気炉の利用を増やしてカーボンフットプリントを削減する計画を立てている企業もあります。しかし、NGOのグローバル・エナジー・モニターによる報告書によると、従来型の高炉から電気アーク炉への移行は「停滞」しており、脱炭素化目標に大きく遅れています。

報告書によると、現在の製鉄能力の31%は電気炉を使用していますが、建設中の設備ではその技術を使用する能力は28%にとどまります。報告書の著者ケイトリン・スウェイルク氏は、「石炭を使う高炉設備への投資をやめ、電気アーク炉による製鉄への移行を加速する必要があります」と述べました。

水素を使う解決策にも障壁があります。MHIの技術担当者は、「グリーンスチールの本当の障壁は、低炭素水素の供給に尽きます」と述べています。

「この技術を大規模に展開するには、グリーン水素またはブルー水素が大量に必要になります。」

グリーンスチールの本当の障壁は、低炭素水素の供給に尽きます。ブルー水素とグリーン水素は、CO2排出量の削減や排除に役立ちます。Image: Gasunie

グリーンスチールのコスト

つまり、クリーンな水素を大規模に生産するには、再生可能エネルギーによる発電に数十億ドルの投資が必要です。

それでも、水素は2050年までのネットゼロ排出達成を目指すEUの野心にとって、重要な要素であり続けています。EUのREPowerEU計画は、2030年までに再生可能水素の利用を大幅に拡大する目標を掲げています。

欧州最大の鉄鋼メーカー、アルセロール・ミッタルはフィナンシャル・タイムズ紙に対し、EUの目標に沿って欧州大陸での事業を脱炭素化するには、最大400億ドルかかる可能性があると述べました。

中国も2060年までにカーボンニュートラルを達成することを約束しており、そのためには、同国のCO2排出量の3分の1を占める鉄鋼工場からの排出削減が必要になります。中国は現在、世界の鉄鋼の半分を生産しています。

中国の鉄鋼生産量は、世界のその他の国々を合わせた量を上回ります。Image: World Steel

ネットゼロへの道筋

国際エネルギー機関(IEA)によると、世界で最も豊かなG7諸国は、各国政府が今後5年間に適切な政策を実施すれば、カーボンニュートラルを達成できます。IEAは新たな報告書で、G7諸国は、排出量を大幅に削減する移行期の技術の活用を認める必要があると述べています。たとえそれらの技術がゼロ排出と見なされないとしてもです。

「今後の道筋を定め、気候中立を実現するうえで、この10年間は重要です。鉄鋼やセメントのように、排出量が多く削減が難しい分野では特に、生産方法を根本的に転換しなければなりません」と、ドイツ連邦経済・気候保護相のロベルト・ハーベック氏は述べました。

鉄鋼などの産業部門の脱炭素化に取り組む世界的なイニシアチブの一つが、世界経済フォーラムの「ファースト・ムーバーズ・コアリション」です。今年ダボスで開催されたフォーラム年次総会で、同コアリションは参加拡大を発表しました。現在、55社と9カ国が、必要とする工業用素材や輸送サービスの一定割合を、ほぼゼロまたはゼロ炭素のソリューションを用いる供給業者から調達することを約束しています。

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