地球の気温が1.5℃のしきい値を超える可能性は高まっていると、科学者らは指摘しています。
今後5年間、北極圏は地球の他の地域よりも気候変動の影響を強く受けるでしょう。
排出量を実質ゼロにすることが極めて重要だと、専門家らは述べています。
英国気象庁の科学者らによる新たな予測によると、産業革命前の水準を1.5℃上回るしきい値を地球の気温が超える可能性は高まっています。この水準を超えると、地球の生態系に不可逆的な損害が生じ、人間、動物、植物に壊滅的な影響が及ぶ可能性が高まります。
急速に進む地球温暖化
今後5年間のいずれかの年に、地球の気温が1.5℃上昇する確率は50%に高まりました。2020年の20%、昨年の40%から上昇したと、ガーディアン紙が報じました。2015年には、そのような事態が起きるとの予測はありませんでした。同年、世界の平均気温は初めて、19世紀半ばに測定された水準を1℃上回ったと、BBCニュースが報じました。昨年の世界平均気温は、1850年から1900年に記録された気温より1.1℃高くなりました。
「1.5℃という数字は、何の根拠もない統計ではありません。気候変動の影響が人々、ひいては地球全体にとってますます有害になる転換点を示す指標です」と、新たな報告書を発表した世界気象機関のペッテリ・ターラス事務局長は述べたと、ガーディアン紙が報じました。
また、2026年までに、観測史上最も暑かった年の記録である2016年の記録が更新される確率は93%です。
「私たちが温室効果ガスを排出し続ける限り、気温は上昇し続けます」と、ターラス氏は述べたと、BBCニュースが報じました。「それに伴い、海洋はさらに暖かく酸性化し、海氷や氷河は融け続け、海面は上昇し、異常気象はさらに激しくなるでしょう。」
「気候危機」が悪化し続けるなか、今後5年間の平均気温は、ほぼ確実にその前の5年間を上回るでしょう。
「1.5℃を上回る年が1年あったとしても、それはパリ協定が掲げる象徴的なしきい値を超えたことを意味するわけではありません。しかし、1.5℃を長期間にわたって超える状況に、刻一刻と近づいていることを示しています」と、英国気象庁のレオン・ハーマンソン博士は述べたと、フランス24が報じました。
科学者らによると、今後5年間、地球温暖化の影響は地球の他の地域よりも北極圏に強く及ぶ可能性があります。そこでの気温と過去の平均気温との差は、他の地域の3倍になるでしょうと、BBCニュースが報じました。
「北極圏の温暖化は不均衡なほど大きく、北極圏で起きることは私たち全員に影響します」と、ターラス氏は述べたと、フランス24が報じました。
今年の降水量予測も懸念されます。南西ヨーロッパと北米では乾燥が進む一方、オーストラリア、北ヨーロッパ、ブラジル北東部、アフリカのサヘル地域では、降水量が増えると予測されています。
「1.5℃のしきい値を、たとえ1年だけでも超える可能性があることは懸念されます」と、メルボルン大学のアンドリュー・キング博士は述べたと、ガーディアン紙が報じました。「温室効果ガスの排出量は依然として過去最高に近い水準です。排出量を実質ゼロにしない限り、地球温暖化は続きます。排出量を迅速かつ大幅に削減することが急務です。」




