136か国が、企業に最低税率15%の納税を義務付けることを目指す協定に署名した。
世界最低税率を支持する国々は、合わせて世界経済の90%超を占める。
交渉を主導したOECDは、最低税率によって世界の税収が年間1,500億ドル増えると推計している。
大企業に最低税率15%の納税を義務付け、課税逃れを困難にする世界協定に136か国が合意したと、経済協力開発機構(OECD)は金曜日に発表した。
OECDによると、ケニア、ナイジェリア、パキスタン、スリランカの4か国はまだ協定に参加していないが、協定を支持する国々は合わせて世界経済の90%超を占める。
協定の主なポイントは以下の通り。
なぜ世界共通の最低税率が必要なのか?
新型コロナウイルス危機後、各国の財政が逼迫するなか、多くの政府はこれまで以上に、多国籍企業が販売先にかかわらず利益と税収を低税率国へ移すことを抑えようとしている。
医薬品の特許、ソフトウェア、知的財産権の使用料といった無形資産からの収入が、こうした国・地域へますます移転され、企業は従来の本拠国でより高い税を支払わずに済むようになっている。
世界共通の最低税率をはじめとする規定は、外国投資を誘致するために各国政府が何十年にもわたり続けてきた税率競争に終止符を打つことを目指す。
世界最低税率の協定はどのように機能するのか?
世界最低税率は、世界全体の売上高が7億5,000万ユーロ(8億6,800万ドル)の多国籍企業の海外利益に適用される。
各国政府は引き続き、国内の法人税率を自由に設定できる。ただし、企業が特定の国でより低い税率を支払う場合、本拠国の政府は税額を15%の最低税率まで「上乗せ」できるため、利益を移転する利点はなくなる。
改革の第2の柱では、収益が生じた国が、最大手の多国籍企業のいわゆる超過利益の25%に課税できるようになる。超過利益とは、収益の10%を超える利益と定義される。
今後の見通しは?
世界最低税率の技術的な詳細について合意した後、次の段階では主要20か国・地域(G20)の財務相が協定を正式に承認し、10月末の首脳会議でG20首脳が採択する道筋をつける。
それでも、米国の立場には疑問が残る。その一部は、バイデン政権が米議会で成立を目指す国内税制改革に左右される。
この協定は、2023年までに発効できるよう、各国に2022年中の法制化を求めている。これまでの国際税制協定の実施には何年もかかったことを考えると、極めて厳しい日程だ。
近年、国内でデジタルサービス税を導入した国は、これを撤廃しなければならない。
経済への影響は?
交渉を主導したOECDは、最低税率によって世界の税収が年間1,500億ドル増えると推計している。
現在、低税率国で計上されている利益のうち1,250億ドル超について、課税権が利益の生じた国へ追加的に移される。
経済学者は、この世界最低税率協定によって多国籍企業が本社所在国へ資本を還流させ、その国の経済が押し上げられると予想している。
ただし、協定に盛り込まれたさまざまな控除や例外規定は、欧州事業の拠点を置く米国企業が多いアイルランドのような低税率国への影響を抑えることも意図している。




