世界メタン誓約:排出削減を進めている国は?

Methane has over 80 times the warming power of carbon dioxide.
Methane has over 80 times the warming power of carbon dioxide.Image: Unsplash.
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  • 世界メタン誓約は、世界のメタン排出量を2030年までに2020年比で少なくとも30%削減することを目指し、COP26で発表されました。

  • 主要国は重要な誓約を掲げていますが、必要なのは実行可能で執行力のある措置です。

  • 11月のCOP29を前に、世界のメタン削減を後押しするには国際協力が不可欠です。

深刻化する気候危機に世界が直面するなか、メタンは重要な対策課題として浮上しています。AIを使って生の衛星データをテラバイト単位で処理できる地球観測技術により、世界各地のメタン排出の規模が明らかになり、その地球に及ぼす壊滅的な影響も浮き彫りになりました。大気中に放出されてから最初の20年間で、メタンの温暖化作用は二酸化炭素の80倍を超えます。

COP26で、世界メタン誓約(GMP)は、この強力な温室効果ガス(GHG)に対処する手段として発表されました。世界のメタン排出量を少なくとも2030年までに2020年比で30%削減することを目指しています。しかし、誓約を掲げることと、それを守ることは別です。今年後半にアゼルバイジャンでCOP29が開かれるにあたり、私たちは誰が約束を守っているのかを問わなければなりません。

メタン排出削減の課題

COP28では、複数の国がメタンに関する重要な誓約を掲げました。米国は、石油・ガス事業からのメタン排出量を、将来の予測水準を基準に約80%削減することを目指す規則を導入すると表明しました。EUは初のメタン規制を採択し、国内生産と輸入の化石燃料の双方に厳格な基準を設けました。これには、2030年までのメタン輸入基準も含まれます。カナダは、上流の石油・ガス部門におけるメタン排出量を、2030年までに2012年比で75%削減すると約束しました。

こうした大幅なメタン削減を実現し、意欲的な誓約を守る道のりには、多くの障害があります。クリーン・エア・タスクフォースの報告書によると、ハイレベルの誓約は不可欠ですが、費用の見積もりがない政治的マニフェストのように、実際に削減を実現するための詳細な計画を伴わないことが少なくありません。多くの国では、目標を掲げることと実行することの隔たりが明らかです。意欲的な目標が、まだ執行可能な措置に結びついていません。

進展を遂げている国は?

ブラジルは、石油・ガス部門のメタン削減に向けた指針を定め、2025年末までに規制を導入する見通しです。エジプトも同様の状況にあり、国内のメタン規制を2024年末までに策定する計画です。しかし、いずれの国でも、依然として計画段階にとどまっています。

一方、具体的な進展を遂げた国もあります。EUは、私たちKayrrosを含む複数のパートナーから支援を受け、協議を重ねたうえで、包括的なメタン規制を導入しました。この規制には、国内生産と輸入の化石燃料の双方を対象とする監視と削減措置、義務的な漏えい検査、ガス放出とフレアリングの禁止が含まれます。EUの先進的な取り組みは、大幅な排出削減につながる規制枠組みの優れたモデルです。

ナイジェリアも、ナイジェリア・ガス・フレア商業化プログラ​​ム(NGFCP)を通じて大きく前進しました。同プログラムは、国内のガスフレア量の半分超を回収することを目指しています。また、メタン削減を優先し、指針の確実な執行を図る国家的な取り組みの重要性を改めて示しています。

どこで進展を改善できるか?

メタンの削減は明らかに重要ですが、他の温室効果ガス削減策と比べて、比較的容易かつ低コストで実施できます。多くのメタン削減技術は費用対効果が高く、迅速に導入できるため、気候変動対策の「すぐに得られる成果」となります。たとえば、石油・ガスインフラの漏えいを修理し、本来なら燃焼処理されるガスを回収すれば、投資を速やかに回収しながら大気への排出を大幅に減らせます。こうした対策は、利用可能な気候変動対策のなかでも特に費用対効果が高く、回収したガスの販売で費用を賄える場合も少なくありません。

メタン排出は比較的容易に特定し削減できますが、全体の状況は依然として懸念されます。主要なメタン排出国の多くは、誓約の達成に至っていません。

同じく憂慮すべきなのは、メタン排出量の大幅な過少報告です。特に石油・ガス部門で広く見られます。私たちの最近のモデル分析では、石油・ガス生産者が報告した値よりも、メタン排出強度が16.1倍大きいことが示されました。これは、誓約が書面上だけでなく実際に守られていることを確かめるために、自己申告ではなく客観的データに基づく透明性の高い監視体制が重要であることを示しています。

国際協力が不可欠な理由

地球温暖化を抑えるという世界共通の目標のために、党派的な利害を脇に置くことが極めて重要です。米国と中国はここで模範を示しており、メタン削減の取り組みをめぐる対話を始めたことは評価されるべきです。世界銀行が多額の資金を投じて立ち上げた「世界フレアリング・メタン削減パートナーシップ」のような取り組みも重要です。開発途上国のメタン削減を支援することを目指しています。地球観測技術は、国家や地域の利害に左右されない客観的な第三者の情報源であるため、こうした取り組みに情報を提供するうえで不可欠です。世界銀行の「世界ガスフレアリング追跡報告書2024」は、主に地球観測データに基づき、今年のガスフレアリング量が増加し、石油生産量の増加がわずか1%だったにもかかわらず、2022年比で7%増えたことを示しています。

COP29が近づくなか、すべての国はメタン削減目標の達成に向けて取り組みを強化しなければなりません。地球観測データによって、メタン排出の最大の原因となっている主体が明らかになりました。削減の誓約は掲げられ、今こそ行動に移すときです。そのためには、意欲的な目標を設定し、達成に向けた詳細で執行力のある計画を策定する必要があります。成果を祝うとともに、世界的な誓約を結果に結びつけるために必要な取り組みにも目を向けなければなりません。継続的な努力、強固な政策、国際協力を通じてこそ、GMPが掲げる重要な目標を達成し、世界のメタン排出に有意義な影響をもたらすことができます。

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