過去7日間の主な環境ニュースを、週刊まとめでお届けします。
主なニュース:気候変動でホッキョクグマが食べ物をあさるように。欧州では熱波と山火事の代償が拡大。オーストラリアでは動物の絶滅が他のどこよりも速く進行。
1. 速報:今週読むべき環境・気候変動の主なニュース
ニューヨーク市からラスベガスまで、米国の約1億人に今週、熱波警報が発令された。気温は華氏100度(摂氏38度)を大きく上回り、気候変動によって悪化した異常気象の傾向の一環となった。米北東部の複数の都市では日曜日に日ごとの気温記録を更新した。
これは、米国大統領のジョー・バイデン氏が気候変動は緊急事態だと述べたものの、正式な宣言には至らず、控えめな一連の行政措置を発表し、より積極的な取り組みを約束した時期と重なる。
中国では、東から西まで、来週さらに多くの熱波が予想されている。沿岸部の一部都市ではすでに最高レベルの警戒態勢が敷かれ、内陸部では氷河融解によるダム決壊の危険性が警告されている。太陰暦に基づく中国の暦では、7月24日(土)は「大暑」にあたった。新疆ウイグル自治区は、鉄砲水や土砂崩れ、農業への被害リスクについて警告した。
チリ企業が製造した電気バスが、世界最大の銅生産国で運行を開始した。同国は、化石燃料の使用を減らし、環境目標を達成する方法を模索している。
教皇フランシスコは7月21日、気候変動、異常気象、生物多様性の損失に由来する地球の「苦痛の叫びの合唱」に耳を傾けるよう、世界の指導者たちに呼びかけた。「被造物を大切にするための世界祈願日」に寄せたメッセージで、戦争や健康危機など世界的な課題と同じ注意を払って気候変動に立ち向かうよう各国に求め、地球温暖化は貧困層や先住民に最も大きな打撃を与えると述べた。
英国の気候変動担当特使は7月21日、ウクライナでの戦争は長期的には、欧州のエネルギーを化石燃料から再生可能エネルギーへと転換する動きを加速させると述べた。一方で、ロシア産ガスの供給減少を補うため、今後数カ月は各国が石炭の燃焼を増やすことにもつながる。
新たな評価では、世界のトラの数は従来考えられていたよりも40%多い可能性があることが分かった。
2. 欧州の熱波がもたらす代償
緊急対応当局は、7月20日、大規模な避難が行われるなか、南欧の広域で発生した山火事への対応に追われた。英国で観測史上最も暑い日を記録した後、ロンドンでは気候変動対策を強化する必要があるとの警告が出された。
ロンドン消防隊は第二次世界大戦以降で最も多忙な一日を経験した。7月19日、気温が初めて摂氏40度(華氏104度)を超え、首都では火災により数十棟の建物が損壊。鉄道線路や道路脇の、火がつきやすいほど乾燥した草地も焼失した。
マドリードの道路清掃員が熱中症で死亡したことを受け、スペインの首都で清掃業務を請け負う企業は、熱波の間は作業を中止するなどの対策を講じると、マドリード市長が発表した。
スペインとモロッコの山火事による二酸化炭素排出量は今年6月と7月に、2003年以降のどの年の同じ時期よりも多かったと、欧州連合(EU)のコペルニクス大気監視サービス(CAMS)が発表した。
CAMSの科学者らはまた、英国、フランス、南欧で大気汚染が急増していると警告した。記録的な高温と、猛威を振るう山火事が背景にある。
ポルトガルでは、現在の熱波による死者が1,000人を超えたと報告された。保健当局トップは7月19日、気温が上昇し続けるなか、気候変動の影響に対処できるよう国として備えを整える必要があると警告した。
ギリシャの消防士らも週末、山火事の消火活動にあたった。7月24日(日)、国内の一部地域で気温は摂氏40度(華氏104度)に達した。
3. 気候変動への対処で、ごみをあさるホッキョクグマ
氷に覆われた生息地が失われるなか、空腹のホッキョクグマが腹を満たそうとごみ捨て場に向かっている。
7月20日、カナダと米国の科学者チームは、ごみが、すでに脆弱なホッキョクグマの個体群に新たな脅威をもたらしていると警告した。北極圏の集落近くにある埋立地への依存が強まり、人間との致命的な衝突につながっていると、同チームが学術誌『Oryx』に発表した報告書は述べている。
ホッキョクグマはアザラシを狩るために海氷に頼っている。しかし、北極圏は世界の他の地域の4倍の速さで温暖化しており、海氷は夏の早い時期に解け、秋には遅く凍るようになった。そのためクマは、自然の獲物から離れた陸上で過ごす時間を増やさざるを得ない。
この報告書が発表された頃、ロシア北部の北極圏にある前哨基地付近をうろついていたホッキョクグマが救助された。練乳の缶に舌が挟まっていた。
辺境の集落ディクソンの住民は、けがをした2歳のメスが村の小屋に近づいて歩き回るのを見て、警報を鳴らした。
モスクワ動物園のチームが現地に飛び、吹き矢で動物を麻酔し、口から鋭い金属片を取り除いて、舌の切り傷を治療した。
4. 環境悪化で深刻な危機にさらされるオーストラリアの動物
オーストラリアでは、他のどの大陸よりも多くの哺乳類種が失われたうえ、世界で最も豊かな国々の中でも種の減少率が最悪の水準にあると、政府が7月19日に発表した5年ごとの環境報告書は述べている。
アオオビトカゲなど、現在は飼育下でしか生息が確認されていない動物もいる。一方、セントラルロックラットやクリスマス島オオコウモリは、主に外来捕食種の影響により、今後20年間で絶滅する危険性が最も高い哺乳類に挙げられている。
ビャクダンも減少している。
過去5年間に干ばつ、森林火災、洪水がオーストラリアを荒廃させたことを受けたこの報告書は、気温上昇、火災や降雨の傾向の変化、海面上昇、海洋酸性化はいずれも大きな影響を及ぼしており、その影響は今後も続くと述べている。
「環境状況報告書は衝撃的な文書です。オーストラリアの環境が危機に陥り、衰退していることを物語っています」と、タニヤ・プリバーセック環境相は声明で述べ、新たな労働党政権は環境を優先課題にすると付け加えた。




