アースショット賞:環境問題の解決に貢献する5つの受賞者

The five Earthshot Prize winners each get $1.2 million to develop their innovations.
The five Earthshot Prize winners each get $1.2 million to develop their innovations.Image: Unsplash/nypl
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  • アースショット賞は、地球を守るために考案された解決策を称え、支援します。

  • 賞には5部門があり、受賞者にはそれぞれ、革新的な取り組みを発展させるための120万ドルが贈られます。

  • 2022年アースショット賞の受賞者を紹介します。

気候変動は、これまで人類が直面してきた最大級の脅威の一つです。激しさを増す暴風雨、火災、洪水、干ばつや、毎年期待を裏切る国際交渉を目の当たりにすると、気候の未来がどれほど危ういものになるかと悲観したくなります。しかし、解決策を見つけるための意欲的な取り組みが進んでいます。ウェールズ公のアースショット賞は、まさにここで力を発揮します。

この賞は、地球を救う解決策を称え、受賞者それぞれに100万ポンド(120万米ドル)を贈り、革新的な取り組みの発展を支援します。部門は5つあり、それぞれ3組の最終候補者と最優秀受賞者が選ばれます。

アースショット賞2022:受賞者5名と、彼らがどのように気候変動と闘うのか
アースショット賞2022:受賞者5名と、彼らがどのように気候変動と闘うのか
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私は、地球上の生命を支えるシステムを研究する科学者です。授賞式のBBC放送に向け、推薦候補の審査と台本の事実確認に携わる機会を得ました。どの受賞者も、人が住み続けられる未来を守る取り組みに貢献すると確信しています。

各部門のアースショット賞受賞者を紹介します。

安全な空気:ムクルのクリーン調理コンロ(ケニア)

シャーロット・マガイは、ケニアのナイロビにある最大級のスラムの一つ、ムクルで育ちました。10歳で孤児となり、16歳で母親になりました。家族の食事を作るため、薪を燃料とする伝統的なコンロを使っていましたが、これは屋内の大気汚染を引き起こし、世界で毎年200万人を超える人々の命を奪う調理方法です。

炭火コンロは有害な化学物質を排出することがあります。アースショット賞を受賞したムクルのクリーン調理コンロは、より安全な選択肢です。Image: The Conversation

気候変動への適応:箱型温室(インド)

サティヤ・ラグ・モッカパティがまだ17歳だった頃、村の農家が泥を食べているのを目にしました。理由を尋ねると、農家はこう答えました。「私は農家です。作物がだめになりました。お腹は、懐が空っぽだとは知りません。」

モッカパティは起業家のカウシク・カッパガントゥルと協力し、インド各地を6か月かけて巡り、何百人もの農家に会いました。彼らの話は同じでした。どれほど懸命に働いても、予測不能な気候変動に関連する天候によって作物が全滅し、収入がゼロになり、飢えに追い込まれることがあるのです。

世界には、6億人を超える農家が2ヘクタール未満の農地を耕しており、彼らが合わせて世界の食料のほぼ3分の1を生産しています。モッカパティとカッパガントゥルは国際チームの一員として、気候の変動がさらに激しくなるなかで農家を支える箱型温室を開発しました。

この組み立て式温室は、最悪の天候から作物を守り、灌漑も行います。持ち運びができて耐久性のあるこの温室は、世界中の何百万人もの農家が破産を免れる助けとなる可能性があります。

廃棄物のない世界:海藻由来のバイオプラスチック(英国)

4億トンのプラスチックが今年生産され、いずれマイクロプラスチックへと分解されます。マイクロプラスチックとは、5mm未満の小さな破片で、海や食べ物に入り込み、さらには私たちの血液にも達します。

世界は今、使い捨てプラスチックに代わるものを早急に必要としています。2012年、ロンドンの学生向けアパートで、ピエール・パスリエとロドリゴ・ガルシア・ゴンザレスは、生分解性の代替品を開発しようと決意しました。二人が見つけた解決策は、海にありました。海藻です。

海藻は驚くほど速く成長し、種類によっては1日に30cm以上伸びます。成長する過程で、二酸化炭素(CO₂)を大気中から吸収します。従来のプラスチックは化石燃料から作られているため、海藻由来のバイオプラスチックに置き換えることは、気候変動の緩和にも役立ちます。パスリエとガルシア・ゴンザレスはすでに、開発しており、食べられる液体用小袋やテイクアウト容器を製造しています。

海の再生:先住民レンジャー(オーストラリア)

オーストラリアの先住民は陸と海を分けず、一つの体として捉えています。この見方は、生態系が相互につながっていることを的確に表しています。クイーンズランド州先住民女性レンジャー・ネットワークは、そうした伝統的知識の6万年以上にわたる蓄積を生かして、生態系を保全し、他の人々にもその方法を伝えています。

レンジャーたちは、グレートバリアリーフで、漁網にかかったり、プラスチックを飲み込んだりしたウミガメなどの生物を救助し、回復させています。また、海草藻場の保護と再生にも取り組んでいます。花を咲かせ、受粉する植物からなるこの海中の草原は、陸上の多くの植物と同じように、海底に炭素を埋め込む働きがあり、その速度は熱帯雨林を大きく上回ります。

アースショット賞の受賞者であるクイーンズランド州先住民女性レンジャー・ネットワークは、グレートバリアリーフでウミガメなどの生物を救助し、回復させています。Image: The Conversation

気候を立て直す:CO₂を岩石に変える(オマーン)

タラル・ハサンは、手つかずのビーチやサンゴ、砂漠が広がるオマーンで育ちました。彼は、デッドゾーンがフロリダ州ほどの大きさで、オマーンの沖合に存在すると知り、衝撃を受けました。そこでは酸素がほとんど、あるいはまったくありません。CO₂排出量が増え、海が温暖化するにつれて、この生命のない海域は拡大しています。

ハサンは、サウサンプトン大学のユルク・マター教授と協力し、大気中のCO₂を回収して水に溶かし、地下の岩石に注入する方法を開発しました。CO₂はそこでかんらん岩(地球のマントル深部に見られる粗粒の岩石)と反応して、安定した鉱物になります。これにより、大気中の炭素を恒久的に除去できます。オマーンには世界有数のかんらん岩の大規模な鉱床があり、この方法は、使われなくなった油井に炭素を注入する方法など、従来の炭素貯留の手法よりも安全で低コストです。

5組はいずれも受賞に値しました。アースショット賞は次点の候補者にも解決策の開発を支援していますが、彼らのアイデアをさらに発展させるため、シード資金を提供してもよいのではないかと思います。

多くの人にとって、人生は過酷で残酷です。私が暮らす英国では、暖房を使うか家族に食事を与えるか、選ばなければならない人々がいます。ほかの地域では、戦争や騒乱が日常生活をのみ込んでいます。気候変動の道筋を考えれば、異常気象ですでに何百万人もの人々が住まいを失い、困窮している一方、未来にはさらにひどい状況が待ち受けています。アースショット賞は、どれほど暗い時代にも解決策を見つける人間の創意工夫と能力を、私たちに思い起こさせてくれます。

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