技術革新は、エネルギー消費がますます増大する世界のカーボンフットプリント削減に役立ちます。
スマートフォンやコンピューターのエネルギー効率を高め、電力使用量の純減につなげることができます。
AIなどのテクノロジーは、気候変動の原因と影響に関する研究にも役立っており、それが解決策の開発を後押ししています。
気候変動は、人類と私たちが共有する未来にとって、依然として最大級の脅威の一つです。そして、その深刻さは増しています。国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は最近、地球温暖化の影響が予想より低い気温でも感じられていると報告しました。
現在の世界平均気温の上昇幅は約1.1℃で、パリ協定が定めた1.5℃の目標を下回っていますが、陸上や海洋の生態系、さらには洪水や干ばつによって住む場所を追われた地域社会には、すでに気候変動の壊滅的な影響が及んでいます。今、私たちは何が行われているのか、何ができるのか、そして私たちと地球が回復できない転換点を回避するためにどう協力できるのかを考えなければなりません。
テクノロジー分野で働く私たちにとって、それは、エネルギー消費がますます増大する世界のカーボンフットプリントを削減するツールやテクノロジーを開発し、自然保護に変革をもたらし、気候変動に対処できる解決策を生み出すことを意味します。
テクノロジーで地球にエネルギーを
人類が気候に及ぼす影響と切り離せないのが世界のエネルギー消費であり、過去半世紀のほぼ毎年、増加してきました。
短期的には、テクノロジーの普及拡大がこの傾向を後押しします。例えば2020年、スマートフォンは世界の二酸化炭素排出量の1%を占め、この割合は10年以内に3.5%に上昇すると見込まれています。同様に、ネットワークのトラフィックは2018年から2024年にかけて5倍に増加すると予測されており、2024年には世界の一人ひとりが、1日当たり写真6,700枚のアップロードに相当するデータを生み出すと見込まれています。しかし長期的には、技術革新によってICT分野のエネルギー効率が大幅に向上し、エネルギー総消費量の純減につながるでしょう。ファーウェイはすでに、自社製品のエネルギー効率を少なくとも270%向上させることを約束しており、それが数学的理論、アルゴリズム、素材などの分野における飛躍的な進歩を促しています。こうした成果は、他の産業や消費者にも広げることができます。実際、デジタル技術によって他産業で削減される二酸化炭素排出量は、ICT産業自体が排出する量の10倍に達する可能性があります。
私たちは、通信事業者が再生可能エネルギーの利用割合を高め、排出量を削減できるよう支援しています。データ通信量に対する二酸化炭素排出量を追跡し、事業者がネットゼロへのロードマップを改善できるよう、ネットワーク・カーボン・インテンシティ・インデックスを2021年にICT専門企業インフォーマと共同で開発しました。この指標を、拠点、ネットワーク、運用を網羅する統合型グリーン開発ソリューションに適用しています。例えば、ポールに設置する屋外通信機器のグリーンサイトはエネルギー効率97%を達成でき、スマートネットワークアクセス技術は、スマートフォン利用者を2Gまたは3Gの通信ネットワークから、より効率的な4Gまたは5Gのネットワークへ自動的に切り替え、測定可能なエネルギー削減を実現します。
Tech4Nature:テクノロジーで自然に恩返し
技術革新は、環境保護の最前線にも導入でき、気候変動への取り組みに良い影響をもたらします。
当社のTECH4ALLイニシアチブの下で、Tech4Natureプロジェクトは、パートナーとともに自然保護に最先端技術を活用しています。オーストリアでは、レインフォレスト・コネクション、ウィーン大学、その他の地元パートナーと連携し、ノイジードル湖周辺の湿地生態系を監視する「ネイチャー・ガーディアン」システムを導入しました。音響技術とAIを使って鳥類や両生類の鳴き声を収集・分析し、気候変動から生息環境を守る対策の開発を目指しています。気候変動により、過去10年間で湖のヨシ原は3分の1縮小し、在来種と渡り種の双方の生息地が脅かされています。
フィリピンのパラワン熱帯雨林では、レインフォレスト・コネクション、スマート・コミュニケーションズ、フィリピン政府環境天然資源省と連携して同様の技術を導入し、違法伐採者が使うチェーンソーやトラックの音、密猟者の銃声をほぼリアルタイムでレンジャーに知らせています。違法伐採は熱帯雨林の森林減少の半分を占め、種の生息地を破壊するだけでなく、炭素吸収源を減少させるため、気候変動の大きな要因にもなっています。パラワンの熱帯雨林では毎年5,500ヘクタールの森林被覆が失われており、これはサッカー場7,700面分に相当します。私たちは、テクノロジーによってこの傾向を断ち切れると考えています。
サンゴ礁も気候変動の被害を受けています。海水温の上昇と、それに伴うサンゴの白化により、モーリシャスのポワント・オ・フィーユ周辺では、2016年に生きたサンゴの最大50%が死滅しました。2020年には、パートナーのエコモードおよびモーリシャス・テレコムとともに、サンゴ礁の生態系を研究するためのデータを提供するAI搭載の映像ソリューションを導入しました。このプロジェクトは、サンゴ礁の養殖場で最大50,000個のサンゴ片を再生させ、2020年の壊滅的な原油流出の影響を受けた礁域を回復させ、2023年までに5ヘクタールのサンゴ礁を保護することを目指しています。
地球が甚大かつ継続的な環境圧力に直面する中、私は、テクノロジーが気候変動の原因と影響に大きな影響を及ぼし得るし、実際に及ぼしていると考えています。
実際、IPCC第6次評価報告書(AR6)が4月4日に公表された際、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は次のように述べました。「本日、私たちの前にあるIPCC報告書は、気候変動を緩和する可能性があることを示す力強い証拠です。私たちは岐路に立っています。今こそ行動するときです。温暖化を抑え、暮らし続けられる未来を確かなものにするために必要なツールと知見は、すでにあります。」
今年のアースデイは、振り返りと行動の両方の機会としなければなりません。とりわけ、私たちが行動を起こさず、故郷である地球を守るための十分な投資をせず、あるいは私たちが今まさに直面している岐路を乗り越えられなければ、その結果の大きな負担を子どもたちが背負うことを忘れてはなりません。





